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I wish your happiness 最初で最後の恋
日時: 2013/10/16 07:55
名前: 修羅 ◆Y9jOiMvQls (ID: OP8rm8tJ)

 こんにちはっ☆修羅です^^*



 この物語は、ずっと入院がちで外の景色を病室からでしか見たことが無い少女の切ないラブストーリーです☆
 余命約1年。少女の運命は————!?


 切ない系がちょっと無理な方は、Uターンで…。
 全然好きだよと言う方は、このまま、お読みいただけると、光栄です^^*


 注意:【第12話】1・2だけ、人物目線で進行しています。
 お知らせ:7月18日『参照500突破』!トーク解禁!
      8月24日『参照1000突破』!トーク解禁!
      10月16日『参照1500突破』!トーク解禁…しないかも?



 新News!@ネタバレ注意!——————————————

   ついに花蓮が太陽の高校へと足を踏み入れる!?
   その先に待っているものとは…。
   花蓮の体は病院に帰るまで持つのか?
   色々なことが待ち受けていそうな予感!
———————————————————————————— 

 

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Re: I wish your happiness 最初で最後の恋 ( No.195 )
日時: 2013/12/08 22:35
名前: 修羅 (ID: IM1prAsV)




 【第29話】



 「くぅっ。終わった—っ。部活おわった—!」
 「大声出しすぎ」
 「だってやっと終わったんだよ!?あんだけモヤモヤしてたから余計に疲れた!」
 「花蓮ちゃんの事?」



 李月と凪沙は自分の通学かばんを肩に下げながら昇降口に向かって歩いていた。
 2人とも部活上がりで汗をかいている。
 そんな二人の会話に、花蓮の名が出た。



 「あったりまえ。だって、朝倉さぁ、授業中にいきなり飛び出して行ったんだよ?」
 「そだね。朝倉君、飛び出していく前、言ってた…。『大拙な人が深い眠りから目覚めた』って」
 「花蓮ちゃんでしょ、どう考えても…?」
 「どうしたの?」



 李月が言葉を区切ったことに気づいた凪沙が声をかけた。
 李月と凪沙が昇降口に入った途端に、首をかしげた李月。
 すっと右手を持ち上げて李月は人差し指である一点を示した。



 「小さな靴、発見…!」
 「靴?…あ、本当だ」
 「まさかまさかの1年の教室に可愛らしい美少女が!?」
 「や、そんな都合のいいことは……って、李月!?」



 凪沙が李月から少し瞳を離した瞬間、李月は靴を脱ぎ散らかしてもうダッシュで1年の教室の方へと走って行った。
 凪沙が慌てて追いかけた時にはすでに1年の廊下に李月の姿はない。
 だが、一つだけ前の扉があいている教室があった。
 凪沙は駆け足でその教室へ行くと、李月が教室に入ったところで突っ立っていた。



 「ちょっと李月ぃ。あんた興奮しすぎだよぉ。あと、こんな所で突っ立ってないの!」
 「美少女が……」
 「はぁ?もう、なに、興奮しすぎて李月の瞳にフィルターかかってるの?」
 「や、マジで…。花蓮ちゃんが…」
 「?」



 李月がふらふら—っと教室に入って行き、凪沙も教室に入ると、目と鼻の先に、美少女が居た。
 太陽の光に照らされて輝く長い栗色の髪、そして、小柄な体の美少女。
 2人は絶句したまま硬直した。



 「あれって……。花蓮ちゃんじゃ…」
 「え、でも、まって。花蓮ちゃんは病院にいるんじゃ…」
 「や、この漂ってくる甘いにおいと癖のある髪…。あれは花蓮ちゃんに間違いない!」



 李月が興奮気味に大きな声を出すと、眠っていた花蓮は小さな声を漏らして起き上がった。
 ぽーっと空中を道づけた後、きょろきょろとあたりを見ている。
 司会の中に入った二人を見つけると、ビクッと体をこわばらせた。



Re: I wish your happiness 最初で最後の恋 ( No.196 )
日時: 2013/12/23 01:54
名前: 修羅 (ID: IM1prAsV)





 「花蓮ちゃん……」
 「嘘…ここの、花蓮ちゃんが…」



 凪沙と李月が口々に驚きの声を出した。
 花蓮はパチクリ瞳をしばたたかせると、うっすらと笑顔を浮かべた。
 かたんっと椅子から立ち上がると、足をそろえ、髪をササッと整えると、ぺこっと短く一礼すると、笑顔を浮かべて声を発した。



 「お久しぶりです。…李月ちゃん、凪沙ちゃん」
 「花蓮、ちゃ…っ」
 「う…う、うわぁ—んっ」



 李月と凪沙は花蓮に駆け寄ると、ギュッと抱き着いた。
 少ししか面識がないが、2人の想いが花蓮に届いたのだろう。
 拒むことなく、花蓮は二人に抱きしめられ続けていた。






 「ほんと、良かった…。花蓮ちゃんとまたこうやって喋れて…」
 「ほんとに死んじゃうかと思ったんだぞ花蓮ちゃーんっ」
 「心配かけて、ごめんなさい…。私も、お二人に会えてすごく嬉しいです」



 花蓮と李月と凪沙は校舎から出ると、校門近くで立ち話をしていた。
 そこでふと、李月が思い出したかのように太陽の話題を出した。



 「朝倉さ、花蓮ちゃんとこ走って駆け付けたんだよ。授業もほっぽり出してさー」
 「私が瞳を開けた時、医師しかいなかったんですけど、すぐに太陽が病室に入ってきて、それで……」
 「抱き着いた?」
 「な、なんでそれ分かるの!?」



 凪沙の言葉に花蓮は動揺し、頬を赤く染めて驚いた。
 もじもじしながら花蓮は病室であったことを二人に話していた。



 「そっかそっかー。そんなことが…じゃなくて!朝倉のやつ、花蓮ちゃんに抱き着いてしまいにはあんなことやこんなことをっ」
 「あんなことやこんな事って……李月、そんなこと言ってないから」
 「私も花蓮ちゃんにぎゅ—ってするんだから—っ」
 「わ、わぁ!?」



 李月はぎゅーっと花蓮に抱き着いて離さなかった。
 そこで、凪沙が今まで利付を引き離そうとしていたがそれをあきらめ、最後の手段に出た。
 それも、花蓮に向かって。



 「朝倉君。今、部活してるの知ってるんだよね」
 「うん。なんか試合?があるとか何とか…きゃんっ」
 「李月…。あ、それで、その試合、一応見れるんだよ。体育館の二階の席から。どうかな、見に行ってみる?」
 「太陽を…?」
 「ボール追いかけて、汗水たらして運動してる朝倉君」
 「…行くっ」



 花蓮は瞳にキラキラしたなにかを浮かべると、李月を引っぺがした。
 凪沙はくすくす笑いながら花蓮を連れて体育館へ向かう。
 それを李月は慌てて追いかけるのだった。

Re: I wish your happiness 最初で最後の恋 ( No.197 )
日時: 2013/12/30 18:23
名前: 如月 春 (ID: IM1prAsV)



 修羅さん、初めましてっ! 如月 春です。

 「I wish your happiness」最初から読ませていただきました!
 なんかもう呼んでるうちに感動しちゃって、たまにほろりと涙が頬を伝っては手でごしごし拭い…の繰り返しでした(汗

 最初は、めっちゃ長いじゃん…、とかおもってたんですが、いつの間にかあら不思議。
 もう最終更新まで読んじゃいましたwww
 めちゃくちゃ感動するし、太陽君はかっこいいし、花蓮ちゃんは可愛いしで、キュンキュンしてましたっ♪


 これからも応援してます!更新頑張ってください!



Re: I wish your happiness 最初で最後の恋 ( No.198 )
日時: 2014/01/01 16:13
名前: 修羅 (ID: IM1prAsV)


 如月 春 様


 こんなに長いのを最初から読んでくださったんですか!
 お手数おかけしました!スミマセン…。すごく嬉しいです、ありがとうございますっ!

 感動、と言って下さると、めっちゃ頑張って書いたかいがあります☆
 とっても嬉しいです☆更新頑張りますね^^*

Re: I wish your happiness 最初で最後の恋 ( No.199 )
日時: 2014/01/06 14:37
名前: 修羅 (ID: IM1prAsV)



 【第30話】



 「太陽!」
 「うしっ」
 「そのままいっけぇ——!」
 「————ぅ…らぁっ!」


 ガコンッ!



 「おお!朝倉すげぇっ。今の見た!?ダンク!ダンクしたよな!?」
 「うんうんっ。朝倉君すごい!かっこいいね!」
 「わぁ…。太陽すごい…」



 体育館観客席にて、李月、凪沙、花蓮はバスケ部男子がしていた試合を観戦していた。
 翼から回ったパスが太陽へと向かい、そのまま太陽がゴールへとダンクした。
 大きな音を体育館全体に響く。



 「キャ———!朝倉君かっこいい———!」
 「やっぱ学園一イケメー——ン!」
 「こっち見た———!」
 「私目ぇあった———!」
 「違うよ私が目あったんだよ!」



 観客席には3人以外の沢山の女子が座っていた。
 キャーキャーと黄色い声を上げて騒ぎまくる。
 花蓮はううーっと顔をしかめながら耳を押さえた。



 「な、あれ花蓮チャンっぽくないか?」
 「は?そんなわけないだろ」
 「や、だってほら。見て見ろよ。1人だけ服違うし、髪とかマジ花蓮ちゃんだって」
 「花蓮は今校舎ん中をうろついて————っ!?」



 太陽と翼は休憩タイムに入ったのか、マネージャーからタオルや水を貰っていた。
 そんな中、翼が口にした言葉に、太陽が観客席を見ると、確かに花蓮の姿があった。
 それにびっくりしたのか心境は解らないが、太陽はかぁっと顔を赤らめた。



 「え、な、いつからいるのアイツ!?」
 「ついさっき、朝倉君がダンクの前のシュートを入れてからだよ」
 「霜月ちゃん。じゃあホントについさっきだな。李月も凪沙もいるし」 
 「え、じゃあやっぱり今のダンク見られて———」
 「当たり前」



 ばすけ部男子マネージャーの霜月萌が翼と太陽に花蓮たちが来た頃合いを言うと、太陽は肩にかけたタオルで顔を隠すように覆った。
 顔は解らないが、耳が赤くなっている。
 翼はにやにや笑いながら太陽の背中をバンバンたたいている。



 「朝倉気付いたんじゃないか?私ら来てること」
 「かもね。だってさっきと様子違うし」
 「な、花蓮ちゃんは———って、どこ行った!?」
 「あれ!?今までここにちゃんと———って、あ!」



 李月と凪沙は太陽の方を見ながら口を開く。
 だが、凪沙の隣にいた花蓮がいつの間にかいなくなっていた。
 凪沙が花蓮のいた席から太陽と翼の方に目線を向けると、そこにさっきまでいなかった栗色の長い髪の少女がいた。



 「あちゃー…。あっちにいったか」
 「まぁ、そりゃそうだよね。私たちもいこっ」
 「あ、凪沙行動早い!」



 李月と凪沙も観客席を立つと、階段を駆け下りるようにして花蓮がいる太陽と翼のところへ向かった。


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