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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第11話「コガネジム、VSアカネ」パート4


ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(ひんし)、オオタチ(ひんし)、オニスズメ(ひんし)、イシツブテ(戦闘中)、メタモン


「イシツブテ、ロックブラストだ!」
「イシ!」
 ヒビキの指示でイシツブテはロックブラストを連射した。
「ころがるやで!」
 ミルタンクは転がってイシツブテに迫った。ロックブラストも転がるミルタンクにまるで通じず岩が弾き飛ばされてしまう。イシツブテは転がっているミルタンクを何とか掴むが動きを止めることは出来ず壁に衝突してしまう。
「イシ、イシ!」
 壁とミルタンクのあついしぼうに挟まれてイシツブテは脱出しようとしてパンチを放つが全く効き目がない。ミルタンクはイシツブテを後ろへ投げ飛ばして、ジャンプと同時に腕を振り下ろしての叩き付けでイシツブテを地面に衝突させた。
「ミル!」 
 着地と同時にイシツブテをふみつけで攻撃、蹴飛ばしたところでグロウパンチに出た。
 イシツブテは何とか起きてこれをかわし、かわらわりでミルタンクを攻撃した。
「よし!」
 ヒビキは何とか相性のいい技を当てて上手くいったと思ったが、
「ミルタンク、ミルクのみや!」
 アカネの指示でミルタンクはミルクのみで体力を回復させてしまう。ミルタンクはすてみタックルをしてイシツブテを吹っ飛ばした。
「イシ〜っ!」
 イシツブテは遂に力尽きた。
「やり〜っ!」
 喜ぶアカネを尻目にヒビキは申し訳なさそうにイシツブテをボールに戻した。
「イシツブテ、済まねえ・・・!」
「ヒビキくん、手持ちがもう一体しかないよ!」
「そんなの解ってらあ!」
 手に最後のボールを持つ。残されたのはこの一体しかない。これに全てを賭けるしかない。
(頼む、何とか勝ってくれ・・・)
 そう念じてボールを投げた。
「くにゅん!」
 先程捕まえたメタモンがボールから登場した。スライムのような軟体生物で体格も小さくミルタンクの方が威圧感があった。アカネの取り巻きのおとなのおねえさん達も、もう勝利確定ね、と薄笑いをする。
「あん時捕まえた奴やね、でもうち、一切手加減はせえへんで!」
 ミルタンクが再びころがるをしてメタモンにとどめを刺しに来た。メタモンは慌てて震えパニック状態になっている。だが、体が光りだし、その光でヒビキ達が目を閉じてしまう。
「メタモン・・・?」
 ヒビキが目を開けると、そこに映っていたのは・・・、
「ミ、ミル・・・?」
「ミル・・・」
 ミルタンクを押さえ込むもう一体のミルタンクの姿があった。だがよく見ると体の色が紫に変色している。
「へんしんしたんだ・・・・」
「へんしんってツクシくん?」
「メタモンは相手の姿に変身することが出来るんだよ」
「そうだったのか?!俺にもまだ運があったみてえだ!行くぜメタモン!」
 勝利のチャンスはまだ残されている。そう感じたヒビキは元気を取り戻す。メタモンに指示を出したが、
「ミル、ミ、ミル〜っ?!」
 ミルタンクに変身したメタモンは大慌てでいた。体を張って移動をしていたのに、変身したことで足が付いたのにひどく動揺しているのが解る。バランスを崩して転びそうになった。
「ミル〜っ!」
 そうしている間に本物のミルタンクがころがるをして来た。それを直撃してメタモンは吹っ飛ばされて転んでしまう。そこへジャンプからのホイップ、チョップと足払いをされてダメージを受けていく。
「しっかりしろメタモン、そんなんじゃ戦えねえぞ!」
 ヒビキが叫んだがメタモンは不安そうだった。これを見てヒビキはメタモンに深呼吸をのポーズをして真似するよう言う。メタモンは深呼吸をしようとしたがミルタンクはすぐにころがるに出た。メタモンはまた慌ててしまう。思わず手を前に出した瞬間、
「ミ、ミル・・・?」
 メタモンはミルタンクの角を運良く掴んでいた。
「今だ、投げ飛ばせ!」
 メタモンはミルタンクを持ち上げて投げ飛ばした。ヒビキがメタモンにサムズアップをする。
「やれば出来るじゃねえか!」
 メタモンにやる気が見えてきた。顔をはたくと、ダッシュしてミルタンクへと走り出した。そしてミルタンクにパンチとチョップを振るうがこれはかわされてしまう。今度はミルタンクがパンチとチョップを浴びせに出たがメタモンがこれをかわしていく。両手を掴み合ってずつきの押収をする二体。ミルタンクがホイップをして投げたが、
「ミル!」
 メタモンは無事着地してミルタンクを投げ飛ばした。
「押してる、ヒビキくんのメタモンがアカネちゃんのミルタンクを押している!」
 ミルタンクに善戦するポケモンを初めて見たツクシはかつてない興奮を覚えていた。
「いいぜ、いわくだきだ!」
 ヒビキの指示でメタモンはミルタンクにいわくだきに出たがミルタンクは背負い投げをした。そしてのしかかりに出たがメタモンは転がってこれをかわした。そしてかわらわりをしてミルタンクにダメージを与えた。
「偽物に負けたらあかんで!ころがるや!」
 アカネの指示でミルタンクはころがるに出た。ヒビキのメタモンもころがるに出る。転がり合う二体のポケモン。ぶつかる度に体がボールのように弾き、一進一退の攻防となった。ヒビキとアカネが見守る中、ミルタンクとメタモンは突然ころがるをやめた。少し疲れたのか体力回復のため二体は座ってミルクのみをする。アカネのミルタンクが先に飲み終えた。一方、ヒビキのミルタンクに扮するメタモンはまだ飲んでいる。
「今がチャンスや、ミルタンク!」
 アカネが叫び、ミルタンクが走り出して、攻撃に出ようとした。攻撃が当たろうとしたその直後、
「ブーーーーっ!」
 メタモンが口からミルクをミルタンクの顔に吹きかけた。実は飲むふりをしてミルタンクの油断を誘ったのだ。目にミルクが入り怯むミルタンクをメタモンは見逃さなかった。
「おっしゃあメタモン、メガトンパンチだ!」
 ヒビキの指示でメタモンは拳に力を込めて渾身のメガトンパンチをミルタンクにぶつけた。そして背負い投げをしてミルタンクを投げ飛ばす。
「わー、ミルタンクがまけてまう!あーん、もう堪忍してやあ!」
 アカネが悔しそうに地団駄を踏む。メタモンはミルタンクの尻尾を掴み、ジャイアントスイングをして振り回し、最後に盛大に投げ飛ばした。
「ミ、ミルミルミル〜・・・・」
 ミルタンクはフラフラとしてドシンと音を立てて倒れて力尽きたのだった。
「やった・・・・。やったぜ、やった、おっしゃああああ!」
 ヒビキの勝利が決まった。手持ちのポケモンをほとんど失いながらの辛勝だったがアカネに見事勝利した。メタモン元の姿に戻ってヒビキに飛びついた。
「おう、お疲れさんな!お前のお陰で何とか勝てたぜ、あんがとよ!」
 ヒビキに感謝されて、メタモンは嬉しかった。顔はにこやかでとても喜んでいる。
「おめでとう、ヒビキくん、苦しいながらも見事に勝てたね」
「おう、あんがとツクシくん」
 ヒビキとツクシは握手をして互いの手を握って健闘を讃えた・・・。


続く・・・。
 

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