コイ ウタ *~koiuta~* 作者/恋歌

17話 離さないで



「何するんよ!」

ドンッと大地の時と同じように信二を押した。

「わいは本気や____!」

信二は私を抱きしめた。でもね。信二____。

あなたに大地と同じくらいのぬくもりは感じなかったよ。

だから____。ゴメン。

「無理。やめとくれ。」

私は信二を冷たく突き放した。「私は、大地だけ____。」

信二は諦めがつかないのか・・・私を強いまなざしで見ている。

「そんなに__好きなんか?」

うん。と頷く。大地は、立ち上がり、おしりをパンパンとはたくと、「幸せになれよ。」と言い、何処かに去って行ってしまった。

信二____

私の事、想ってくれててありがとう。

あなたは、ずーっと私の事想ってくれてたんだね。

そこに、大地がやって来た。

私は、ためていた涙を一気に出し、大地と長い長いキスをした____

「恋歌。俺は、お前が好きや。
ずっと__お前から離れん。」

離さないで____。離さないで____。

大地。ずっと____



18話  クリスマス



信二とも____

綾香とも話さなくなって4ヶ月がすぎた。

【 m e r r y   X, m a s  】

そんな文字が、町中を囲むようになった。

クリスマス____

おととしは、信二と2人・・・この、町を歩いたっけ・・・

去年は、綾香と2人__買い物をしてすごした。


でも、今年は私の1番愛しい人がいる。

「どうしたん?ボーっとしてるで。」

大地の手が私の目の前を動きまわる。

「ううん・・・大丈夫。」

大地__今年はあなたが私を幸せにして下さい。

ううん・・・これから先__ずーっと。

そう、思ってたら大地が私にキスをした。

今年は1番キスしたな__そう、思って目をつぶってると、大地は私の手のひらにそっと何かをのせた。

____?

目をあけてその箱を見てみると、そこには可愛いネックレスがあった。

「安物だから、そんな気にすんなよ。」

そう言うと大地は私の首に、葉の形をしたネックレスをかけてくれた。

「ありがとう。大地。」

私は強く大地の手を握りなおす。

私の大地に贈って上げれる1番の宝物は、こうして・・・


大地と手を握ることです__。


「merry X,mas。」