コイ ウタ *~koiuta~* 作者/恋歌

27話 あの場所へ



「こんばんわ~。まあ!恋歌。」

お母さんが私の元に駆け寄ってきた。

お母さんは心配そうに私を立ち上がらせた。

「血を吐いたなんて聞いたからビックリしたのよ。」

そうだけ言うと、お母さんは保健の先生にお礼をして私の肩を支えながら校庭へと出た。

もう、外は真っ暗だった____。

「お母さん。私、行きたいところあるんよ。」

お母さんは私を止める。

私の体がフラフラだったから。それでも私にはどうしても行きたい場所があった。

「どうしても・・・行きたいの。」

私のしぶとさに負けたのか____お母さんは許してくれた。

「すぐ、帰ってくるんよ。」

そうだけ言うとお母さんは自転車に乗って、家へ帰った。

それから私はフラフラしながら必死の思いであの場所へと向かった。

大地が歌を歌ってくれたあの場所へ____。



28話 笑顔の手紙



もう1回聞きたいな____。

大地の歌声。

聞きたいよ____。

「大地____。」

大地という名前を口にしただけで涙が出てくる。

涙を流すほど、力が抜けていく。

そして、とうとうへなへなと座り込んでしまった。

その時、自分の足元に紙がおいてあるのが気づいた。

その手紙の表紙は 恋歌 へ __ って書かれてる。

大地の字。大地の字だ。


________________________

【恋歌へ】


この手紙を読んでいるのが恋歌だと俺は信じます。

恋歌。泣くな。

俺は、引っ越すけど別にずーっと会えなくなるわけじゃないんだから。

また、会うときは コイ ウタ を歌ってやる。

ずっとお前の事想ってる。ずっとだ。

だから____恋歌。

泣くな。

    笑  顔  で  い  ろ  。

【大地より】


新しい住所

岐阜県○○○市○○町△番地□ー□