コイ ウタ *~koiuta~* 作者/恋歌

29話 電話____。
「恋歌。大地君から電話よ^^」
「え!」
大地から、あの日依頼の初めての電話が来た。
手に汗を握り・・・受話器をとる。
「よ!元気にしとる?」
大地____あなたの気さくな喋り声が私を安心させてくれていました。
でも、安心したのと同時に急に力がぬけてしまった。
すると瞳から涙が出てきた。
泣くな____!そう、大地と約束したでしょ?
「っく・・・。ひっく・・・。」
泣き声までもが出てしまった。
これじゃあ・・・大地との約束、守れないよね。
「泣くなって言っとるやろ~?・・・。
俺も泣きたくなるやんけっ。・・・っ。」
「・・・大地。」
一瞬だったけど大地の泣き声がかすかに受話器の向こうから漏れてきた。
大地も泣きたいんだね・・・。強がり・・・。
「・・・大地。」
「ん?」
少し泣き声が混じった声で、私は言った。
「また、こっち戻って来てな。」
「あたりまえや。また行くで!」
多分、受話器の向こう側の大地の顔はもう笑顔だよね____?
大地。ずっと笑ってて。
私 も 笑 っ て い ら れ る か ら 。
30話 夏休み
「あ~・・・もうすぐで夏休みだねぇ。」
「そうだねぇ^^」
あれから、すっかり綾香と仲良くなっている私達はもう親友にまた戻る状態まで来ていた。
綾香とは・・・ずっと仲よかったんだもん。
そう、簡単には切れないよね。
でも、2人とも心にはポッカリ穴が空いていた。
もう、私達の愛しい人はいない____。
ただ、その思いだけが私達の心に穴を空けていたんだと思う。
夏休み____
今年は、初めて岐阜に行く。
そう・・・大地に会いにいくために。
お母さんも心配しながらも、許してくれた。
「気をつけていってらっしゃい^^」
「うん。行ってきます。」
そう行って重い荷物を肩にかけ、初めて岐阜県へと足を運んだ。

小説大会受賞作品
スポンサード リンク