完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~

*63*

第15話「落ちてきたロコン、ヒビキ達にまさかの試練?!」パート4


ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(戦闘中)、オオタチ、イシツブテ(戦闘中)、オニスズメ(戦闘中)、コンパン、ウソッキー


「行くぜ!」
 ヒビキの指示でアリゲイツ、イシツブテ、オニスズメがアローララッタ目掛けて走り出した。ツクシとアカネも自分のポケモンに指示を出して向かわせる。
「デカシャア!」
 アローララッタは空気を吸い込み、歯を動かして何とも不快な音を鳴らした。
「ゲイイイイイっ!」
 くちゃくちゃと噛むような音にアリゲイツ達は怯んでしまう。アローララッタは素早く動いてすてみタックルでアリゲイツ達を次々と吹っ飛ばしていった。
「おい、大丈夫か?!」
 ヒビキ達が心配するとアリゲイツ達は何とか起き上がった。
「あのラッタ、中々強い・・・」
 ツクシが見るとアローララッタは余裕の表情で太った体を弾ませた。
「うわあ、すんごい肉付きやわあ・・、て言うとる場合じゃなかった!」
「おうおう、こっからが本番だぜ!」
 ヒビキとアカネが手持ちのポケモンに指示を出した。アリゲイツとミルタンクが挟み撃ちで攻撃に出たが、
「ヌッシャアア!!!」
 アローララッタは気にぶら下がっているツルに登って回し蹴りをしてアリゲイツ達を吹っ飛ばした。ぶら下がりながら推力で動いてヒビキ達のポケモンを攻撃していき、地面にクルンと転がって着地した。
「トランセル、コクーン、いとをはくんだ!」
 ツクシの指示でトランセルとコクーンはいとをはいて動きを封じようとしたが、
「ワタガシーっ!!!」
 アローララッタは近くにあった木の枝を取るとトランセル達が吐いた糸を円を書くように棒を動かし糸を器用に絡めていった。
「うへえ、器用な奴だなあ・・・」
「わあ、ほんま綿菓子やあ・・・」
 アローララッタの器用な動きにヒビキとアカネはポカーンとした。アローララッタは棒に絡めた糸を食べ始めた。
「げげ、食いやがった!」
 糸を食べるアローラコラッタにヒビキはびっくりする。
「でも、今がチャンスだ!」
「行くで!」
 アローララッタが気をそらしている。ツクシとアカネはトランセルとコクーン、ミルタンクに突撃させた。
「ウメエエエエエエ!」
 アローララッタはゲップと共に口から細い糸を吐いてきた。トランセルとコクーン、ミルタンクに糸が絡みつき動けなくなってしまった。
「これじゃあ戦えない!」
「ミルタンク、戻って!」
 ツクシとアカネは自分の手持ちをボールに戻した。
「ストライク、行け!」
 ツクシは残っているストライクに突撃を指示した。アローララッタが口を小刻みに動かし出すとストライクはすぐに鎌を研いで金切の音を出した。
「ウッシャアアアアアア!」
 アローララッタは耳を塞いで身を丸くした。
「ヒビキくん!」
「おう、ツクシくん!」
 ヒビキはアリゲイツにきりさくの指示を出した。アリゲイツはサッと動いてきりさくで攻撃する。
「おっしゃあ、初ダメージだ!」
 ヒビキがガッツポーズをする。起き上がるアローララッタ。だが、木の上、岩の上で何かの気配がしていた。
「ケケ!」
「キキキ!」
 木の上や岩の上でアローラコラッタはニヤリと笑うと内の一匹が赤く燃える玉を落として来た。それに気付いたアローララッタは口を開けて飲み込んだ。
「何い?!」
「あの玉、まさか!」
「え、何なの?!」
 ヒビキ達が驚くのも束の間、アローララッタは口から炎を吐いて来た。
「ゲイ?!」
 アリゲイツ達は慌ててこれを避ける。アローララッタが飲み込んだのはかえんだまだったのだ。アローララッタは続いて炎を吐き飛ばしてきた。
「イーブイ、皆を守って!」
「ブイ!」
 アカネの指示でイーブイはひかりのかべを張って炎を防いだ。
「ありがとアカネちゃん!」
「えへへ!」
 安心したのも束の間、もう一体のアローラコラッタがしんぴのしずくを投げて来た。
「ミズ!」
 アローララッタはしずくを飲み込み口からハイドロポンプを飛ばして来た。
「今度は水か!」
 負けてたまるか、とヒビキはアリゲイツに再びハイドロポンプを飛ばさせた。激しい押し合いになり、水が弾け飛んで水しぶきが飛び散った。
「へへ、やるじゃんこいつ!」
 アローララッタの強さにヒビキは鼻を擦って笑った。
「キヘヘ!」
 するともう一体のアローラコラッタがけむりだまを落として来た。それを口に含んで噛み潰すと、辺り一面に煙を飛ばして来た。
「うわ、前が見えねえ!」
「どうなってるんだ、これ」
 視界が煙で覆われヒビキとツクシは動揺する。
「わああ、何にも見えへん。やだ、怖いわ・・・」
 アローラロコンを抱いているアカネは不安になった。周りは煙でヒビキ達が見えないでいる。もしここで襲われたりしたら、
「デシャアアア!」
 しかしそこへアローララッタが襲いかかって来た。
「きゃああああああ!」
 アカネは咄嗟に避けたが、バランスを崩して転びそうになった。だったが、
「え?」
 ガシっと誰かが自分の腰を掴んでいるのが感じられた。
「ヒビキさん?!」
 目の前には自分をしっかりと支えているヒビキの姿があった。
「言ったろ、俺、ちゃんと守ってやるって!」
 ヒビキの笑顔を見てどこか救われた気持ちになった。アカネを立たせると、
「お前も無事で良かったな」
 アローラロコンの頭を優しく撫でてあげるのだった。
「さあて、こっちも本気で行くとすっか!」
 ヒビキは頬を両手で叩いてやる気を出した。すると、一体のアローラコラッタが何とも青い玉を落として来た・・・。

続く・・・。

62 < 63 > 64