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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第21話「アカネ大ピンチ、ヒビキとツクシの決意のZ技」パート5


ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、オニドリル、イシツブテ(戦闘中)、アローライシツブテ(戦闘中)、ウソッキー


(注意、ここでのバトルで少しシュール過ぎる展開が待っているかもしれません、落ち着いて見ることをお勧めします)



「そうだ、ツクシくん!」
「何?」
「レディアンにイシツブテ達を投げるよう言ってくれ!」
「投げる?今ここで?」
「ああ、俺に考えがあるんだ」
 サムズアップするとツクシの耳元に自分の作戦を話した。
「そう言うことか、それなら、レディアン!イシツブテ達を上に投げるんだ!」
 ツクシの指示でレディアンがイシツブテとアローライシツブテを空高く放り投げた。
「よし、岩を集めるんだ!」
 ヒビキが合図を出すと、二体のイシツブテは体内にある磁力を出して、砂や岩を引き寄せ始めた。それらは二体の体に集積されて大きな岩石に変わっていく。
「そしてこれで補修だ!」
 ツクシの指示でトランセル、コクーン、アリアドスが糸を岩に向かって吐いて砂や岩を接着させていった。
「よーし、完成!」
 上空には大きな岩と糸で出来たボールが浮かんでいた。
「これを、落とすぜ!」
 両手を一気に振り下ろすと二つのボールがコラッタ達が組んでいる巨人目掛けて急降下した。開いた口が塞がらないほどパニック状態になるコラッタ達、そしてボールは巨人にぶつかり、崩れ落ちて組んでいたコラッタ達もばらけたのだった。ボールから二体のイシツブテが出てくるとアローラコラッタの群れは一目散に逃げていく。
「やりー、いい作戦だったぜ!」
 ヒビキとツクシがハイタッチする。
「あれ、お前等?」
 するとイシツブテとアローライシツブテ、トランセルとコクーンの体が光り出した。
「もしかして・・・!」
「そうか、来たんだな!」
 ヒビキ達の瞳が喜びで溢れる。姿を変えてゴローンとアローラゴローン、バタフリーとスピアーに進化した。
「トランセル、コクーン・・・」
 さなぎだった二体のポケモンが成虫になって羽ばたいている。ずっと苦楽を共にしていただけあって、嬉しさで一杯だった。
「おや、何か落ちてるぜ?」
 ヒビキが目の前に何かが落ちていることに気付いた。拾ってみるとそれは黄緑色のクリスタルだった。
「これって、Zクリスタルじゃないかな?」
「そうかもな、よし、ツクシくん、これ持ってけや」
「いいの?」
「いいって、まだ自分用のクリスタルを持ってないんだろ。俺は充分あるから、な」
「うん、ありがとう」
 クリスタル、ムシZを受け取るとツクシは腕にはめているZリングにムシZを装着させた。


 しばらく走って行った先、サファリゾーンの外れの道から遥かに遠くに来てしまっていた。そこは目の前に崖がそびえたっている場所だった。
「遠くまで来ちまったな、アカネちゃんはどこだ・・・」
「ヒビキくん、あそこ!」
 指を差した先に探していた友達が見つかった。岩場の上でアカネが仰向けで目を閉じて倒れていた。
「アカネちゃん、やっと見つけたぜ!」
「さあ、早く起こしてここを、あ!」
 何かに気付いて歩を止めた。二人が見上げると崖に二体のポケモンが立っていた。それは降り立って、アカネを渡すまいとヒビキとツクシの前に立ちはだかった。
「こいつらは?!」
 現れたのは、一回りも大きいアローララッタとゴースだった。
「ゴースゴス!」
「ヌッシャシャア!」
「畜生、こいつらを何とかしねえとな」
「うん、行くよヒビキくん!」
 ヒビキとツクシはボールを投げてオオタチとストライクを出した。
「俺はあの煙野郎と戦う、デカいのは頼むぜ!」
「任せて!」
 ストライクが走り出してアローララッタに向かっていった。アローララッタが尻尾を振るうとジャンプして避けてエアカッターを発射する。
「クッチャル!」
 所がアローララッタは口を開けてエアカッターをバリバリと音を立てて食べてしまった。
「ラ、ララライク・・・?!」
「うそ、食べちゃった・・・!」
 信じられない光景にツクシとストライクは呆然とした。アローララッタは頬袋を叩いて音波を飛ばして来た。ストライクはこれをかわしてきりさくをしてアローララッタを攻撃、土に着けた。
「おーし、行くぜオオタチ!」
 オオタチは拳を鳴らしてゴースに向かった。だが、ゴースは薄笑いを浮かべている。
「ゴース!!!」
 体から黒い気を生み出すと塊にして前に出して何かを念じさせた。
「な、何だ?!」
 仰天するヒビキ、オオタチも警戒態勢になった。そしてそれは形になって出て来た。
「へ、な、何だこれ?」
 ゴースが生み出した目の前で立ちはだかるもの、それは本当に相手になるものなのか、いや、そもそもポケモンですら無かった。
「これ、消火器じゃねえか!」
 指を差して仰天する。そう、ヒビキ達の前にいるのは正真正銘の消火器だったからだ。オオタチも目を天にして唖然としていた。反面、ゴースは楽しく笑っていたのだが。
「と、ともかく相手にしねえと行けねえな」
 戦うことになり、オオタチも腕を回して走り出した。ほのおのパンチで消火器を吹っ飛ばしたが、
その消火器は反動で帰って来てオオタチに体当たりする。威力が高かったのかオオタチが吹っ飛んで地面に転がされた。
「何?!」
 起き上がると、ノズルが振り回されて直撃する。ダメージを受けるも再び走り出してれんぞくぱんちで攻撃に出る。
「チ〜」
 しかし消火器が余程硬いのか痛そうに腕を振るった。するとジェット機のように体当たりしてオオタチを吹っ飛ばして縦横無尽に動き、消火剤を飛ばして来た。
「あの消火器、強すぎじゃねえか・・・」
 粉まみれになったオオタチは走り出して消火器と激闘を展開する。ほのおのパンチを振るい後退させると、消火器もノズルを飛ばしてダメージを与える。オオタチがだいもんじを飛ばすと消火剤で消してしまった。
「炎がだめならこいつだ、オオタチ!」
「オオタチ!」
 ジャンプすると、あまごいで雨雲を作らせてかみなりを発射した。かみなりは消火器に直撃してこれを黒焦げにさせた。
「やりー!」
 悔しそうな顔をしたゴースは黒焦げになった消火器を消して苦い顔をした・・・。


続く・・・。

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