鬼 ご っ こ ―――---。 作者/燈 ◆Cydpxggyeo

・・・†・・・8話・・・†・・・
「皆、鬼の弱点は豆まきだよッ!」
鬼の弱点が分かって嬉しいのかな。皆に言いふらしてる。
「瑞希が居れば安心だなッ!」
皆が、私を鬼退治専門とする。私はソレが嬉しいみたいで、笑顔で頷いた。(うなずいた)
勿論、安心で平和な空間は長続きしない。早速、他の鬼が遣って来た。
「鬼ッ!!!」
「任せてッ!」
私は自信満々に皆の前に立ち、鬼に豆を投げる。
勿論鬼は倒れるから、皆歓声を上げる。
「流石瑞希♪」
少し、自慢っぽくなっちゃってるけど・・・。
「ウンッ!」
鬼ごっこの中、皆の為に出来る事があって嬉しいッ。
その時、教室に結奈が入って来た。
「結奈ッ・・・。」
私は、その時鬼だと思った。でも、教室の皆は鬼だと知らない。
数人の女子が結奈に近寄って行く。
「ダメェェェェ!!!!」
危険を感じて、大声で叫んだけど間に合わなかった。
もう、叫んだ時には皆、皆喰われていたんだ・・・。
教室に残っている人達はすぐに教室から出て行った。いや、に.げて行った。
一人だけ、近付いていった女子の中に喰われていない子が居た。
その子を助けようと、私は豆をまこうとした。
「瑞 希 ちゃ ん 助け て 」
女子の声はだんだん小さくなっていく。
袋に手を突っ込んで、豆を投げたけど・・・・
手 遅 れ だ っ た 。
鬼=結奈に喰われてしまった。
救えなかった、数人の女子を・・・。悔しくてたまらない・・・。
鬼を倒した時、全然嬉しくなかった。だって、守れなかったんだもん。
数 人 の 女 子 達 を。
遅かった。豆をまくのが・・・。なんて、なんて自分はダメなんだろう。
こんなに自分が無力だったなんて・・・。
今までに無い程、涙があふれて来た。

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