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日々の小さな幸せの見つけ方【完結】
日時: 2013/05/04 20:21
名前: ゴマ猫 (ID: S9l7KOjJ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=33090

はじめましてゴマ猫です。

読んでくださった皆様のおかげで、この作品を完結させる事ができました。

本当にありがとうございます!!


完結はしましたが、もし少しでも興味あるな〜って思ったら読んでもらえると嬉しいです!!


【目次】

作品内容>>26

登場人物紹介>>25

日常の風景>>3 >>4 >>5

真夜中の図書室>>6 >>7 >>10 >>11 >>12

黄昏の出来事>>15

幼少の思い出>>20

病室にて>>28

再開>>29

すれ違い(かおり編)>>31

遭遇>>33 遭遇(かおり編)>>37

幼なじみ>>40 幼なじみ(かおり編)>>41

相談>>42

とある日の妹との休日旅行【番外編】>>47 >>50 >>53 >>54 >>58 >>62 >>66【完】

それぞれの1日(かおり編)>>69

それぞれの1日(三波編)>>70

お見舞い>>73 お見舞い(その後の自宅)>>76

紳士協定(かおり編)>>79

意外な訪問者>>82

暗雲>>85 >>88 >>91 >>92 >>96

ある日の昼飯>>97

ダブルデート>>103 >>104 >>109 >>112 >>113

日常と変わりゆく日常>>116 >>119 >>122 >>123 >>124 >>126

決意の夜>>131

日々の小さな幸せの見つけ方>>134 >>135【完】

あとがき>>136


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日常と変わりゆく日常 ( No.116 )
日時: 2013/04/11 12:37
名前: ゴマ猫 (ID: diC/OxdM)

翌日、登校しようと玄関を開けて外を出ると、そこには見知った顔が立っていた。

「……おはよっ、真一」

幼なじみのかおりが、家の玄関前に居た。

「かおり?何で家の玄関の前に居るの?」

昨日の今日だからか、かおりの顔を見るだけでドキドキしてしまう。

「いやぁ〜、せっかく家も近いんだし、たまには一緒に登校しようかな〜……なんて」

その言葉を聞いて、また少しドキドキしてしまう。
昨日からヤバいな俺。
少しの間何も言えずにいると、かおりは不安そうな顔で訊ねてくる。

「……もしかして、嫌だった?」

「いや、全然嫌じゃない。むしろその……」

そう言いかけたところで、俺の後ろから冷ややかな声がかかった。

「……お兄ちゃん、朝から玄関先でイチャイチャしないでよ」

ちょうど優子と一緒に出ようとしていたのを忘れていた。
後ろで一部始終聞いていたのか、不機嫌な優子に冷たい目で睨まれてしまった……。

「優子ちゃん、おはよー」

「おはようございます。かおりさん」

かおりに挨拶する優子。
丁寧なんだが、なんだかトゲがあるような気がするな。

「おい、優子何で怒ってるんだよ?」

そう訊ねると、優子は深い溜め息をつく。

「ふぅ、別に怒ってないよ。お兄ちゃんがデレデレしてるのが何か嫌だっただけ」

えっ?
俺デレデレなんてしてなかったと思うんだけど。

「私、先に行くから。お兄ちゃんはかおりさんとごゆっくり」

そう言って、優子は足早に1人で行ってしまった。

「……何か悪いな。いつもはあんな感じじゃないんだけどな」

俺がそう言うと、かおりは小さく笑う。

「仕方ないと思うな〜。優子ちゃん、真一の事好きだもんね。だから他の女の人と真一が一緒に居ると、取られちゃうみたいで嫌なんじゃないかな?」

「そんな事ないだろ?優子がたんに機嫌が悪かっただけだよ」

「はてさて……どうなんだろうね〜」

そう言ってかおりは悪戯っぽく笑った。

最初は変な緊張をしていたが、優子のおかげ?か緊張がほぐれて普段通りに他愛のない会話ができた。

こうして俺達は2人で登校するのだった。


教室に着くと、赤坂が笑顔で待っていた。

「よっ、水島」

「あぁ、赤坂おはよー」

「で……どうなんだ?」

顔近付けて、そんな事を聞いてくる赤坂。

「何が?」

「何がじゃねぇよ。あの後、進藤さんとは進展したのか?」

「進展って……別に何も」

実は家に帰ってからも、かおりの事を考えてドキドキしてたのは秘密だ。
そんな事言ったら茶化される。

「な〜んだ、何もなかったのか。あんなに良い雰囲気だったのにな」

赤坂はがっかりしたように肩をおとし、大げさなリアクションをする。

「別にいいだろ?赤坂こそ、三波とどうだったんだよ?」

「どうも何も……まぁ、三波さんと俺は何もないよ」

赤坂は苦笑いしながら、肩をすくめる。
どういう事だ?

「とにかく、水島は進藤さんの事だけ考えてやれよ」

赤坂は急に真面目な顔をして、そんな事を言う。

「あ、あぁ」

少々赤坂の迫力に押されながらも、俺は頷いた。
少なくとも昨日から、かおりの事は頭から離れないしな。



今日も1日が終わり、夕焼けに染まる街並みを見ながら家路に向かっていた。
そこで見知った人物を見つける。

「よっ!!かおり!!」

背中をバンと叩く。

「わわっ!?」

相当驚いたのか、ペタっと地面に尻餅をついてしまうかおり。

「驚いたか?」

「あ……うん、ちょっとビックリ」

何故だかいつもより元気がない声のトーンで、小さく笑うかおり。

「どうした?何か元気ないな」

「そうかな?別に普通だよ」

「また具合でも悪いのか?」

「それは大丈夫。真一だってまた風邪引いたら、大変なんだから無理しちゃダメだよ〜」

一瞬だけ垣間見た、寂しそうな表情はなくなり、いつものかおりに戻っていた。


Re: 日々の小さな幸せの見つけ方 ( No.117 )
日時: 2013/04/07 10:01
名前: 春歌 (ID: cakHq5Qm)

かおりさん、どうしちゃったんでしょうか??

優子ちゃんはやっぱり、兄貴をとられたくないんですね(笑)

かわいいです! 

でも、優子ちゃん、彼氏ができたらどうするんだろう…

なんて、ささやかな心配(笑)

紙と鉛筆、いいですね!!

あたしは書くときに必ず、こうすればよかったとか、この文入れたいとか思ってしまって、紙だとぐしゃぐしゃになるんです……(笑)

更新、頑張ってください!

Re: 日々の小さな幸せの見つけ方 ( No.118 )
日時: 2013/04/07 16:50
名前: ゴマ猫 (ID: RohPBV9Z)

春歌さん

コメントありがとうごさいます!!

今後の展開は、かおりに注目です!!

優子は予想通りですね(笑)
もし彼氏ができたら、今度は兄がシスコン気味になるか、優子がそっけなくなるんじゃないでしょうか?

分かります。
書き上げた後でも、あそこの場面こうした方が良いかなとかありますから(笑)

更新頑張ります!!

日常と変わりゆく日常2 ( No.119 )
日時: 2013/04/07 18:30
名前: ゴマ猫 (ID: S9l7KOjJ)

春が終わって、夏の気配が近付いてきていた。
その前に鬱陶しい梅雨があるのだが、雨は雨で好きだったりもする。

あれから、かおりとはこれといった進展もなく、普段通りに過ごしていた。
もちろん、赤坂や三波とも普段通りで、時間があったら屋上に行き、4人で昼食をしたりするようになっていた。

そんなある日の休日。
日曜日、特にやる事もなかった俺は部屋でゴロゴロしていた。

「うーん、たまにこう、インドアなのも良いよな」

そんな事を呟きながら、ある事を思い出す。

「そういや、携帯壊れたまんまだったよな……」

やる事もないし、優子や赤坂にも買い直せって言われたし、トラブルあった時結構困ったしな。

ちょっとケータイショップでも行ってみるか。
そう思い、俺は着替えて近所のケータイショップに行く事にした。


ショップに着き、新しい携帯を見てみる。

「ふーん、今はスマホが主流なのか」

タッチ操作ってのが何か好きになれなくて、携帯いわゆるガラケーってやつを好んで選んでいた俺。
でも最近は数が少なくなってるみたいだ。

あのタッチ操作って、人の静電気を利用して動かしてるとか聞いた事あるな。
科学は日々進歩してるんだな。

そんな事を考えていると、ショップのショーウィンドウ越しに、かおりの姿を見つけた。
俺は店を出て、かおりに声をかける。

「おーい、かおり」

「あれ?真一、こんな所で何やってるの?」

「この間壊れた携帯を、買い直そうと思ってな」

「あぁ〜、やっと買い直すんだ。携帯ないと大事な用があった時とか困るんだから」

うーん、まぁそうなんだよな。
分かっていても、中々動けなかった俺。

「悪い悪い。ところで、かおりは何してたんだ?」

俺がそう訊ねると、かおりは一瞬考えこむようにしてから答える。

「ん〜、色々かな?ねぇ、それよりお昼食べた?もしまだなら一緒にどうかな?」

自分の腕時計に目をやると、時間は正午を示していた。

「あぁ、俺も昼飯まだだから良いぞ」

今日優子は、友達と予定があるとか言って朝から出掛けてしまったし、昼飯は何か適当に食おうと思ってたしな。

俺達は近場のファミレスに行き、昼食を食べる事にした。

ファミレスに着くと、俺達は店員さんに案内されて、窓際の席に座った。

「えへへ、なんだか真一と休日に一緒って久しぶりだね」

テーブルに頬杖をつき、嬉しそうにするかおり。
そんな嬉しそうにされると、こっちも嬉しくなってきてしまう。

「そうだな〜。昔はほぼ毎日のように一緒だったけどな」

本当に、昔は飽きるくらい一緒に居た気がするよな〜。
高校生になっても、仲が良いってのは意外と珍しいケースなのかもしれない。

「本当だね〜。あっ、注文決まった?」

「あぁ、決まったぞ」

俺はベルを押し、店員さんに注文を頼んだ。
俺はハンバーグランチ、かおりは日替わりランチにした。

「あのさ真一、もし……もしだよ?私が居なくなったらどう思う?」

「どうって……何だ突然?」

急に真剣な顔をして、そんな事を言うかおり。

急に何を言い出すんだと、不思議に思っていると。

「だからもし、私が居なくなったらどう思う?たとえば、寂しいとか、悲しいとかさ」

「そりゃ、居なくなったら寂しいよ。今までずっと一緒に居たんだし……でも何でそんな事、聞くんだ?」

かおりは少し顔をふせて、ゆっくりと話しだす。

「実はね……お父さんの転勤が決まって、私引っ越す事になったの」

引っ越し?
その言葉に言い表せない不安を感じ、俺はすぐさまかおりに問いかける。

「場所は……場所は遠いのか?」

「……ちょっと遠いんだ。だから転校もしなきゃいけないんだ」

その言葉を聞いた途端、俺の心がざわめき、不安が支配する。

「それっていつだ?今すぐって訳じゃないんだろ?」

時間があれば、何とかなる訳じゃない。
引っ越しという事実は変わらない。
分かってはいるが、時間が欲しかった。
それほど俺の頭はパニックになっていた。
この時、俺は初めて気付いたのかもしれない……いつも一緒だけど、いつまでも一緒な訳ではないのだと。

「……来月には。だからこうして毎日会う事はできなくなっちゃうね……」

寂しさと悲しさが混じった目をしながら、かおりは呟くように言う。
俺はその後の言葉が出てこなかった。

その後、運ばれてきた料理の味は、よく分からなかった。



Re: 日々の小さな幸せの見つけ方 ( No.120 )
日時: 2013/04/08 15:48
名前: あるま ◆p4Tyoe2BOE (ID: Ba9T.ag9)

どうも。あるまです。

そろそろクライマックスみたいですね。
どういうシチュエーションで山場を迎えるのか?
楽しみにしております。

ところで、かおりちゃんが注文したのは日替わりランチでしたが
ゴマ猫さんは「日替わりランチ」と聞くとどんなメニューが思い浮かびますか?
自分はエビフライかサバミソです。

ではまた。


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