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作者/ 友桃 ◆NsLg9LxcnY

第1話『謎の闇組織E・C』(1)
―…ほんと恵玲って、私に隠れてコソコソ何やってるんでしょう?
私はふぅっと浅いため息をついて、困ったふうに眉を下げた。さらさらとした心地の良い風が頬をなで、くせのない茶髪がふわりと舞う。それをちょっと鬱陶しく感じて手で押さえ、そのままふと下方に視線を移し、自分の全身を見下ろした。
紺のブレザー、胸元には赤が基調のチェックのリボン。そして同色のスカートはもちろんミニ。
今日から晴れて女子高生の一員となるのである。
中学から伸ばし始めた生まれつきの茶色い髪は背中にかかるまで長くなり、自慢のサラサラなストレートが一段と際立つようになった。ただ下ろしているだけではつまらないので毎日シュシュやリボンを左上部に一部だけ結んでいるが、今日は淡いピンクのシュシュである。
思わず口元が緩んでふやけた顔になってしまう。両手の指先でにやけを抑えるように頬を挟み、再び最初の疑問へと思考を移した。
つい先程のことである……

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