コイ ウタ *~koiuta~* 作者/恋歌

11話 信じる
「大地。あたし、大地のこと・・・信じるわ。」
私は大地に駆け寄って言った。
大地は、軽くおでこにキスをして私を抱きしめた。
こんな事、初めてだったけど・・・初めてぬくもりを感じたよ。
「有難う。恋歌。俺はお前の彼氏や。
ずっと一緒や。」
「うん。」
大地__有難う。
ずっとずっと一緒だよ__。
次の日__
「おはよっ。みんな。」
私はみんなの元へ駆け寄った。
みんな引きつった顔をしている。多分、私がうらんでるに違いない__ って思ったからだ。
「みんな・・・嫌いや。でも、もうこんな事しないって言ったら許すわ。」
私はみんなにどうどうと宣言した。
「ゴメンな。恋歌。」
「ゴメン。」
「すまんかった。あたしら、友達や。」
有難う__みんな。でも綾香は・・・
一人、奥の席でぼんやりと外を見ていた。
「綾香・・・どうするん?」
友達の1人が聞いてきた。私は・・・もう。
「もういいんよ。綾香は大地のこと好きなんや。
あたしも、大地のこと好きやし。
綾香は、あたしのこと嫌い・・・って言ったからな。」
「そっか。」
みんなしんみりしている。そう、綾香はみんなから好かれていた。
だから、今回もみんな綾香の意見に乗ったんだと思う。
12話 デートの誘い
「今日、どっかいける__?」
大地からデートの誘いがあったのは大地と付き合い始めてから3週間たった、もう・・・夏に近づく頃からだった。
「うん!行けるけんっ!」
私は初デートに胸をふくらませて答えた。
「プール行かん?お母さんがチケット3枚持ってて・・・」
「3枚?」
私は聞き返した。だって、3枚って・・・1枚余分にならない?
「おぉ、3枚や。俺の友達も行きたいって言ってるんや。」
「ふーん。まぁ、いいわ。」
もう!大地ってば女心をちっとも分かってない・・・
私は大地と2人きりで行きたいのに____

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