コイ ウタ *~koiuta~* 作者/恋歌

15話 やり直し__?



「ねぇ・・・大地。」

大地は私が話し掛けると強張った表情をやめた。

でも、かなりつくり笑いをしている____

怒った____?

私はだんだん手のひらに汗がにじんでくるのを感じた。

「もしかして・・・友達って・・・」

「信二や。」

大地はきっぱり言い放った。信二・・・!?

信二は私たちを見ながらニヤニヤしている。

ありえない____!そんな・・・っ。

「お前ら、仲悪いの?」

信二が空気を読まずに聞いてきた。その、言葉には私たちを別れさせようという、悪意がこもってる。

「仲いいわ!」

大地がいつもどおり手をにぎってくれた。

でも__大地。大地も手のひらに 汗・・・

にぎってたよね____。


「じゃあ、着替えてくるわ。」

私は離したくない大地の手をしぶしぶ離すと、女子更衣室に向かった。

はぁ・・・

今日は楽しくなるとおもったのに・・・

初デートから最悪な雰囲気になっちゃった。

そう、思いながら水着を取り出すと、そこにメモがひらりと落ちてきた。

何かと思って見てみると、そこには小さい文字でこう書かれていた。


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【恋歌へ】

わい・・・やっぱり恋歌の事、好きなんよ。

中学の時、別れたとき本当にショックだった。

まだ・・・あきらめとらんからな。

大地になんか負けん。

【信二より】

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16話 2度目のキス__



私はしゃがみこんだ。体の力がどんどん抜けていく。

「どうして?そんな・・・」

でも、私は大地が好きなの__好きすぎてたまらないの。

だから____

私は水着に着替え大地と2人で手を強く握りながら、信二に見せるようにわざとキスをしたりした。

信二は、少し舌打ちしてたり私を強い眼差しで見つめていた。

「・・・っ。恋歌っ。」

ガマンしきれなくなったのか?信二は、そそくさと何処かに行ってしまった。

私は大地にピースをする。大地は、私を見てニッコリしたけど信二が心配なのか・・・

私を置いて、信二をさがしに行ってしまった____

「なによっ。私と信二・・・どっちが大切なんよ・・・
もう、訳わからん。」

私は文句をいい始めたが、その文句を聞いてくれる人がいないから、その言葉を飲み込んだ。

すると、私の涙が眼からポタポタと流れ落ちる。

「俺が守るからな・・・これからは俺が・・・っ。」

大地かと思って見上げると、そこには信二の姿があった____。

信二は私を抱きしめると、ちょっと冷たいキスをした____。

2度目の・・・キスだった。