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I wish your happiness 最初で最後の恋
日時: 2013/10/16 07:55
名前: 修羅 ◆Y9jOiMvQls (ID: OP8rm8tJ)

 こんにちはっ☆修羅です^^*



 この物語は、ずっと入院がちで外の景色を病室からでしか見たことが無い少女の切ないラブストーリーです☆
 余命約1年。少女の運命は————!?


 切ない系がちょっと無理な方は、Uターンで…。
 全然好きだよと言う方は、このまま、お読みいただけると、光栄です^^*


 注意:【第12話】1・2だけ、人物目線で進行しています。
 お知らせ:7月18日『参照500突破』!トーク解禁!
      8月24日『参照1000突破』!トーク解禁!
      10月16日『参照1500突破』!トーク解禁…しないかも?



 新News!@ネタバレ注意!——————————————

   ついに花蓮が太陽の高校へと足を踏み入れる!?
   その先に待っているものとは…。
   花蓮の体は病院に帰るまで持つのか?
   色々なことが待ち受けていそうな予感!
———————————————————————————— 

 

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Re: 最初で最後の時間と恋を……。【余命約1年。少女の運命は?】 ( No.15 )
日時: 2013/04/18 18:41
名前: 修羅 (ID: HtzPaCR.)



 「花蓮ちゃん?起きた?」
 「……」


 ベットの横に垂れ下がって病室のドアが見えなくしているカーテン越しに、誰かの声がした。
 花蓮は答えなかった。
 応えたかったけれど、喉が痛んで声が出せなかった。


 ———シャッ———とカーテンの開く音。
 カーテンを開けて入ってきたのは静子おばあちゃんだった。



 「……し、ず…こ……おば、あ…ちゃん」
 「ダメよ。声出しちゃ。喉痛いでしょう?」


 静子おばあちゃんは困って様な表情になって言った。
 花蓮はけほけほと咳き込んだ。


 「待っててね。池上先生呼んで来るからね」
 「……」


 花蓮はうっすらと笑った。
 静子おばあちゃんはゆっくりと病室を後にした。

Re: 最初で最後の時間と恋を……。【余命約1年。少女の運命は?】 ( No.16 )
日時: 2013/04/24 16:41
名前: 修羅 (ID: HtzPaCR.)



 花蓮が窓の外を見ていると、またもドアのノック音が聞こえた。
 花蓮は、その音にきずいていないかのように、外を見たまま。

 応答がないためか、ノックをした主が帰っていく足音がした。
 けれど、またぴたりと立ち止まった。
 そして、勢いよく花蓮の病室のドアが開かれた。


 バンッ


 「花蓮っ」


 それは、静子おばあちゃんの声ではなく、太陽だった。
 ずしずしと花蓮のベットに近寄った太陽。


 「おい、花蓮。大丈夫か、身体」


 太陽が花蓮に向かって聞くけれど、花蓮は外を見たまんまだった。
 イライラしてきたのか、太陽はどっかりと椅子に座り、花蓮の頭をつかんでぐりっと太陽に向けさせた。


 「———っ」


 花蓮の瞳を見た太陽が、息をのんだ。
 花蓮のきれいな瞳が、漆黒に染まっていたのだ。
 焦点が定まらない瞳をしている。


 「花蓮……?」


 そして、漆黒に染まった瞳から、涙がこぼれていた。

Re: 最初で最後の時間と恋を……。【余命約1年。少女の運命は?】 ( No.17 )
日時: 2013/04/29 10:45
名前: 修羅 (ID: HtzPaCR.)



 「おい。大丈夫か……」


 太陽は戸惑いを隠しいれない。
 ただ、漆黒に染まった瞳から涙がこぼれるのを、見ているしかできなかった。


 「……ぃ。し……。……むひと……な…だれ……ぃ」


 花蓮のかすかな声は、消え入りそうなほど、小さかった。
 けれど、太陽は瞳を真ん丸に見開いた。


        『死にたい。死んでも良い。悲しむ人なんて、誰もいない』


 この世の中、自殺や殺人が増えてきている中、花蓮はそう言ったのだ。
 太陽は、ぎりっと歯をかみしめた。
 過去に、誰かを失ったかのように、瞳から一粒の涙が落ちていた。

Re: 最初で最後の時間と恋を……。【余命約1年。少女の運命は?】 ( No.18 )
日時: 2013/05/03 17:25
名前: 修羅 (ID: HtzPaCR.)



 「そんなこと、言うな花蓮」


 太陽が言う中、花蓮は漆黒の瞳に何も写してはなかった。
 そして、太陽は大きな声を出してもう一度言った。


 「んなこと言うんじゃねぇよ花蓮っ」

 「——っ!!」


 その大きな声は、花蓮の耳に届いたようだった。
 漆黒の瞳にから元のきれいなオレンジの瞳になっていた。
 瞳を大きく開き、太陽の姿がくっきりと写されていた。


 「そんなこと、言わないでくれ……」
 「……。関係ない」


 太陽の瞳に溜まった綺麗な涙は、すごく切なかった。
 けれど、花蓮の答えは意外なものだった。
 ピクっと動いた太陽の肩。花蓮はしんどそうに起き上がると、点滴していたものが大きな音を立てて落ちた。


 ガシャン——————……。

Re: 最初で最後の時間と恋を……。【余命約1年。少女の運命は?】 ( No.19 )
日時: 2013/05/09 20:27
名前: 修羅 (ID: HtzPaCR.)



 【第3話】


  
 シンと静まりかえる病室。
 花蓮の荒い呼吸だけが聞こえている。


 
 「そんなの……。あなたには関係ないよ」
 「かれ…」
 「みんな偽物」
 「え?」



 花蓮の言葉は、太陽の頭の中に響いた。
 花蓮は俯き、太陽からはっきり見えないように横を向く。
 握った拳は、怒りに満ちているようだった。



 「みんな、偽物だよ。……私に笑顔を向けるのも、私と喋るのも。みんな」
 「……どういう事だよ?」



 花蓮の瞳には、長いまつげがかかっていた。
 太陽の瞳には、同様の色が見えていた。


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