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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第20話「サファリゾーン、降りて来たポケモン、ライトニング」パート5

ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(ひんし)、オニドリル(ひんし)、オオタチ(ひんし)、イシツブテ(ひんし)、ウソッキー(ひんし)、メタモン(戦闘中)


「ヒビキさんのメタモンがいたんや!」
「ああ、こいつで行くぜ!」
 デンジュモクにへんしんしたメタモンは光弾を飛ばした。デンジュモクは腕を振り回してこれを弾いていき、チャージビームを飛ばしてくると、メタモンはバリヤーを張ってこれをガードした。そして頭を振るって電撃を飛ばして牽制しほうでんを放って吹っ飛ばした。
「ジャラララ!」
 メタモンはパワーウィップでデンジュモクを捕まえて宙に上げて振り回し、地面に叩き付けてダメージを与えた。
「ストライク、今がチャンスだ!」
「マルマイン、行くぞ!」
 ストライクとマルマインも動き出した。デンジュモクは腕を硬直させて鋭利な刃先を生み出してストライクに切りかかった。ストライクは舞うようにかわしてきりさくに出るが、デンジュモクはこれをかわしてチャージビームを飛ばすと鎌を反射板にしてこれを弾いてデンジュモクにダメージを与えてシザークロスで後退させ、マルマインがスピードスターを飛ばして吹っ飛ばした。
「ジュ、ジュラララララ!」
 デンジュモクは起き上がってエナジーボールを飛ばして来た。
「ストライク、エアカッターだ!」
「ストライク!」
 ツクシの指示でストライクはエアカッターを飛ばしてこれを切り裂いて爆発させた。
「よし!」
「いや、待て!」
 ミナキが見ると、空から電気のネットが飛んで来てストライクとマルマインを覆ってしまった。
「これは、一体?!」
「まさか、あのボールに仕込まれていたのか?!」
「何だって?!」
 ミナキの言う通りだった。デンジュモクが飛ばしたエナジーボールにはエレキネットが仕込まれていたのだ。デンジュモクはほうでんを飛ばして二体に大ダメージを与えた。エレキネットに付いていた電気も反応して痺れさせていく。爆発が起こってストライクとマルマインは力尽きた。
「マ、マルマイン・・・!」
「そんな、そんな・・・!」
 ミナキは苦悶の表情を浮かべて、ツクシは膝を付いてうなだれてしまった。メタモンは動揺してしまっている。
「ジュララ!」
 そこへデンジュモクが不意打ちを仕掛けた。鋭く尖った腕をメタモンに突き刺してエネルギーを流し込み爆発を起こさせた。
「メタモン!!!」
 ヒビキが叫ぶ。吹っ飛ばされたメタモンの変身が解除されて地面に粘着質のようにベタっと倒れて力尽きてしまった。
「い、いやあああああ!ヒビキさんと皆のポケモンがーーーーーーーっ!!!」
 絶望したアカネが泣き叫んだ。ヒビキ達の手持ちは全て全滅してしまった。
「済まねえ、メタモン・・・!」
 ヒビキは悔しそうにメタモンをボールに戻した。
「畜生、畜生!もう、戦える仲間はいねえ・・・!」
 ヒビキは歯ぎしりをして悔しがる。デンジュモクはジワジワと迫ってくる。そして10まんボルトをアローラロコン目掛けてヒビキ達に飛ばして来た。ヒビキ達が覚悟を決めたその時、空から何かが飛んで来てその攻撃を防いだ。
「な、何が起こったんだ?」
「あれは、何や?」
 目の間で骨のようなブーメランが回転してヒビキ達をデンジュモクの攻撃から守っていた。そして回転しながらデンジュモクに接近して攻撃し、これを転ばせた。そこへあるポケモンがジャンプしてその骨のブーメランを掴み、地面に着地してヒビキ達の目の前に現れた。
「あれは、何だ?!」
「ガラガラ、なのか?」
 ヒビキとミナキが見るとそのポケモンは確かにガラガラだった。だがそのガラガラは普通のとは少し違っていた。ボディの色は紫がかった黒色で両腕を水平に上げていて額には黒い紋様が付いていて手に持つ骨の先には人魂のような炎が付いていた。
「皆、大丈夫かい?」
 そこへマツバが駆けつけて来た。
「マツバさん、来てくれたの!」
「もう少し早く来てくれても良かったんじゃないかな?」
 アカネはマツバが来たことを喜び、ミナキは皮肉を言いつつも嬉しかった。
「ごめんよ、遅れてしまったみたいだね。さて、ここを騒がせているのはこのポケモンか・・・」
 マツバとガラガラ、もといアローラガラガラはデンジュモクと対峙する。
「あのポケモン、この子を狙ってて、それでヒビキさんやツクシくんのポケモン達が皆・・・」
「解った、後は僕に任せて、さあ、行くよ」
 マツバの言葉にアローラガラガラは静かに頷いた。しかしすぐにデンジュモクがほうでんを飛ばしてくる。アローラガラガラはこれを直撃した。
「きゃああ、また負けちゃう!」
「いや、よく見ろ!」
 見てみるとアローラガラガラは電撃を浴びながらも平然として耐えていた。そして右手を振るって電撃を払ってしまった。
「そうか、ひらいしんのとくせいか!」
 ひらいしんはでんき技を受け止める効果がある。アローラガラガラにはそのとくせいがあったのだ。持っていた骨に気を溜めると、デンジュモクに向けて投げた。すると骨のブーメランは無数の分身を生み出して幾つもの骨が回転しながらデンジュモクに連続攻撃を叩き込んだ。
 アローラガラガラが念じると、骨のブーメランは三つに別れて三角系になるように配置されると形状から炎が放たれてデンジュモクに炎のダメージを与えた。
 デンジュモクが吹っ飛ばされるとそれを見てアローラガラガラが体中に炎のエネルギーを溜めてそれを身に纏った。
「フレアドライブだ!!!」
 マツバの指示でアローラガラガラは走り出してデンジュモクに接近してこれを掴み炎の大爆発をして大ダメージを与えた。反転してアローラガラガラは地面に着地し、デンジュモクは吹っ飛ばされて地面に叩きつけられた。
「マツバさんのあのポケモン、強え・・・」
 デンジュモクに有利な戦いをするアローラガラガラにヒビキは呆気に取られていた。起き上がったデンジュモクはそれ以上ヒビキ達を襲うことを止め、空から空間を生み出すとその中へと入り、その姿を消していった。
「どうやら、危機は去ったみたいだね・・・」
「ああ、だが、あのポケモン、かなり強かったよ・・・」
「それにしても奴は一体、まさか、これから起こるジョウト地方の・・・いや」
 マツバは何かを言おうとしたが、そのはずはないと首を振った。そしてヒビキ達のポケモンを回復させてあげたが、ヒビキとツクシ、ミナキの心は複雑だったのだ・・・。

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