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第28話「滅びと絶望のカウントダウン、アクジキングの暴威!」パート6
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、オオタチ、オニドリル、ゴローニャ、メタモン、デンジュモク
「あんた、あの時のお姉さん?!」
「ふふ、お久しぶりどすなあヒビキはん・・・」
手を小さく振ってヒビキの前に来るその人、Zリングを差出し、クリスタルの入手のきっかけを作ってくれたあの人だった。
「コチョウさん、だよな」
「ええ、あら・・・」
デンジュモクの方に目をやり、しばらく見ているとなるほどとうなずいた。
「なるほどなあ、異形の方も仲間にしはるとは、さすがで、と言いたい所やけど・・・」
ほころんでいた顔を締りのある顔にしてアクジキングの方を向いた。
「遂に来てしまいましたわなあ・・・」
「来るって、知ってたのか?」
「ええ、数千年の昔に現れし暴獣、それが再びこの世界に・・・、さて、ヒビキはん、ちょっとよろしいどすか?」
ヒビキの前にしゃがんで瞳を見ながら言った。
「今、時間があるなら、いえ、その時間も限られている、どうかうちに付いて来てくださりませんか?」
「あんたに?」
「ええ、この世界を救うためにも、どうしてもあんさんのお力が必要なんです」
「俺の力が?」
ヒビキが言うと、コチョウが静かに頷いた。
「ヒビキくん、彼女は信じていい。ここは僕達に任せてくれ」
「彼女の話を聞いて僕達はここへ来たんだ」
ミナキが言うにはコガネシティでアクジキングが現れた時、各ジムリーダー達の元へ行って世界の危険を知らせたのが彼女だったのだ。
「それで皆ここへ、でも、あれはいつまで持つんだ?」
アクジキングにシールドが張られているとはいえ制限時間がある。
「3時間・・・」
セレビィの相槌を聞いてコチョウが言った。
「3時間、充分だぜ」
そう言ってヒビキがはにかんでサムズアップした。
「ツクシくん、アカネちゃん、済まねえ、苦労を掛けさせちまうかもしれねえ」
「ヒビキくん、行くべきだよ。何が起こるかは解らないけど、君が呼ばれてるからにはきっと君にしか出来ないことがあるはずだ」
ツクシが手を握ってヒビキを後押しする。
「その間、俺達がこいつを食い止める」
「心配いらん、お前が来る前にわしらが倒しておるかもな」
「老いた身ではあるが時間稼ぎにはなろう」
「貴方は貴方のすべきことに集中して、決して貴方の努力を無駄にはしないわ!」
ハヤト、シジマ、ヤナギ、ミカンがヒビキが戻って来るまでアクジキングを食い止めると言った。
「皆、ありがとう、必ず来るからな!」
「さあ、ヒビキはん、行きましょうか?」
彼女の後に付いて行こうとすると、
「ヒビキさん!」
アカネがヒビキに声を掛けた。ヒビキが振り向くと、怖さを堪えながら自分に笑顔でサムズアップした。ヒビキも笑顔で頷き、コチョウの後を追って行った。