コイ ウタ *~koiuta~* 作者/恋歌

25話 事実
「ねぇ!恋歌っ!」
「きやすく呼ぶな。あたしらはもう、絶交したんよ?」
綾香となんて、もう喋りたくない。それなのに。どうして・・・?
私の眼に涙がにじんでくる・・・っ
「いいから!そんなことッ!大地が引っ越すこと・・・知ってるんやろ?」
綾香が必死に私をゆさぶる。綾香の顔はもう涙でぐちゃぐちゃだ。
「・・・うん。」
私は、一生懸命うなずいた。
「バカッ!」
パシンッ!
綾香が私の頬をたたいた。思いっきり。
その、思いもよらぬ行動に私は少しきれた。
「何するんねん!?」
「バカッ!本当に好きやったらどうして送ってやらんかったん!?」
・・・?
綾香の言ってる意味が分からない。
だって・・・送るって・・・大地はまだ転校してないんでしょ?
「もしかして・・・知らんの?」
綾香がハッとした顔で私に駆け寄る。
そして、衝撃な事実を口にした。
「大地・・・昨日、引っ越したんよ。」
_________嘘でしょ?
____大地。
_______ねぇ。
______また嘘でした~っ て言って出てきてよ。
____また私を抱きしめてよ。
どこにも・・・行かないでよ。
26話 後悔
私は、体に力が入らなかった。
倒れて____綾香が、急に叫んで・・・。
良く覚えてない。
ただ、覚えてるのは大地が居なかったって事だけ。
眼をあけた____。
そこには、いつも心配そうな大地の顔があったのに・・・
今日、私の眼を開けた場所で私を心配そうに見ていたのは・・・保健の先生。
「大丈夫?」
「あ・・・っ。はい。」
私はベッドから立ち上がった。けど力が入らなくてへなへなと座り込んでしまった。
「あなた、急に血を吐き出して、倒れて・・・大変だったのよ。」
血____?吐いたっけ?
全く覚えがない。
「まあ、会田さんが助けを呼んだからよかったけど。
もう少しでお母さん達が迎えに来るわ。
それまでゆっくりしてなさい^^」
「はい・・・。」
ドスンッとベッドに横たわった。
涙が出てくる____。
あの時、言えば良かった。
行かないでっ て。
そうすればあなたは私から離れなかったのかな?
大地。
戻ってきてよ。

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