鬼 ご っ こ ―――---。 作者/燈 ◆Cydpxggyeo

・・・†・・・4話・・・†・・・
「橘ッ、テメェッ!!!」
クラスの男子が、放送終了と同時に殴りかかって来た。
何故か・・・私だけを・・・。
他の3人には殴りかからず、私だけ。
「止めて・・・ッ、御願いだから・・・さ・・・。」
「五月蠅いッ!貴女が開いたんでしょうッ、知ってるわよ!!!
貴女のせいで・・・、私達が鬼ごっこに巻き込まれたじゃないの!!!」
如何して・・・。
本を探そうと言ったのは私だよ。でも、見つけたのは結奈だし・・・。
開いたのは皆でだよ。
殴られて、もう一時間は過ぎただろうか。
体中が痛い。歩けない位。いや、動けない位痛い。
それでもまだ私を殴ったり蹴ったりしてくる。
私も限界で泣きそうになった時・・・
「キャァァァァァッ!!!」
クラスの女子の悲鳴がした。
廊下から・・・?いや、隣のクラスからだ。
痛いのを我慢し、私は隣のクラスのドアを少し開け、隙間から中を
覗き込んだ。
「――-ッ!!」
中で私が見たものは・・・。
先生と同じで、服だけ綺麗に残っていて、近くには紅い文字。
しかも、今回は一人だけでは無く、3人だった。
近視の私は、遠くの文字が読み難く、しょうがなく教室の中に入った。
紅い文字で書かれていた言葉は
『全員で40名でしょ?今、3人GETだから、後37人。
まだまだ時間は有るよ・・・?次は誰かなァ?』
だった。
鬼は、この鬼ごっこを遊びだと・・・一種のゲームだと楽しんでいるのだと。
私が教室で一人座っていると結奈が入って来た。
「アリャ、食われたかぁ~。」
結奈は・・・、怖がって居ない・・・?
「ゆ・・・結奈ァ?」
この時、私が見た結奈の笑顔は、鬼のような・・・。
明らかに人間の笑顔では無いような物だった。

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