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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第8話「ヤドンのいど、復活した悪の組織」パート3


ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ



「ストライク・・・!」
 グリーンボディの二足歩行の昆虫で細い体付きに尖った羽、両腕は鋭利な鋭い鎌で、暗い井戸で光沢を放っていた。着地したそのポケモンはゆっくりと立ち上がり鎌を突きつけてズバットと対峙した。
「行くよ、ストライク」
 現れたのは、かまきりポケモンストライクである。
「出たーっ、ツクシくんの切り札ーっ!」
 アカネはジャンプしてツクシの勝利を確信した。
「え、ツクシくん・・・、あんな強いポケモン持ってたのか。て言うか何で・・・」
 ツクシのストライクを見てヒビキは息を呑んだ。ツクシの手持ちはトランセルやコクーンと言ったさなぎのポケモンとイトマルくらいだったのが、いかにも強力そうなポケモンを繰り出して対峙しているのだ。あれほどのパートナーを所持していたなどヒビキは思ってもみなかった。
「ほう、それで来ましたか。行きなさい、ズバット」
「ズバ!」
 ランスの指示でズバットはエアカッターを飛ばして来た。
「ストライク、ガードするんだ!」
「ストライク!」
 ツクシの指示でストライクは腕をクロスしてガードした。
「な、ではこれでどうです!」
 ランスの指示でズバットはちょうおんぱを飛ばしてこんらんを狙った。
「ストライク!」
 ツクシが合図を出すとストライクは頷いて、腕の鎌を研ぎ始めた。鎌が研磨されて光出して刃の面を向けると、ちょうおんぱが反射されて、ズバットに命中した。
「何い?!」
 ズバットがこんらんした。ストライクはでんこうせっかで移動して、きりさくでズバットを倒した。
「よし!」
「やったあ、ツクシくんやるわーっ!」
 ツクシはガッツポーズを取り、アカネは飛び跳ねて喜んだ。
「ぐぬぬ、ではこれで相手をしましょう!」
 ランスは歯ぎしりすると、最後の手持ちであるドガースを繰り出した。ドガースは煙をまき散らしながら登場した。
「ドガース、えんまくです!」
「ドガース!」
 ランスの指示でドガースはえんまくを吐いてストライクの視界を覆った。そしてたいあたりを連続して攻撃した。
「ストライク、回転するんだ!」
「ス、ストラーイク!」
 ツクシの言葉を聞いたストライクは鎌を振るって煙を消した。
「ぬぬぬ、ドガース!」
 ドガースは煙で両手を作り、岩を持ち上げてストライクに投げ飛ばしてきた。ストライクは鎌で岩を切り裂いた。ドガースは何度も岩を投げてきたが、その度にストライクは鎌で真っ二つにしていった。
「ストライク、つばめがえしだ!」
「ストライク!!!」
 ストライクは前進して、つばめがえしでドガースに大ダメージを与えた。
「ぬう、強いですね・・・。あっぱれです。さすがはヒワダタウンジムリーダーのツクシ、これでは私が負けますね・・・」
「え・・・!ツクシくんがジムリーダー・・・?!」
 ランスの言葉にヒビキは驚いていた。ヒワダタウンのジムリーダーが誰なのかまだ知っていなかった。そのジムリーダーがワカバタウンまで旅して友達になったその少年だったからだ。
「お見事でした・・・。ドガース、じばくなさい」
 ランスはドガースにじばくの指示を出した。ドガースは驚いて主人に待って欲しいと目で伝えたが、ランスは早くやれと首を動かした。ドガースは悲しげにじばくして、地面に転がり落ちた。
「え、何したん?!」
「自分のポケモンを、じばくさせた!」
「てめえ、何てひでえことしやがる!トレーナーならそんなことさせるなよ!」
 ヒビキ達は抗議したがランスには露とも思わなかった。
「まさか貴方達に妨害されるとは思ってもみませんでしたよ。取り敢えず、この町からは出て行くとしましょう。ですがこれで終わりとは思わないことですね。我々ロケット団はこれからも活動を続けます。次に会う時は、今日と同じシナリオにはならないことを覚悟していなさい・・・」
 ランスは帽子を直して下っ端達を連れて井戸から去っていった。
「あんにゃろ、ロケット団て言うのはあんな唐変木どもなのか!」
「落ち着いてヒビキくん、取り敢えずヤドン達の様子を見てみよう!」
「お、おう、そうだったな・・・」
 ヒビキ達はヤドンの様子を見た。尻尾を切られているヤドンも何匹かいたが命に別状はなかった。そこへガンテツがやって来た。
「おお、ヒビキくん、ツクシくん、おじょうちゃん。ようやってくれた、ヤドンの代わりに礼を言わせてくれ」
 ガンテツに感謝された後、ヒビキ達はヒワダタウンに戻った。町にはヤドンが戻って町の人達は安心していた。
「ツクシくん、ジムリーダーだったんだな」
 ヒビキが言うと、ツクシは神妙な面持ちで語りだした
「うん、ずっと言ってなかったんだけど、この町のジムリーダーは僕なんだ」
「そうそう、て言うかツクシくん、何で言おうとせんかった?」
 アカネが言うとツクシはアカネを宥めて、
「ちゃんと言うつもりだったよ。ただ、こういう場合は最後まで隠しておいてその後に言っておいた方が盛り上がるかな、と思ったんだ・・・」
 今まで隠していた訳を話した。ヒビキは怒るだろうかとツクシは心配になったが、
「ツクシくん、本当だったんだな。・・・・・・・全く最高じゃねえか!」
 ヒビキは突然喜び始めた。それを見て、ツクシはふいうちをくらったようにびっくりしている。アカネも口をあんぐりさせている。
「え、え、ヒビキくん?」
「だってそうだろう?ジムリーダーと友達になれるなんて夢にでも思っていなかったんだからよ。初めて出来た友達がジムのリーダーさんだったなんて俺、鼻高々だぜ!」
「ああ、喜ぶんだ。僕の予想がすごく斜め上にいってて中々受け止められないでいるけどね。でもまあ、僕の正体を知ってこんなに嬉しがる子は初めてだよ。それはそれで嬉しいよ」
「おうツクシくん。俺もさ。となれば、次はツクシくんのジムに挑戦だな」
「そうだね、もちろん友達だからって手加減は一切しないよ。それがジムリーダーだからね」
「おうよ、俺もツクシくんの胸を借りるつもりで本気で行くぜ!」
 ヒビキはツクシとのジム戦を約束した。友達として旅をした少年と明日勝負をする。ヒビキはいてもたってもいられずにいた・・・。

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