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第15話「落ちてきたロコン、ヒビキ達にまさかの試練?!」パート3
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ(戦闘中)、コンパン、ウソッキー
「トブデーーーっ!!!」
アローラコラッタは四足歩行になると、尻尾をプロペラのように回して空を飛んだ。
「尻尾の回転で空を飛んだ?!」
「器用な尻尾やな!」
ツクシとアカネが目を丸くして驚いていた。
「俺のオニスズメだって飛べるぜ!」
「イーっ!!!」
ヒビキが指示を出すとオニスズメも空を飛んだ。
「つばめがえしだ!」
つばめがえしに出るオニスズメだが、アローラコラッタは飛んだ状態でふいうちをしてきた。回転する尻尾でオニスズメを連続攻撃して、辺りを飛び回って急襲していく。
「オチロイーーーーっ!」
オニスズメに接近するとアイアンテールをしてオニスズメを叩き落とした。地面に着地したアローラコラッタは円を書くように走り出した。
「何でグルグル回るんや?」
「回転することで、まさか・・・?!」
ツクシの予感は的中した。円を書くように回ったことでアローラコラッタの周囲に風が舞い、大きな砂嵐になった。アローラコラッタは飛び出て尻尾を回してそのすなあらしをオニスズメに飛ばした。
「オニーーーーっ!」
オニスズメは巻き込まれて地面に落とされてしまう。
「うわあ、あのコラッタ、強いで・・・!」
「大丈夫だアカネちゃん、これくらいまだまだだぜ!突風を飛ばしてくるんだったら・・・!」
アローラコラッタが続けてすなあらしを飛ばして来た。
「オニスズメ、オウムがえしだ!」
すなあらしが直前に来た所でオニスズメはオウムがえしをした。すなあらしは跳ね返されてアローラコラッタの方へと向かって行った。
「ウソジャーーーーーっ?!」
アローラコラッタはすなあらしに飲まれて地面に叩き付けられて戦闘不能になった。
「やった、ヒビキくんが勝った!」
「よし!」
ツクシがサムズアップすると、ヒビキもお返しにサムズアップをした。その間にアローラコラッタは逃げていった。
「あれ、何か光ってる?」
巣穴のようなものに何か光っていることにヒビキが気付いた。近付いて取り出してみる。
「何だこれ?」
「うわあ、綺麗やわ・・・」
ヒビキがツクシとアカネに見せたもの、それは白と黒の色をした二つのクリスタルだった。
「すげえ綺麗な宝石だろ、これってなんだろな。ま、記念としてもらっとくとするか」
ヒビキはクリスタルに付いて深く考えず、ツクシとアカネと共に先へ進んでいった。
そして、一行は少し開けた場所へ着いた。木々は生い茂っているが、中央は開けている地、そこにヒビキ達はいた。
「さあて、大分奥まで来ちまったなあ・・・」
「ああう、何かうち、怖いわあ・・・何か出て来そうで」
アカネは不安になってきた。太ももをもじもじさせてアローラロコンを強く抱きしめている。
「心配すんなって、何かあったらこの俺が守ってやっからよ」
ヒビキはどんと胸を叩いてアカネに言う。
「ほんま?ありがとう。何かヒビキさんの顔見てたら安心してきたわ」
先程の不安も吹き飛んでアカネは笑顔になった。
「あれ、ヒビキくん、あそこ・・・」
ツクシがある物に指を差した。そこには円筒形の台座があって開けた部分に何やら光る物が置かれていた。
「うん、どれどれ?」
ヒビキが見てみると、それは青白い色をしたキュウコンのかんざしだった。
「これか、あの花魁さんが言ってたかんざしってやつ」
「きっとそうだよ、こんな所にあったんだ」
「ヒビキさん、早くあの人に返してあげよう」
アカネの言葉にヒビキも頷いた。
「おう、そうだな。あのうっつくな人の喜んだ顔、見てみて・・・うん?」
ヒビキは突然、寒気がしてきた。
「どうしたん、ヒビキさん?」
「ツクシくん、アカネちゃん、何か感じねえか?」
ヒビキは互換から感じる危機を二人に言った。
「感じるって何を?」
「うちには解らへんけど・・・」
ツクシとアカネは気付いていないがヒビキは解っていた。
「何か鋭い視線を感じるんだ。俺の第六感が言ってるからには間違いねえ・・!」
「でも、本当にそんなのが・・・嘘・・・!」
ツクシが偶然上を見上げると、その視線の正体を見てしまった。
「きゃああああ!何あれ!」
アカネは目を見開いてビックリしていた。そこにいたのは、
「グッシャアアアアアア!!!」
その声の主が木から降りて地面に地響きを立てて降りて来た。黒い体毛を生やし、ふっくらした体付き、頬は脂肪で膨れていて前歯は頑丈に光り、ヒゲも固く出来ている。
「こいつは・・・」
ヒビキがこのポケモンを言おうとする。
「ラッタだ!それにしては・・・・」
ツクシはすぐにコラッタの進化系、ラッタだと気付いたが、どこか違うことに気付いた。
「その割には太ってへん?丸々とぷっくり太ったみたいな・・・」
アカネもそのラッタが普通のとは違うことに気付く。そう、普通のラッタと違い、体毛が黒くずんぐりとした体付きをしていたのだ。
「ブットバース!!!」
黒いラッタは丸い頬を叩いて音波を飛ばして来た。
「うわ、危ねえ!」
「きゃっ!」
ヒビキ達は咄嗟にこれを避ける。
「あのラッタを何とかしないといけないみたいだね」
ツクシがボールを取り出した。
「おう、花魁の姉さんのためにも必ず勝つぜ!」
「うちも頑張る!」
ヒビキはアリゲイツ、オニスズメ、イシツブテを、ツクシはトランセルとコクーン、ストライクを、アカネはイーブイとミルタンクを出して、その黒いラッタ、アローララッタに戦いを挑んだ・・・。
続く・・・。