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日々の小さな幸せの見つけ方【完結】
日時: 2013/05/04 20:21
名前: ゴマ猫 (ID: S9l7KOjJ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=33090

はじめましてゴマ猫です。

読んでくださった皆様のおかげで、この作品を完結させる事ができました。

本当にありがとうございます!!


完結はしましたが、もし少しでも興味あるな〜って思ったら読んでもらえると嬉しいです!!


【目次】

作品内容>>26

登場人物紹介>>25

日常の風景>>3 >>4 >>5

真夜中の図書室>>6 >>7 >>10 >>11 >>12

黄昏の出来事>>15

幼少の思い出>>20

病室にて>>28

再開>>29

すれ違い(かおり編)>>31

遭遇>>33 遭遇(かおり編)>>37

幼なじみ>>40 幼なじみ(かおり編)>>41

相談>>42

とある日の妹との休日旅行【番外編】>>47 >>50 >>53 >>54 >>58 >>62 >>66【完】

それぞれの1日(かおり編)>>69

それぞれの1日(三波編)>>70

お見舞い>>73 お見舞い(その後の自宅)>>76

紳士協定(かおり編)>>79

意外な訪問者>>82

暗雲>>85 >>88 >>91 >>92 >>96

ある日の昼飯>>97

ダブルデート>>103 >>104 >>109 >>112 >>113

日常と変わりゆく日常>>116 >>119 >>122 >>123 >>124 >>126

決意の夜>>131

日々の小さな幸せの見つけ方>>134 >>135【完】

あとがき>>136


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とある日の妹との休日旅行【番外編】 ( No.66 )
日時: 2013/04/29 18:13
名前: ゴマ猫 (ID: Mx34GQYU)

「……さぁ、どうするの?」

優子の体に取り憑いた、正体不明の化け物が俺に選択を迫る。
何の選択かと言うと、優子の体から出てほしければ、優子にキスをしろっと言っているのだ。

ここで、この後の想像してみる。
選択肢1
優子にキスする。

気まずくなり、今後の兄妹ライフに支障が出る。そもそも、緊急とは言え兄妹でそんな事をするのは躊躇われる。

選択肢2
優子にキスしない。

正体不明の輩(取り憑いてて姿は見えないが、多分悪霊の類)が優子に取り憑いたまま、日常生活へ……。
お兄ちゃんと呼ぶ声がたまに、ドスのきいた声になる。

選択肢3
他の原因を探す。

一番良い選択肢だとも思えるが、目を離した隙に何が起こるか分からない。

だあぁ〜っ!!
どれ選んでも、俺に明るい未来が見えん!!

大体何でキスなんだ?
疑問を感じた俺は聞いてみる。

「1つ聞いて良いか?何でキスなんだ?」

「……私は人間になりたかったのよ……そして女として、幸せな恋もしてみたかった」

まてまて。
お前女だったのか!?
いや、姿は見えないからそうとは限らないが。

ってか、恋がしたい=キスってどうなのよ?
しかも相手は、縁もゆかりもない俺なのに。

「お前の理屈は全然分からん!!」

「……分かってもらえなくて結構よ。ちゃんとした肉体があるあなたには、元々理解出来ない事だもの」

「はっ?どういう意味だそりゃ?」

肉体が無いってのは、何となく理解出来るけど、じゃあコイツはずっとこの場所に居たんだろうか?

いや、もう何となくでも理解出来るって時点で、俺もどうかしてるよな。

1つ思い当たるとすれば……あの人形か。

「……あなたに分かりやすく伝えるなら、この子にキスすれば成仏出来るって事かしら」

うーん。
どうやら避けられない運命のようだな。
これ以上グダグダ迷って、手遅れになってしまうのだけは阻止しなくちゃいけないしな。

「……よし、約束は必ず守れよ」

俺は距離を取っていた優子に、ゆっくりと近付いて、両手で優子の頬に触れ、顔を軽く上に向けさせる。

「……っ」

変な意識するな!!
海で溺れた妹を、人工呼吸するようなもんなんだ。

優子の黒い綺麗な髪を、両手でかきあげて、ゆっくりと、触れるようなキスをした。

その瞬間、どこからともなく、優しい風が吹き付け優子はガックリと俺に倒れかかった。

その後、俺も疲れてしまったせいなのか、優子を布団に寝かせた後は、いつの間にか眠りに落ちてしまったみたいだ。


翌朝、心配のせいか早起きをして優子が目覚めるのを待っていた。

「お、お兄ちゃん!!」

「大丈夫か?優子?」

「……あれ?私、どうしてここに?」

どうやら、優子には取り憑かれてた時の記憶はないようだ。
ん〜ちょっと安心。
内心覚えてたら、どうしようとヒヤヒヤしてたところだ。

「そうだ!!あの人形は?」

「人形?何言ってんだ?悪い夢でも見たのか?」

「夢?……」

「何だかよく分からんが、俺が戻ったら優子が居なくて、心配になって部屋に戻ろうとしたら、途中で倒れてたんだよ」

そういう事にしておく。真実は、知らない方が良い時もあるからな。

「そうだったんだ……うぅ……お兄ちゃん!!」

ガバッと俺に抱きついてくる優子。

「な、何だ?どうした?」

昨日の今日だからか、あんまりくっつかれると、心拍数がハンパなく上がってしまうんだが。

「うぅ……生きてて良かったよ〜」

「はっ?いつ死にそうなったんだよ?」

「夢の中でだよぉ〜!!」

「い、意味が分からんのだが……」

泣きじゃくる優子の背中をさすりながら宥める。
後で聞いた話しだが、あの人形は昔、悲恋の末に結ばれる事のなかった自分自身を悔いて、その想いが人形に乗り移ったのだとか。
それから人形となり、いつかは人間として成仏したいと思ってたのかもしれない。

呪いを解く方法が、キスなんてメルヘンな気もしたが、なぜ相手が俺だったのかは謎のままだった。
ってか、もうこういうのは勘弁してと心の底から願った俺なのだった。


こうして、波乱の妹との休日旅行は終了した。
この事がきっかけで、優子は1人で寝るのが怖くなり、数日間俺の部屋で寝てたのは、また別の話しである。


Re: 日々の小さな幸せの見つけ方 ( No.67 )
日時: 2013/03/18 00:20
名前: 春歌 (ID: cakHq5Qm)

し、したんですか、キスを、妹と……。

ばれなくてよかった(笑)

くさやドリアンは、あまり幸福を呼ばなかったようですね(笑)

めでたし(?)で、よかった……。

更新、頑張ってください!!

Re: 日々の小さな幸せの見つけ方 ( No.68 )
日時: 2013/03/18 00:52
名前: ゴマ猫 (ID: 2qC9xcD7)

一之瀬さん

コメントありがとうございます。

おぉでは新キャラ期待しちゃいます!!

番外編は今回ので一応完結したので、これから本編に戻ります。
暇があったら、そちらも是非見ていただけると嬉しいです!!


春歌さん

コメントありがとうございます。

しちゃいましたね。

これ最初書いた時、思いっきりホラーだったんです。
もう自分で言うのもなんですが、怖いくらい。

でもこれコメディじゃないなっと思い、かなり修正しました。

バレたら半殺しじゃすまないでしょうね。

全ての元凶は、くさやドリアンたい焼きにありますからね(笑)

実のところ、めでたしなのかはゴマ猫にも分かりません(笑)

更新頑張ります!!

それぞれの1日(かおり編) ( No.69 )
日時: 2013/03/19 20:19
名前: ゴマ猫 (ID: 7ZYwzC8K)

久々に風邪引いた。
体はだるいが、それ以上に心が辛かった。

「……はぁ、何であんな事言っちゃったんだろう」

いつもと同じ時間、同じ会話、それはいつまでも変わらないと……ううん、変わってほしくなかった。

でも真一が三波さんと居た時、自分でも抑えきれないほど胸が苦しくなった。

そういえば、あの時もそうだった。
真一と私がまだ小さかった頃、私のせいで事故にあってしまったあの日。

もしこのまま真一が目を開けなかったらどうしようと不安で、不安で仕方なかった。
幸い、真一は軽傷で済んだのだけれど、私は怖かった。

責められて嫌われると思ってた。
私がボールをそらさなければそんな事にはならなかったから。

でも真一が言った言葉はあまりに意外で、「猫は?」だった。
自分の事より猫の事を心配していたのだ。

何て優しいんだろ……。
私が考えてた事なんて、自分の事ばかりだった。
そんな自分が嫌い、同時に真一の事が好きになった、真一ともっと一緒に居たい。

でもこのままじゃダメだ。
どんな時でも明るく笑顔でいようそしたらきっと……。
その時から私は泣くのをやめた。

ねぇ、真一少しは私変われたのかな?

それぞれの1日(三波編) ( No.70 )
日時: 2013/04/29 18:27
名前: ゴマ猫 (ID: Mx34GQYU)

窓から見える景色。
それはいつもと違っていた。

「お嬢様、どうかされましたか?」

白髪で初老の男性が、話しかけてくる。
この人は時田三郎さん。
この家の執事を任されている人だ。
私が小さい時から、この家に一緒に居る、数少ない1人でもある。

「ちょっと考え事をしていました」

「最近は、考え事をされている事が多いですな」

「えぇ。でも最近は楽しいんです」

「以前おっしゃってた、ご友人の事ですな?」

「本当はもっと仲良くなりたいのですが……私がその方と仲良くすると、傷付いてしまう方が居るんです」

進藤さんのあの時の表情、すごく悲しい顔をしてた。

「お嬢様……何とお優しい」

時田さんがハンカチで涙を拭っていると、後ろからおさげ髪のメイドさんが私の所へやって来る。

「いやぁ〜、ぶっちゃけそんな奴の事、気にする必要ねーですよ」

この変な話し方をするのは夕月麻子さん。
時田さんと一緒に、私が小さい頃からこの家に居る1人だ。

「恋愛にルールなんてねーですよ。弱肉強食ですよ、早い者勝ちな訳ですよ」

「恋愛って……私はその」

確かに好意はあるのだけれど。

「こらっ夕月!!貴様、お嬢様に何て口の聞き方だ!!」

時田さんが、夕月さんを怒る。

「あ〜、時田のおっさんはちょっと黙ってて下さい。大正浪漫じゃ今の子は落ちねーですよ」

「誰が大正浪漫だっ!!夕月それ以上言ったら、今週の仕事カットだぞ」

「さぁって仕事、仕事。忙しいなぁ〜」

わざとらしく部屋を出て行く夕月さん。

「まったく、夕月のやつは……」

私はこんなやり取りが好きだ。

私の両親は仕事でいつも居なかった。
1人っ子だった私は、小さい頃凄く寂しくて、よく時田さんや夕月さんにワガママを言っていた。
でもそのたびに、私のワガママに付き合ってくれた私の家族のような存在。

「お嬢様。私がおっしゃるのは恐れ多いですが、人と仲良くなるというのは傷付け合う事かもしれません。傷付けないで仲良くなるのにこした事はありませんが、本当の意味での友人というのは皆そのように傷付き、迷い、そして答えを出し育むものだと私は思います。」

「そう……ですね」

確かに時田さんの言うとおりかもしれない。
私がもっと仲良くなりたいと思うなら、逃げずに向き合う事が大切なのかもしれない。
よし、もう少し頑張ってみよう。



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