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I wish your happiness 最初で最後の恋
日時: 2013/10/16 07:55
名前: 修羅 ◆Y9jOiMvQls (ID: OP8rm8tJ)

 こんにちはっ☆修羅です^^*



 この物語は、ずっと入院がちで外の景色を病室からでしか見たことが無い少女の切ないラブストーリーです☆
 余命約1年。少女の運命は————!?


 切ない系がちょっと無理な方は、Uターンで…。
 全然好きだよと言う方は、このまま、お読みいただけると、光栄です^^*


 注意:【第12話】1・2だけ、人物目線で進行しています。
 お知らせ:7月18日『参照500突破』!トーク解禁!
      8月24日『参照1000突破』!トーク解禁!
      10月16日『参照1500突破』!トーク解禁…しないかも?



 新News!@ネタバレ注意!——————————————

   ついに花蓮が太陽の高校へと足を踏み入れる!?
   その先に待っているものとは…。
   花蓮の体は病院に帰るまで持つのか?
   色々なことが待ち受けていそうな予感!
———————————————————————————— 

 

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Re: 最初で最後の時間と恋を……。【余命約1年。少女の運命は?】 ( No.20 )
日時: 2013/05/14 20:06
名前: 修羅 (ID: HtzPaCR.)




 「……私がここで入院してるのは、骨折とかそんなんじゃない」
 「……」
 「知ってるでしょ?あなたの目の前で、倒れたんだから」
 「知らない。皆詳しく教えてくれなかったから」



 花蓮の瞳はじっと太陽を見据えていた。
 太陽は花蓮の悲しげな瞳を見ていた。

 2人のしばらくの沈黙に耐えきれなくなったかのように強く吹く風。
 カーテンがバサバサと音を立てていた。
 窓からは桜が舞ってくる。



 「病気だよ」
 「え…」
 「心臓病。」
 「心臓、病?」



 花蓮が右手で左腕を握りしめる。
 自分の体を守るように強く。



 「小さい頃からなの。……だから、小学校、中学校なんてほとんどいってない」
 「寂しく、ないのか」
 「寂しいに決まってるじゃない。1人も友達いないんだよ?それに外にも出れない。何かあったら怖いからって」



 花蓮は窓辺に寄り掛かった。
 太陽は下を向き、何かを言おうとしていた。

Re: 最初で最後の時間と恋を。【余命約1年。少女の運命は?】 ( No.21 )
日時: 2013/05/15 18:15
名前: 修羅 (ID: HtzPaCR.)




 「ばあちゃんや、他の子どもだって花蓮の事大好きだと思うけど」



 突如、最初の話に戻った太陽に、花蓮は瞳をパチクリさせた。
 けれど、その瞳はすぐにスッと細くなり、氷のように冷たかった。



 「バッかじゃないの?私の話聞いてた?こんな、いつ死ぬかもわからない心臓病の私を好きでいてくれる人なんて存在しない」
 「何で、そう言い切れるんだよ」
 「現に、私の両親がそうだからよ」
 「両親て……」



 何でもすらすらと言う花蓮に太陽は毎度驚かされる。
 けれど、花蓮はどこ吹く風と言う顔で続ける。
 


 「この、私を蝕んでる病気が悪化するにつれて、二人とも病室に顔を出さなくなってきてる」
 「自分の子供なのに?」
 「そ。まぁ、私が居なくても、出来の良い妹がいるからなんじゃないの」



 花蓮は桜の樹から舞って入ってきた桜の花びらをつかみながら言う。

Re: 最初で最後の時間と恋を。【余命約1年。少女の運命は?】 ( No.22 )
日時: 2013/05/16 17:15
名前: 修羅 (ID: HtzPaCR.)



 「両親は、何してんだよ?」
 「お母さんは教師で、お父さんは医者」
 「じゃあ、今まで学校いけなかった分、お母さんから教えてもらってたんだ?」
 「うん。この頃は週に1,2回」



 花蓮は悲しげな瞳をして太陽を見た。
 その時、太陽は何かを思い出したように瞳を見開いた。



 「友達、居ないんだよな」
 「そ。みんな仲良くなったら私がいつ死んじゃうかわかんないし」
 「だったら、さ……」



 太陽は言葉に勢いをつけ、花蓮に真剣な瞳を向けた。



        「俺が、花蓮の友達になってやる」

             「へ?」



 花蓮は瞳をめいいっぱい見開いて、信じられないというような瞳をした。
 太陽の瞳は真剣だった。
 花蓮から瞳をそらさずに、強い言葉で言った。

Re: アイコイ 〜キミと一緒に生きたい〜 ( No.23 )
日時: 2013/05/17 21:19
名前: 修羅 ◆Y9jOiMvQls (ID: HtzPaCR.)




 【第4話】



  「俺が、花蓮の一番目の友達っ」
  「トモ……ダチ……?」
  「おう。友達だ」



  名の通り、太陽のような笑顔で笑った太陽に花蓮は瞳に涙を含んだ。



  「トモダチ……。ホントに、私のトモダチになってくれる、の?」
  「当たり前。俺と花蓮は今から友達」
  「ふ、ひっく……」




  ついには花蓮の瞳から大粒の涙があふれ出した。
  太陽は愛おしそうな瞳で花蓮を見る。
  花蓮は手で涙を押さえながら声を振り絞って言った。




  「ひっく……。あ、アリガトウ……ふぇ」
  「うん」




  太陽は花蓮に近寄ると、ひざを折って下から花蓮を見上げた。
  そっと花蓮の白い頬に触れる太陽の手。




  「俺は、花蓮のホントの友達だ。偽りなんかじゃない、真実」
  「……っ」




  ギュっと花蓮は無意識に太陽に飛びついていた。
  太陽は花蓮をなだめるように、頭をなでていた。

Re: アイコイ 〜キミと一緒に生きたい〜 ( No.24 )
日時: 2013/05/19 16:55
名前: 修羅 (ID: HtzPaCR.)




 【第5話】



  あれからと言うものの、毎日のように太陽は花蓮の病室に通っていた。
  静子おばあちゃんは病気が治り、無事退院。



  「花蓮、今日はさ、ちょっとだけ外に出てみないか?」
  「え……でも」
  「大丈夫。池上医師にも許可取ったし」
  「い、やだ」



  太陽の誘いを声を押し殺して答えた花蓮。
  胸の前で握りしめた手は少し震えていた。



  「なんで?外気持ちいぜ」
  「だって、もう10年くらい外出てないんだよ?……怖いよ」
  「……じゃ、ずっと傍に居てやるから。俺と一緒でも、怖い?」
  「……」



  花蓮は静かに首を横に振った。
  それを見て太陽は、花蓮の手をぎゅっと握った。



  「あ、のね。私走っちゃだめなの。だ、だから」
  「うん。ゆっくり行こ」



  太陽に続いて、花蓮は病室を出た。


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