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*29*
第9話「ヒワダジム、VSツクシ」パート3
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(戦闘不能)、オニスズメ(戦闘不能)、イシツブテ、オオタチ(戦闘中)
「ストライク、僕の一番の切り札だ。さあ、ヒビキくん、全力で来て!」
ツクシは声を張ってヒビキに来い、と手を前に出した。ヒビキもこれを見て静かに頷いた。
「もちろんだぜツクシくん、友達として本気で行くぜ!行くぞオオタチ!」
「タチーっ!」
オオタチは走り出して、ほのおのパンチに出た。
「かわせ、ストライク!」
ストライクはツクシの指示で体を反らしてこれをかわしてきりさくでオオタチを攻撃した。オオタチは吹っ飛ばされて地面に転がった。そこへストライクがジャンプして鎌による突き攻撃に出るとオオタチは転がってこれを避けた。その寸前でストライクの鎌が地面に刺さった。
「オオタチ!」
オオタチは奮い立たせて前進したが、
「ストライク!」
ストライクは地面に刺さった鎌をを振るって地面を削りオオタチに砂を浴びせた。オオタチは目に砂が入って怯んでしまった。ストライクはエアカッターを発射して切り刻んでいく。
「行け!」
「ストライク!」
ストライクは飛びかかってオオタチにマウントを取って鎌を突き立てた。
「オオタチ、巻き付けろ!」
ヒビキの指示でオオタチは尻尾でストライクの体を巻きつけて投げ飛ばした。ストライクは前転して見事に着地した。
「かいりきだ、オオタチ!」
ヒビキの指示でオオタチはかいりきに出ようとした。するとストライクは薄笑いを浮かべると鎌の刃を合わせてくっつけると、それを鈍く研ぎ始めた。
ギギギギギ!!!
研いだ音で鈍い金属音がバトル場に響いた。あまりの不快な音にオオタチは耳を塞いでしまう。
「うわ、こいつはひでえ・・・!」
「うちもこれは気分が悪うなるわ・・・」
ヒビキとアカネも金属の擦れる鈍い音に顔を歪ませて耳を塞いでいた。オオタチは諦めずに再び前進したが、ストライクは鎌を研磨させて光沢を出し、そこから出る光を放ってオオタチに目くらましをした。
「どう、僕のストライクは、そう簡単には倒せないよ!」
「さすがだぜツクシくん、だったら・・・、戻れ、オオタチ!」
ヒビキはオオタチを戻して、イシツブテを出した。
「イッシ!」
イシツブテの登場にツクシは静かに戦略を立てた。
「イシツブテか、ストライクには愛情が悪いな、でも特殊防御は低い。ストライク、エアスラッシュで攻めるんだ!」
「ストラーイク!」
ツクシの指示でストライクはエアスラッシュをイシツブテに放った。
「イシツブテ、まるくなるんだ!」
「イシ!」
ヒビキの指示でイシツブテはまるくなるに出た。しかし、エアスラッシュの威力は高く防ぎきれずに吹っ飛ばされてしまった。
「あかん、これじゃヒビキくんが負けてまう」
「ブイブイ」
アカネとイーブイがヒビキが負けてしまうかもしれないと心配になった。
「まだまだだぜ、イシツブテ、ロックブラストだ!」
「イシ!」
ヒビキの指示でイシツブテはロックブラストをストライクに連射した。
「ストライク、叩き落とすんだ!」
「ストライク!」
ストライクは鎌を振るってイシツブテの飛ばす岩を叩き落としていった。
「イシツブテ、飛ばし続けろ!」
「イシーっ!」
それでもイシツブテは岩をストライクに連射し続ける。しかし、全て落とされてしまい、ロックブラストのPPもなくなってしまった。
「ヒビキくん、ロックブラストが使えなくなったで!」
「解ってらあ、けど心配いらねえ」
ヒビキはまだ大丈夫だとアカネに言った。
「その余裕は何なのかは解らないけど、この勝負、勝たせてもらうよ!」
ツクシの指示でストライクは渾身のエアスラッシュを飛ばして来た。だがその衝撃波は徐々に小さくなっていきイシツブテに当たる前に消えてしまった。
「わわ、消えてもうた?!」
「何だって、そんなまさか!ストライク、もう一度だ!」
ストライクは再びエアスラッシュを飛ばしたが、これも同じく徐々に弱まって消えてしまった。おかしいと思ったストライクは自分の鎌を見て愕然とした。
「まさか?!」
ツクシもそれを見て驚く。そう、ストライクの鎌は岩を弾きすぎて両腕に刃こぼれが出来てしまっていたのだ。そのために高い威力の技を出せなくなってしまったのだ。
「やったぜ、イシツブテ」
「イシ!」
「もしかして、本当の目的はこれだった・・?!」
「そう言うこった。ツクシくん、勝たせてもらうぜ!イシツブテ、まるくなるんだ!」
「イッシ!」
ヒビキの指示でイシツブテはまるくなるをした。そして、
「ころがるだーっ!!!」
ヒビキの合図で全速力でころがるをしてストライクの急所に大ダメージを与えた。ころがるは出す前にまるくなるを使うと威力が上がる、むし・ひこうタイプであるストライクには一撃のダメージとなった。イシツブテはバック転して着地した。今のが決め手となり、ストライクは切ない声を上げてドシンと倒れて、少し呻いて力尽きた。
「やったーっ、ヒビキくんが勝ったーっ!」
「よし!」
ヒビキは見事に勝利した。ツクシに全力を出し切ったとグーサインを送った。
「はあ、僕の負けだね。本当に凄いトレーナーを友達にしちゃったみたいだな、僕・・・」
ツクシは、初めて出来た友達の強さに、驚嘆すると同時にそんな彼とバトルが出来たことに深い喜びを感じているのだった・・・。
続く・・・。