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第18話「タンバジム、VSシジマ!」パート4
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ(戦闘中)、オニドリル、メタモン、コンパン、ウソッキー
サイコキネシスの力で周りに置かれていた岩が浮き始めた。ニョロボンが手を伸ばすと宙に浮いてオオタチ目掛けて飛んできた。オオタチはでんこうせっかでうごいてかわしていく。
「サイコキネシスで岩を飛ばしてくるなんて・・・」
「がっはっは、しかもこの岩はわしが修行で投げ飛ばしておる岩よ。それとポケモンは関係ないがな、では行くぞ!」
ニョロボンがサイコキネシスでオオタチの動きを封じ始めた。身動きが取れないオオタチにシジマが合図をする。
「ニョロ、カーーーっ!」
突然、渦巻き模様の腹の上からニョロボンの口が開いてベロが伸びてきた。
「ええええ、ベロだって?!」
「そりゃあカエルだからあるでしょ・・・」
「て言うてる場合やないで!」
ベロはオオタチに巻き付いて拘束させる。そこからはどうだんと同じ気が流れてオオタチにダメージを与えていった。拘束しながらニョロボンが歩き出し、オオタチにきあいパンチに出ようとした。
「オオタチ、かみつけ!」
ヒビキの指示でオオタチはニョロボンのベロに噛み付いた。鋭い牙で噛まれてニョロボンは痛がって拘束を解いた。しかし負けじと再びベロを飛ばしてくる。
するとオオタチがある物を取り出してそれをニョロボンに投げた。投げた物はニョロボンのベロにくっついてそれを飲み込んでしまう。ジワジワとニョロボンの体内から汗が流れてきて、
「ニョロボーーーーーーっ、ボフーーーーっ?!!」
口から火を噴いて苦しみだした。
「な、何い!!!これは一体?!!」
「へへ、オオタチにかえんだまを持たせておいたのさ。さあ、こっからが反撃だぜ!」
とっしんでニョロボンを転倒させると、かみなりパンチを叩き込み、持ち上げると、思い切り投げて転ばせた。ニョロボンがまだまだとよろめきながらも起き上がる。
「よし、オオタチ。あの技を使うぜ。花魁の姉さんからもらったこの力、今ここで!」
左腕にはめていたZリング、装着させたノーマルZを起動させた。瞳を閉じると両腕をクロスさせてそして見開き、両腕でZ文字を作らせる。
「うわあ、あれが花魁さんが言うとった、新しい力・・・」
「見て!」
オオタチの体がエネルギーで光りだしている。今、強力なZ技を発動させようとしていた。
「シンプルに攻めるぜ、ウルトラダッシュアタック!!!」
ヒビキの掛け声と共にオオタチがエネルギーを最大限に高めて全速力で走り出した。砂煙を上げてダッシュし、そのパワーを直撃したニョロボンは大ダメージを受けて吹っ飛ばされてヒビキが封じてしまった滝の流れる噴射口に衝突してしまった。Z技を見事に決めたオオタチはバック転して華麗に着地する。
「やった、のかな・・・?」
ツクシとアカネはかたずを飲んで見守る。そして目の前の視界が晴れた先には滝の水に浸かって完全に力尽きているニョロボンの姿があった。
「わ、わしのニョロボンが・・・、も、もえつき、た・・・」
負けたシジマがドテーンと倒れてしまった。
「いやったーーーっ、ヒビキさんのオオタチが勝った!」
アカネが弾んでヒビキの勝利を喜んだ。ヒビキがグーサインを送るとオオタチもグーサインをする。
「やったね、ヒビキくん。いやあ、だけどさっきのZ技と言うの凄かったね。今までむしポケモンのことしか関心がなかったけど、Zリングについても知りたくなったよ。むしタイプのZ技はあるのかなとか」
「結局むしポケモンのことやんツクシくん、いやあ、そのリングうちも欲しいわあ。そしたらもっと強くなれて皆に可愛い言うてもらえるやろか」
今まで見たことのない技にツクシとアカネはときめいていた。しかし大事なことを忘れていた事にすぐに気付く。
「あ、そうだ、シジマさんは?」
見てみると、シジマは仰向けに放心状態で気絶していた。
「あーん、寝ちゃっとるやん・・・」
「まいったなあ、ああなると起きるまでに時間がかかるよ」
「やれやれ、騒いだと思えばすっかり消沈したり、ちょっと困ったジムリーダーさんだぜ・・・・」
ため息を吐くも早く起こさなければとシジマを何とか起こすのだった。
「いやあ、修行となると一心不乱に打ち込んでしまうのでな。お前達がいたことに気付かなかったわ。面目ない。で、わしに何か用があるのか?」
「おおありだぜシジマさん、それがな・・・」
ヒビキはアサギシティで起こっている出来事をシジマに説明する。
「かくかくしかじかと言う訳で・・・」
「なるほど、とうだいのポケモンがな。よし、困っているポケモンがいれば何とかするのもジムリーダーよ、持っていけ」
ポンと投げてひでんのくすりをヒビキに渡した。
「それがひでんのくすりだ。それがあればあらゆる病気を治すことが出来る。わしのポケモンは元気満々なのでな。とうだいのポケモンにくれてやろう」
「ありがとうシジマさん、恩に着るぜ!」
「おお、それと、ついでにこれも渡してやろう」
そう言ってある物をヒビキに投げた。
「これって・・・?」
「タンバジム公認のショックバッジよ。わしに勝った証じゃ、持っていくがよい」
「いいのか、俺達、くすりが欲しかっただけで来たんだけど・・・」
「よいよい、細かいことは気にするな。お前はわしとの勝負に勝ったのだ、どんな形であれ勝ったと言う事実は変わらぬ。遠慮せずもらっておけ」
そう言うシジマの顔は先程の険しい表情とは打って変わって穏やかな顔をしていた。
「お前達に気にかけてもらえてとうだいのポケモンは幸せだな。お前との勝負、わし、楽しかったよ。またいつか勝負しような。今度はさしの空手でどうじゃ?」
「うええ、そいつは勘弁・・・」
「ハッハッハ、冗談じゃよ。では、また会おうな、ヒビキくん。ツクシくんとアカネちゃんも彼のことをよろしくな」
アカネとツクシは笑顔で頷いた。二人は最初から解っていたのだ。シジマと言う人がどんな人なのか、バトルでは険しい顔をしているがそれが終われば優しい笑顔を見せて相手を思いやる、絵に描いた心優しい力持ちの人だと。
「よーし、くすりも手に入れたことだし、早速、アサギシティに戻ろうぜ!」
オニドリルにそらをとぶをしてもらい、ヒビキ達はアサギシティへと戻っていくのだった・・・。