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第8話「ヤドンのいど、復活した悪の組織」パート1
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、オタチ、イシツブテ、オニスズメ
今回の注目ポケモン
・ドガース
・かまきりポケモン
今回の注目ポイント
・遂にツクシの正体が判明
・あの悪の組織が登場
・ヒビキのポケモンが進化
つながりのどうくつでラプラスに助けられた後、ヒビキ達は洞窟を抜けてヒワダタウンの一歩手前に来ていた。
「やっと外に出れたな」
ヒビキは洞窟から出て背伸びをした。
「ヒビキくん、ヒワダタウンはええで。町にはヤドンがぎょうさんおるんや」
「ポケモンと人が仲良く暮らしている町でね、ヒビキくんもきっと好きになると思うよ」
「ほう、そうか。そりゃあ早く見てみてえもんだ」
「そやヒビキくん、折角やからジムにも挑戦せえへん?そこでツクシくんが・・・」
「わあああ、待って待って!それ以上は言わないでね・・・ね、アカネちゃん」
ツクシは慌ててアカネの前に出て、彼女に静かにしててと指を口に当てた。
「うん、ジムで何かあるのか?」
「いや、何もないよ!あ、ほら、あれを見てごらん!」
ツクシは話題を変えようとある物を指した。そこのはある井戸があった。
「何だありゃあ」
「あれはヤドンのいどと言ってね。ヤドンが水を飲みによく来ることからそう名付けられたんだ。あれ・・・?」
「何かあったんやろか?」
ヒビキ達が見てみると、井戸の近くで何やら諍いが起きていた。井戸の前で黒づくめの男が街に人を脅していた。
「だから、俺達はここでヤドンの尻尾を捌いていてな、て何言ってんだ俺、お前には関係ねえんだ!さっさと失せろ!」
男が恫喝すると街の人は怯えて逃げていった。
「何やあの黒づくめのおっさん」
「あんな人いたっけ?」
「ま、ちょっくら話しかけてみるか?」
ヒビキ達はその黒づくめの男に話しかけた。
「あの、ここで何をしているんですか?」
「あーいや、何も悪いことはしていないですよ、井戸は危ないからね、こうして誰も入らないよう見張っているのですよ、くー、俺っていい人?と言う訳でお子様は早く帰ろうね」
ツクシが訪ねても、男は作り笑顔をして、ヒビキ達を井戸に通さないよう目の前の入口を塞ぐように立っていた。ヒビキ達は疑問に思いつつも、その場を後にした。
「なあ、ツクシくん。井戸に見張りなんているのかこの町?」
「変だなあ、ヤドンのいどは誰でも入れるはずなのに・・・?」
ツクシは不思議に思っていたが、丁度ここでヒワダタウンに着いた。
「あ、着いたよヒビキくん、アカネちゃん、ここがヒワダタウンだよ」
「お、着いたか」
「あれ?」
アカネは辺りを見て何かがおかしいことに気付いた。
「どうしたの、アカネちゃん?」
「ツクシくん、ヤドンが一匹もおらへんで」
「え?そんなまさか・・・」
ツクシが見てみると、町ではいつも見かけるヤドンがいないことが解った。
「おいおい、ヤドンがいるはずじゃなかったのか」
ヒビキが首をかしげていると、
「ツクシお兄ちゃんーっ!」
「ツクシさーん!」
そこへふたごちゃんやむしとりしょうねんのトレーナー達がツクシの元へ走って来た。
「あれ、皆?」
「よかったです、お兄ちゃんが来てくれて」
「大変だよ、ヤドンがいなくなったんだ!」
「待って待って、落ち着いて、取り敢えず僕がいない間に何がったのかを聞かせてくれないかな?」
「ツクシくん、そこのトレーナー達は?」
「ええとこの子達はジムの・・・いやいや、僕を慕うトレーナー達だよ」
その後、トレーナー達はヒワダタウンで何が起きたのかをツクシに説明した。それによると、この町に突然黒づくめの集団が現れて、町にいたヤドンをさらっていったと言うのだ。
「待って、黒づくめの男って・・・」
「そういや、あの井戸の前にいた・・・!」
「その通りや」
ヒビキが気付くと、一人の男が目の前に現れた。白髪の青緑の浴衣を着た老人だった。
「あの・・・どちら様で・・・」
「おっさん誰だ?」
ヒビキとアカネが声をかけた。
「おっさんとは何やおっさんとは!わしはガンテツ、この町でボールを作っておるんや!」
「ボール?」
「ヒビキくん、ガンテツさんはとても有名な人なんだよ。様々な種類のモンスターボールを作っている人でね、色んなトレーナーからの評判もいいんだ」
「へえ、黒なおっさんなんだな」
「え、黒ってことはこのガンテツさんも?!」
「ロケット団違うわ!」
ヒビキの台詞にアカネがもしやあの黒づくめの仲間かと言ったがガンテツはすぐに否定した。
「まあええわ。所でお前さん達、ロケット団を知っとるか?」
「ロケット団?」
「それって何や?」
ヒビキとアカネが解らなそうな顔をすると、ガンテツは話し始めた。
「ロケット団ちゅうのはな、ポケモンを奪ったり捕まえたりしては金儲けをしておるロクでもない奴等何や。三年前に解散したはずやったが懲りもせずに悪さをしとるらしい。せやからわしが行ってちと懲らしめに行ったるわ!」
「ええ、ガンテツさん、それなら僕達も・・・」
「心配いらん、あんな奴等わし一人で充分や。待っとれよヤドン!男ガンテツが助けに行ったるで!」
ガンテツは握り拳を作って井戸の方へと走り出していった。
「あちゃあ、行っちまったぜ・・・」
「ツクシくん、どうするん?」
「うーん、ガンテツさん一人だけって言うのも心配だし、僕達も追いかけよう!」
「おし、何だか放っておけねえしな。それにあのおっさんがロケット団なのか確かめねえと!」
ヒビキ達はガンテツの後を追いかけて井戸に向かって行った。ヤドンのいどに梯子を伝って降りていくヒビキ達、丁度降り立った所でしゃがんでいるガンテツに出くわした。
「あれ、ガンテツのおっさんじゃねか!」
「どうしたんですか?」
「おう、ツクシくん、それにそのお友達か?聞いてくれ。ロケット団の奴を叱り飛ばして追いかけとったんじゃが、こんな時にぎっくり腰になって動けなくなってしもうたんや」
「じいさん、無茶するからだぜ・・・」
「すまん、わしのポケモンは元気やのに肝心のわしがこれでは・・・、ツクシくん、それから、ヒビキくんとアカネちゃんやったな。このワシに変わってロケット団を退治してくれんか?」
「解りました、僕達に任せてください。僕もこの町で起きている事件を放っておけませんから」
「うちもお手伝いするで」
「任せろよじいさん、こっからは若い俺達がやっつけに言ってやるからよ。骨は拾ってやるさ!」
ヒビキ達は急いで井戸を進んでいく。しかしその途中でさっきの井戸を塞いでいたあの男が立ち塞がった。
「くそお、あのじいさん、俺を落っことしやがって・・・!ええい、憂さ晴らしにお前等をいじめてやる!」
男はコラッタ、ズバット、アーボを繰り出して来た。
「来たよ、ヒビキくん!アカネちゃん!」
「おう、任せとけ!」
「頑張るで、イーブイ!」
ヒビキとツクシ、アカネはオタチ、イトマル、イーブイを出して、でんこうせっか、からみつく、かみつくですぐにこれを倒してしまった。
「おいおっさん、ロケット団なのか!」
ヒビキが聞くと、男はヘラヘラと笑って語りだした。
「へん、そうだよ、俺達はロケット団さ。ここにいるヤドンを捕まえて金儲けをしていたのさ。今頃奥では、いひひ!」
「ヒビキくん、アカネちゃん、先を急ごう!」
ツクシに言われて、ヒビキとアカネは奥へと走った。そして一番奥まで来た所でヒビキ達は息を呑んだ・・・。
続く・・・。