完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~
*64*
第15話「落ちてきたロコン、ヒビキ達にまさかの試練?!」パート5
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(戦闘中)、オオタチ、イシツブテ(戦闘中)、オニスズメ(戦闘中)、コンパン、ウソッキー
アローララッタはこれに気付いてこれを飲み込んだ。
「また何かを飲み込んだよ!」
ツクシがヒビキ達に注意した。
「来たな、今度こそ返り討ちにしてやるぜ!」
身構えるヒビキ達、だったが、
「イ、イヤーっ、イヤーっ、コナイデーヤ!!!」
アローララッタは突然腰砕けになり両手を突き出して狼狽し始めたのだ。そして体を丸めて戦うことを放棄してしまう。
「な、どうしたってえんだ。急にへっぴり腰になりやがって・・・」
「すっかり怖がってんなあ」
ヒビキとアカネはアローララッタの異変に呆然としてしまっていた。
「シマッターーーっ!!!」
木の上にいたアローラコラッタは頭を抑えて動揺した。今、落としたのはビビリだまというアイテムだったからだ。もう一体のアローラコラッタが何やってんだと頭を叩いた。
「ヒビキくん、今なら勝てるかも・・・」
ツクシは攻撃すれば勝てるかもしれないと言ったが、
「いや、これぐらいにしてやろうぜ」
ヒビキはそのままにしておくことを決めた。
「え、でもヒビキさん・・・」
「見てみい、すっかり縮こまっちまってるぜ。それなのに攻撃なんてしたら弱いものいじめになっちまうじゃねえか」
「ああ、言われてみれば」
「確かに、そうだよね」
ヒビキの言葉にアカネとツクシは納得した。
「大体そんなことしたらトレーナーの風上にもおけねえ野郎になっちまうしどうも縁起が悪い。俺は弱いものいじめはしねえし縁起の悪いこともしねえ!それに俺達の一番の目的は花魁の姉さんの大事な宝物を取り返すことだ」
そう言うと、ヒビキは台座に置いてあるかんざしをヒョイと取って歩き出した。
「さあて、用は済んだし、さっさとこの薄暗いとこから出ようぜ。ここは何か真っ暗でジメジメしていけねえや」
そう言って陽気に鼻歌をしながら戻っていった。
「ヒビキさん、優しいわ」
「うん、それに心も強くてしっかりしてる。彼と旅が出来て良かったと思えるよ」
アカネとツクシもヒビキの後を追ってその人が待っている38番道路へと戻っていった。
<38番道路>
「ほい、お姉さん」
「まあ・・・」
ヒビキは笑顔で花魁のコチョウにかんざしを渡した。
「これどす・・・。うちのかんざしは。よう見つけてくださいました。本間に感謝しますえ」
花魁のコチョウに感謝されヒビキは照れ臭そうに笑う。するとヒビキのバックが光っているのが彼女に見えた。
「あら、ヒビキさん」
「うん、何だ?」
「今、何か光りましたえ。見せてくれます?」
「お、おう・・・」
ヒビキはバックからアローラコラッタとの戦いで手にした二つのクリスタルを見せた。
「まあ、Zクリスタルやないの・・・」
花魁のコチョウは二つのクリスタルを見て呟いた。
「Zクリスタル?」
ヒビキが言うとコチョウはある腕飾りをヒビキに渡した。
「ヒビキはん、このリングをお付けになってくれやす。かんざしを探してくれたお礼どす。どうぞ」
「ああ、あんがとお姉さん」
ヒビキはそのリングを左腕に装着させた。
「それはZリングと言いますえ。手にしたクリスタル、ノーマルZとアクZを使うことがあったらそのリングに付けて戦ってみてください。きっとあんさんの力になってくれますえ」
「そうか、何かいいもんもらっちまったな。ありがとよ、お姉さん」
「いえいえ、ヒビキはんアリゲイツを持ってはりますね」
コチョウはアリゲイツを見て何かを思い起こしていた。
「ふんふん、あのタマゴが廻りまわって・・・、あ、ううん、何でもないんどす、ヒビキはん、そのアリゲイツ、大事にしてくんなさいまし」
「おうよ、俺のアリゲイツは右腕も同然さ。ぜってえ大事にする」
ヒビキ達は花魁のコチョウに手を振って次の街、アサギシティへと歩いて行った。コチョウはそれを見送り、ヒビキ達が見えなくなったことを確認すると、ある場所へと歩いて行った。
薄暗い森の中、ヒビキ達が通ったその森を彼女、花魁のコチョウが歩いている。そしてかんざしが置かれていた台座の広場に来ると、
「あんさん方、ご苦労様でした・・・」
誰かに声をかける。すると、無数のアローラコラッタと一匹の先程ヒビキ達が戦っていたアローララッタが彼女の目の前に現れ平伏した。
「Zクリスタルを手に入れさせると言う手は上手くいきました。これでヒビキはんもあの技を使えるようになりましたね・・・」
コチョウは自分の計画が成功したことに満足そうに笑っていた。そう、かんざしを探させるというのは本来の目的ではなく、彼、ヒビキにZクリスタルを入手させ、その力を引き出すリングを授けるためだったのだ。
「あの子達の言うとった少年がヒビキはん・・・。ワニノコが渡ったことを察すると・・・。ヒビキはん、あんさんがこれから起こるであろうジョウトを揺るがす大難から世界を救うことが出来る心清らかなお方か、しかと見定めさせてもらいますえ・・・」
花魁のコチョウは美しく、ミステリアスに笑い、ヒビキのこれからを見守るのだった・・・。