鬼 ご っ こ ―――---。 作者/燈 ◆Cydpxggyeo

・・・†・・・3話・・・†・・・
「瑞希ィ。元気ないぞォ。」
結奈がぼんやりとしている私の肩を叩いた。
「何でアンタは元気なんだよッ!可笑しいってば。ダッテ、鬼ごっこが始まったんだよッ!。」
結奈は、ニヤリと笑って答えた。
「だって、50年に一度だけのイベントでしょぉ。楽しまなくちゃねぇ。
瑞希ってば、怖いの?」
「こ、怖いに決まってるジャンッ!アンタ、朝から変だよ、如何したんだよッ。」
結奈が何時もと違う・・・。何時もは・・・、もっと元気で明るいのに、
今日は顔色が悪いし、第一あまり笑わない。
「如何もして無いけど?瑞希、何言ってるのさ。
い つ も 通 り じ ゃ ん か 。」
結奈の言った、最後の言葉が耳の奥に残る。
結奈が結奈では・・無いような気がする。何故だろう。
変な気持ち・・・。私は気分転換に窓を開けようと思い、窓の鍵に手を伸ばした時・・・。
放 送 が 鳴 っ た 。
『雛菊町の今回の参加者様方,コンニチワ。
サテ、早速ルールの説明をしようかな。
1.期間は一週間。最後に残った人が勝ち。
2.もし、君達が負ければ町は我々の物。
3.町からは出れない。
以上。
サテと・・・。もう、ゲームは始まっている。
コレから一週間楽しもうじゃないか。
さて・・・。
き み た ち は ど こ ま で に げ き れ る か な ?』
「ちょっと・・・、待ってよ。何勝手に私達参加してるのさッ!」
クラスの女子が、放送が終わった時に怒鳴った。
再び、放送が入る。
『・・・?知らないのかい?
このクラスの4人がね、鬼ごっこの本を開いたからさ。
その本を開いた人達のクラスが参加するんだよ。
今、名前を明かそうか・・・?』
「ヤメテェェェッ!!!」
私は、放送に向かって怒鳴った。
でも私に構わず放送は私達の名前を明かし始めた。
『“橘 瑞希”・“志木 結奈”・“稲垣 龍樹”・“加藤龍祐”の四人さ。
・・・この4人が勝手に本を開けたから君達が巻き込まれたんだね。
仲間割れは程々に・・・ね。』
私は、立っている所に居すくまってしまった。
皆、放送が終わった瞬間私を睨みつける。
早速・・・仲間割れだ・・・。
“ 仲 間 割 れ は 程 々 に ” ね。

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