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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第20話「サファリゾーン、降りて来たポケモン、ライトニング」パート1


ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、オニドリル、コンパン、ウソッキー、メタモン



・今回の注目ポケモン
・アリゲイツ
・でんきのイシツブテ
・スイクン
・メタモン
・ライトニング


・今回の注目ポイント
・サファリゾーンで珍しいポケモンをゲット
・今回、あのポケモンが登場・・・。
・ヒビキ達、絶体絶命?



 タンバシティでシジマに勝利し、ひでんのくすりでアカリちゃんを元気にしたヒビキ達はアサギジムのリーダー、ミカンに勝利し、見事バッジを手に入れるのだった。


「うーん、めっちゃ美味いわ〜」
 アサギシティの港にある食堂、アカネはモモンのみのタルトを掬って一口して恍惚な表情をした。ヒビキがミカンに勝利した祝いとして食堂で好きな料理を食べることにしたのだ。
「モモンの甘味が口一杯広がっててほんまにいいわ」
 アローラロコンが欲しそうにしていると一口サイズをアカネが食べさせてあげた。
「アカネちゃん、モモンのタルトが本当に好きだね」
「そやわ、ジムリーダーになりたての頃はミカンさんによく食べさせてもらったわ、それ以来からずっとこれが好きなんや」
「そう言えばこの食堂で最初に頼んだのがそのタルトだったんだよね。好物をずっと好きでいられるのは良い事だよ」
 そう言ってリンドのみのスープを飲む。レディアンとアリアドスはパイルのみのジュースをストローで吸って飲んでいる。ツクシがリンドのスープをストライクに差し出した。嬉しそうにスープの器を持とうとするストライクだったが、
「あ、ちょっと待って!」
 ツクシが止めようとしたが遅く、鎌状の手はその器を真っ二つに割ってしまいスープが全部こぼれてしまった。
 ストライクは体育座りをして落ち込んでしまい、レディアントアリアドスが何とか慰めていた。
「ああ、ごめんよストライク。あれ、ヒビキくん?」
 ヒビキの手前を見ると、彼のテーブルにはオレンのみの擦りおろししか置かれていなかった。
「ヒビキくん、これしか頼まなかったの?」
「ああ、俺はワカバっ子だからな。ワカバっ子は肴は荒らさねえんだ」
「て言ってもそれだけじゃあお腹絶対空いちゃうよ」
「てやんでえ、これだけでも充分足りらあ」
 ひとつまみするとそれを口に頬張る。
「くーっ、中々酸っぱくてうめえじゃねえか」
「ヒビキくん、本当は酸っぱいだけなんじゃないの?」
「てやんでえ、うめえもんはうめえんだよ!」
 すぼめていた口を直してニッカリとしてみせる。
「でもヒビキさんの勝利祝いなのにそれだけで大丈夫?」
「なーに、俺はいいのさ」
 目をやるとアリゲイツはウタンのみの寿司をパクリと食べていき、コンパンはクラボソース和えのポケモンフーズをカリカリとかじっては口から火を噴いていた。オオタチとウソッキーはマトマのみの串焼きを取り合っていて、メタモンはズリのみのジュースを飲んでオニドリルは壺の中にある木の実を嘴で器用に取って食べていた。
「実際に頑張ったのは俺じゃなくてあいつらだからな。あいつらが喜んでくれりゃあそれでいいのさ」
 美味しそうに料理を食べるポケモン達を見てそれだけでも幸せだと言った。
「中々のポケモン思いやわあ、ヒビキさん」
「でも、本当はお腹が空いてるんじゃないの?」
「それはねえ、絶対ねえよ!」
 そう言った矢先に腹の虫がなったのは言うまでもないことである。

 食堂で体力を回復してヒビキ達は外に出た。
「お、ミカンさん」
 近くの海岸でミカンがいるのが解った。
「よう、ミカンさん!」
「あら、ヒビキくん、それにツクシくんにアカネちゃんも」
「ここで何してたんだ?」
「少し潮風に浴びたくてね。この子も一緒に来てるの」
 足元にあのアローラディグダがいた。
「お、こいつは」
「あの時のディグダや」
 ヒビキとアカネが身をかがめるとアローラディグダはジム戦の時のようにニコリと挨拶した。
「しっかし、毛の生えたディグダだなんて変わってるな」
「ミカンさん、このディグダはどうやって手に入れたの?」
 ツクシが聞くとミカンはある施設のことを話した。
「貴方達、サファリゾーンを知ってるかしら?」
「サファリゾーン?」
 ヒビキが首をかしげる。
「あーっ、思い出した!確かタンバシティにある施設のこと?」
「そう、最近タンバシティにその施設が出来て、そこではこの地方では手に入らないポケモンも捕まえられるようになったの。この子もそこで手にしたの」
「へえー・・・」
「何でもある遠い地方には同じ種族でも姿やタイプが少し違うポケモンがいるらしいの。このディグダもそうしたポケモンでね、はがねタイプが付いているの」
「それではがねタイプの技が使えたんだ・・・・」
 ポケモンの奥ぶかさをツクシは改めて実感する。
「ねえねえヒビキくん、ツクシくん、うちらもそのサファリゾーンに行ってみない、それ聞いてそういうポケモンが欲しくなって来たわ」
「それはいいね、珍しいむしポケモンも手に入るかもしれないし、ヒビキくんはどうする?」
「そうだな、急ぎの旅でもねえし、ちょっくら行ってみるか!」
「じゃあ、決まりだね」
「そうと決まればタンバシティにゴーや!」
 オニドリルを呼び出し、ヒビキ達は足首や尻尾に掴まってタンバシティへ向かって行った。
「じゃあミカンさん、また会おうな!」
「気をつけてね、貴方達ならきっと大丈夫よ!」
 三人をミカンは手を振って見送るのだった・・・。



「着いた!」
 そしてヒビキ達はタンバシティにあるサファリゾーンに到着した。タンバシティ、その洞窟にあるがけっぷちのゲートをくぐった先にある道のりにサファリゾーン、そのゲートがあった。露天商が賑わっていて人々の笑顔に溢れていた。
「うわあ、何だか楽しそう!」
 アカネが露天商を見てアローラロコンに何を売っているのかを教えていた。
「いやあ、君達、ここは初めてかな」
 そこへ何とも陽気な顔をした中年のジェントルマンがやって来た。
「うん、あんたは?」
「これは失礼、私はバオバ、このサファリゾーンのオーナーをしているんだよ。カントー地方からここへ施設を移設してね。ふむふむ」
 バオバはヒビキを見てあることを言った。
「君、中々見ごたえがありそうだね。良かったら私の試験を受けてみないかい?」
「試験?」
「いわゆる新しいオーナーになるための試験でね、やり方は簡単。私が言うポケモンを捕まえればいいのだよ」
「なるほど、その言われたポケモンを捕まえりゃあいいんだな」
「わー、ヒビキさん、ここのオーナーになるん?そしたら面白くなりそうやね」
「いやいや、俺なんかが、で、どのポケモンを捕まえりゃあいいんだ?」
「そうだね、では、イシツブテはどうかな?」
「イシツブテ?でも俺イシツブテは持ってるぜ」
「ノンノン、私の言うイシツブテはちょっと違うイシツブテなんだな。そう、バチバチと来るようなイシツブテなんだよ」
「バチバチ?電気のことか?まあ、行ってみりゃあ解るよな。よし、受けるぜその試験!」
 早速、ヒビキ達はゾーンに入ることにした。
「あ、そうだ。ゾーンではポケモンに石や泥を投げるのは禁止ね。それと捕まえるときは自分のポケモンを使うように」
「また何でですか?」
 ツクシが聞くとバオバが訳を話した。
「お偉方からの命令でね。石や泥を投げるのは生き物の虐待になるから禁止されたんだよ。最近では無料で普通にポケモンを戦わせて捕まえるサファリも出てきたみたいだからね・・・」
「色々大変なんだな」
「まあ、君達は心ゆくまでサファリを楽しんでくれ、もちろん、試験も忘れずに」
 

続く・・・。

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