完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~
*24*
第8話「ヤドンのいど、復活した悪の組織」パート2
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、オタチ、イシツブテ、オニスズメ
「何だこりゃあ・・・」
「ひどい・・・」
ヒビキは苦悶の表情を浮かべアカネは手で口を塞いだ。目の前には尻尾を切られたヤドンが力なく倒れていたのだ。ロケット団の下っ端たちがその尻尾を切っていた。
「まさか、ここで尻尾を・・・」
ツクシは何故尻尾が出回っているのかを理解した。ここで尻尾が切られて、怪しい所へ回っていたのだ。
「くおらあ!何やってんだお前等!!!」
ヒビキが喉が切れるくらいの大声を上げた。下っ端たちは大慌てした。
「わわわ、何だ!まさかお巡りさんに俺達の居場所がバレたのか?!」
「ごめんなさい、お巡りさーん!!!」
下っ端たちが声のした方を見ると、
「あれ、なあんだ、子供が三人いるだけか・・・」
ヒビキ達、下っ端から見てただの子供三人が目の前にいた。
「おい、俺達のことは誰にも言うなよ」
「そうそう、おじさん達はここで大変な仕事をしているんだ!」
「仕事だあ・・・?!」
下っ端の言葉にヒビキは目を尖らせて黒いオーラをまとって下っ端たちにのしのしと近づいた。
「わあ、ヒビキくん、何か怖くない?」
「あれだともう止められないかも・・・・」
アカネとツクシは鬼のように怖い形相をするヒビキに少し背筋が凍る気持ちになった。一方、ヒビキはロケット団の下っ端達に恐ることなく詰め寄っていた。
「べらんめえ!てめえらの懐を貯めるのに可愛いヤドンの尻尾を平気でちょん切るようなことしてんじゃねえや!」
「ひ、ひいいい、わあ待った待った!そんなにおこらないで、そうだ、このヤドンの尻尾を食べさせてあげるから落ち着きなよ・・・」
下っ端はその場しのぎとばかりにヤドンの尻尾をヒビキに差し出した。それを見てヒビキは喉を鳴らして美味しそうな顔をした。
「え、まさかヒビキくん。食べちゃうん?!」
「そんな、ヒビキくん!」
ツクシとアカネはそんな人間じゃないだろ、とヒビキを止めようとしたが、
「・・・・・・。何食わそうとしてやがんだ!!!この丸太ん棒共がああああああああああ!!!」
その心配もなくヒビキはストレートなパンチをロケット団にお見舞いした。
「ぎゃひいいいいいいん!」
殴られた下っ端は吹っ飛ばされて壁に衝突した。
「ポケモンを超超愛しているこのヒビキ様がてめえらの汚ねえ餌に釣られると思ってたのかよお!」
ヒビキは歯を食いしばりめを鋭くさせてロケット団達に仁王立ちした。
「な、なあんだ・・・心配する必要も無かったね・・・はは・・・」
「でも、凄い衝撃音やったわ・・・」
そんなヒビキを見て、ツクシとアカネは冷や汗を掻きながら苦笑いをした。
「ええい、餌付けが無理なら、ここで返り討ちにしていやる!」
下っ端の一人がコラッタとアーボを繰り出して来た。
「来たよ!」
「おっしゃあ、こいつは俺に任せておけ!ワニノコ、オタチ!」
ヒビキは頬を手で鳴らして活気を出してワニノコとオタチをバトルに出した。
「アーボ、かみつくだ!」
「アーボ!」
下っ端の指示でアーボはかみつくに出た。
「オタチ、たたきつけろ!」
「タチーっ!」
ヒビキの指示でオタチはたたきつけるでアーボを攻撃した。
「行け、ワニノコ!」
「ワニ!」
そこへワニノコが走ってアーボを掴み、投げ飛ばしてからみずでっぽうを飛ばしてアーボを倒した。
「コララ?!」
それを見たコラッタは穴を掘って逃げ出そうとしたが、
「逃がすな、ワニノコ!」
「ワニ!」
ワニノコはヒビキの指示で走り出して、コラッタの尻尾を掴んだ引きずり戻した。そこへオタチがアイアンテールをしてコラッタを吹っ飛ばした。
「な、おわああああ!」
コラッタは下っ端にぶつかって転がった。
「よし、ヒビキくんの勝ちだ!」
「やりーっ!」
ヒビキの勝利にツクシとアカネはガッツポーズをした。
「よっしゃあ、あれ、ワニノコ、オタチ?」
ヒビキはワニノコとオタチの様子がおかしいことに気付いた。ワニノコとオタチの体が光出して二体のポケモンはその姿を変えた。そして、
「オオタチ!」
「アリゲイーっ!」
ワニノコとオタチはアリゲイツとオオタチに進化した。
「ワニノコ、オオタチ、進化したのかお前等!くー、まだ小せえ子供だと思ってたのに、でっかくなったもんだぜ!」
ヒビキはアリゲイツとオオタチを抱きかかえて進化を喜んだ。
「わあ、ヒビキくんのポケモンが進化したで。やっぱヒビキくん、トレーナーの才能があるんやろか?」
「そうかもしれないね、さて、後は・・・」
ツクシはロケット団の下っ端達に、目をやった。
「そうだったな、やいロケット団、ヤドンの尻尾を切るのはやめろ!」
ヒビキがそう言ったその時、
「尻尾を切るのをやめろですって?」
どこからか聞き覚えのない声が聞こえてきた。場所はロケット団の下っ端達の方である。ヒビキ達がその声のした上方を見上げると、そこに岩場に座る、クールで冷徹な瞳をした幹部であることをアピールしている男がいた。男は岩場を降りてヒビキ達の前に出た。
「人に言われてやめるようではロケット団の名前が廃ってしまいますよ?」
「何だオメエは!」
「おやおや、何とも乱暴な言葉遣いをする子供・・、どんな教育を受けてきたのですか・・・」
男は呆れた表情でヒビキを見ていた。
「へん、この口の悪さは生まれつきでい!それに俺は正直者なんだべらんめえ!」
「やれやれ、ですが折角ですから自己紹介をしましょう。私はロケット団でもっとも冷酷と呼ばれている男、その名もランスです」
「それじゃあ、ランスさんに聞くけど、ロケット団は解散したはずじゃ無かったの?」
ツクシが聞いてくると、ランスはロケット団が復活した経緯を語った。
「確かに、我々ロケット団は3年前にあるトレーナーの活躍によって壊滅させられました。しかしこうして地下に潜伏して活動し、力を蓄え、ここに復活したのです!その邪魔はさせませんよ!」
ランスはボールを手に取ると、ヒビキ達に勝負を仕掛けに来た。
「来るのか、返り討ちにしてやるぜ!」
ヒビキが再び勝負に出ようとした。
「待って、ヒビキくん。ここは僕に任せて」
「え、ツクシくんが?」
「連戦は厳しいと思うから、僕が戦うよ」
「けどよ」
「大丈夫、必ず勝ってくるから・・・」
ツクシは神妙な面持ちをしてランスの前に出た。
「ほう、貴方が私に挑むのですか?」
「この町を大事に思っているからね。好き勝手なことをされて、黙っているわけにはいかない」
「なんとも威勢のいい、その自信、すぐに壊して差し上げましょう」
ランスはボールを投げてズバットを繰り出して来た。
「さあ、行くよ・・・」
ツクシは手にしたボールに語りかけると、それを投げた。中から何かが羽ばたき華麗に地面に着地した。現れたのは・・・。
続く・・・。