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第23話「こおりのぬけみち、恐怖のアローラサンドパン!」パート4
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル(戦闘中)、オオタチ、オニドリル、メタモン、ウソッキー、アローラゴローン
「フー・・・!!!」
アローラサンドパンが再び針を分離させて来た。氷柱にふぶきの冷気を纏わせると、オーダイル達に飛ばして来た。
「まずい!」
「よけるんだ!」
今度は高速で飛んで来て迫って来る。オーダイルとストライク、ジュゴンは緊急回避をしてこれをかわした。外れた氷柱は岩に突き刺さった。すると氷柱が刺さった岩が音を立てて凍り出したのだ。
「げげ!」
「岩が、凍った・・・?」
「恐らくあのマンムーもこれで凍らされたのだろう」
「じゃああれに当たったらやばいじゃねえか!!!」
再びアローラサンドパンが針に冷気を込めて氷柱を飛ばして来た。
「来た!」
「ツクシくん、俺とツクシくんのコンビネーションであの技を破るぞ!」
「でも、どうやって?」
「任せろ、オーダイル!」
「オーダイル!」
ヒビキの指示でオーダイルはなみのりをして大波を起こした。波は氷柱を飲み込んだが氷柱は波から飛び出てくる。
「ヒビキくん、効果がないよ!」
「ようし、氷柱を落とせ!」
ヒビキがツクシにストライクに氷柱を落とさせろと指示した。
「ちょっと、そうしたら凍っちゃうよ!」
「心配ねえ、やってみろい!」
「ああ、もう、仕方が無い!」
ツクシはストライクに氷柱を叩き落とすよう指示を出した。ストライクが前に出て氷柱を叩き落としていく。だが、よく見ると凍ってはいなかった。
「あれ、凍りついてない?」
「そうだろ、波の力で冷気を消したのさ!」
「ほう・・・」
ヒビキの作戦にヤナギも感心していた。だが、アローラサンドパンは再びつららばりを飛ばして来た。
「オーダイル、衝撃波だ!」
オーダイルが地面を叩いて衝撃波を飛ばし、つららばりを砕いていった。しかし、最後の一つがルージュラに迫って来た。
「ジュラーーーーーっ?!」
「危ねえ!」
絶叫するルージュラを前にヒビキが走り出してみがわりになった。つららばりはヒビキに命中して吹っ飛ばされてしまった。
「ヒビキくん!」
「ヒビキさん!」
地面にぶつかって背中を強く打ってしまった。ルージュラが慌ててヒビキの所へ来た。
「痛ってえ、ポケモンを守るのも楽じゃねえぜ・・・」
無理をしてはにかんでみせるが表情は苦悶に満ちていた。
「ジュラ、ジュララ・・・」
自分を守ったことにルージュラは涙が溢れていた。
「ジュラルーーーーーーーーっ!!!」
しかしすぐに憤怒の表情をして目を赤くしてアローラサンドパンに睨み付けた。
「ええ、まさかこれって・・・」
「怖い・・・」
ツクシとアカネは冷や汗をかいて怯えてしまっている。何故なら目の前にいるルージュラが怒髪天を突くように髪の毛を逆立てて吠えていたからだ。高速で動くとアローラサンドパンの顔面にれいとうパンチをぶちまけた。
その威力にアローラサンドパンは転倒してしまい、そこへルージュラが蹴り飛ばしをして宙に上げるとテレポートをして空中に舞いかわらわりをして叩き落とした。
「フガーーーーっ!!」
アローラサンドパンは爪を伸ばして鋭利な刃物の状態にして切り裂きに出ようとした。
「フンジュラーーーーーっ!!!」
だが、ルージュラは爪を掴んで力んでくる。握力は凄まじくわずか数秒で爪にひびが割れてあっと言う間に割ってしまった。
アローラサンドパンはつららばりを飛ばして来たがルージュラはものともせずに歩み寄り、首を捕まえると、高々と投げ飛ばしてしまった。
「つ、強い・・・!」
ツクシがその強さに息を呑んでいた。ルージュラは両手に冷気を込めると冷気の光線を飛ばしてアローラサンドパンを攻撃、大ダメージを受けたアローラサンドパンは爆発をして倒されたのだった。
「やった!」
「あのルージュラ、強い!」
ルージュラの勝利にツクシとアカネが喜んだ。ヒビキもようやく体を起こした。
「あん、どうしたんだ?」
「ヒビキくん、実はね・・・」
「ジュラルーーーーっ!!!」
さっきまでの殺気立った表情から一変してルージュラがヒビキに抱き着いて来た。
「わああ、何だよ一体?!」
「このルージュラがサンドパンを倒してくれたのだよ」
「え?」
目の前では伸びているアローラサンドパンが映っていた。
「お前が?」
ヒビキが聞くとルージュラがキスをねだって来た。すると後ろから大きな唸り声が聞こえて来た。
「お、やったのかお前等!」
そこには氷から解かれたマンムーの姿があったのだ。ウリムーとデリバードが大喜びしていた。オオタチ、オニドリル、ゴローンが見事に氷を砕いて解放させたのだ。
「うむ、これでもうお前も大丈夫だな」
ヤナギがウリムーを撫でると、ウリムーはひと鳴きしてマンムーの元へ返る。
「ははは、良かったな、元気で暮らすんだぞ」
ぬけみちの奥へと帰っていくマンムー親子とデリバードをヒビキ達は笑顔で見送った。
「あいつ、良かったな」
「そうだね」
「さて、ヒビキくんだったね。チョウジタウンにはジムリーダーがいる。挑戦してみてはどうかな?」
そう言ってヤナギは一足先にチョウジタウンへと帰って行った。
「行っちまったな。あの人、さて」
ヒビキはボールを取るとアローラサンドパンをゲットした。そして目の前にいるルージュラに言う。
「俺と一緒に来るか?なんか俺に惚れてるみたいだからさ。しょうがねえから連れてってやるよ」
ヒビキの言葉にルージュラは感激すると、またもヒビキにキスを迫って来た。
「だーかーらそれはよせってえええええ!」
ツクシとアカネは苦笑いしたのは言うまでもないことだった・・・。