コメディ・ライト小説(新)
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- 下書きだらけ
- 日時: 2018/10/07 03:04
- 名前: モズ (ID: KG6j5ysh)
【意味を為さない目次】
「」>>1-2
「」>>18-19「」>>20「」>>21-22「」>>34-35>>37「」>>43>>45>>49-50「」>>62-64
「」>>69-70「」>>75-76「」>>84-86>>89-90「」>>96-99(不可)
「」>>160-162 途中
「」>>163
「」>>165
「」>>166
「」>>167
「」>>168
「」>>170 続く
「」>>171 供養
「」>>172
初心を忘れずにごろり寝転んで初心者ぶって書く場所、
珠に溢したくなる、仕方ないやろ、なんてな。
- Re: 短編集 ( No.128 )
- 日時: 2017/12/15 16:06
- 名前: モズ (ID: MHTXF2/b)
12/14(木) 17:13
自転車を漕げば、冷たい風がわざわざ体に当たってくる。
鼻先もハンドルを握る手も冷えきる。
ふぅー、と白い息を吐けばやはり冬なんだと、当たり前のことを再確認してため息をつく。
そして友達が言った言葉を反復していく。
そいつの目標であり実行中だとかそうじゃないとか。
「クリスマスに恋人といる……かぁ」
何故だか、俺の周りの奴らは皆それに憧れている。
恋人になんて興味はなかった。
友達にはモテるから羨ましいとか顔は良いよなとか。
きっと、褒められてないのだろうが。
今はただ勉強をするのが楽しいし男友達で話すのが楽しくて。
それに満足しているだけなのに。
自転車から鍵を抜くと籠に入っていた荷物を取り、家に入る。
親の温かい「ただいま」に迎えられ、自分の部屋に向かう。
ドアを開くと照明は何もなかったから暗かった。反射で電気をつける。
友達には「無機質で……なんか、お前らしいな」と言われた。
シンプルすぎる部屋。
きっと何事にも興味なさそうでお前らしいと言いたかったのだろう。
まぁ、実際そうなのだが。
黒、白、灰、たまに差し色。柄物は殆ど無い。
生活感がないと別の友達に言われた。それほどにつまらない部屋なのだなと少し思うばかりである。
そしてこういう色恋沙汰を考えてはみたが、
いまいちピンと来なかった。
聖なる夜、それがわかる日は来ないだろうと察した。
- Re: 短編集 ( No.129 )
- 日時: 2017/12/16 00:41
- 名前: モズ (ID: w32H.V4h)
12/15(金) 18:26
外は冷たい風が吹き、手袋にネックウォーマーが無ければ叫んでしまいそうだ。
正直に言えば防寒具を着けていても寒いことに変わりはないが。
帰宅途中、一人の友人と歩く。
「お前って、なんか大人びてるよな」
唐突にこう言われたこの言葉。
一番の友人から言われた言葉だがまさしくそうだなと感じた。
よく言われる、聞き慣れている。
「まぁ、それがお前らしいけどさ。んで、クリスマスはどーすんの? 」
昨日もそんなことを聞いたような気がする。クリスマスに予定はなかった。
だから、それがどうしたと言うのか? 寒い部屋から出たくないだけだ。
そんな旨を言えば、そいつは優しい目で笑う。
「彼女とかいたことないんじゃない? 告白とかはよくされてるのにさ」
とか言うこいつだが、こいつの方がやたらモテているのが事実なのだが。
俺の妹が言っていた、「にぃの友達さ、カッコいいし優しいよね、にぃって何処か冷たいんだよ」
こいつには俺にはない温かみがあって羨ましい。
「……まぁ、ないかもな。誰かを好きになるとかわかんない」
俺が喋ると少し悩んだようにそいつがうーん、と唸る。
俺とそいつの間を冷たい風が通り抜け、ぶるりと震えた。
「好きという気持ちがわからない……か。それ、僕もわからないけど」
「嘘だろ」
「いや本当。今までの人生で誰かを欲したことがないよ」
「嘘だろ」
そんなやり取りをしばらく続けたが、どうやら本当のようだった。
モテるのに、告白されてるのに。彼女がいないのは知っていたが、お前もそうなのかよ。
「つまり、お前と僕は似た者同士ってことだね」
あまり嬉しくない共通点だったが、何故かあいつは喜んでいた。
本当に変な野郎だ。
クリスマスに恋人と過ごさなければならない? クリぼっちは嫌だ?
そんな気持ち、俺はわからなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
追記:主人公:上村紫緒
:紫緒の友達:鈴本柊
──クリスマスまで残り10日
- Re: 短編集 ( No.130 )
- 日時: 2017/12/17 00:21
- 名前: モズ (ID: FpNTyiBw)
12/16(土) 20:08
今日は何もないから寝て、ゲームして寝るつもりだったのに。
おい、あの野郎。俺は許さねぇ、まぁそれは嘘だが。
ズカズカン、お前のこと少し恨むからな。
それは午後四時辺りを回ったくらいのこと。俺は呑気に寝ていたと思う。
「……すぅー」
寝ていたんだ。そうだ、ベッドでぐっすりと寝ていたんだ。それを邪魔する奴が現れた。
「紫緒ー、遊びに来ちゃったよー」
「ん、うぅ。……寝させ……ろ」
細かいことなんて覚えてないがそんな風に言われ、言った筈だ。
なのに、あいつは……。本当にあり得ない。
「麻白くんもいるけど……それでも寝るの? 」
ちなみに麻白くんとは俺の学年でも相当なモテ男でクールを越えて氷みたいな男。
性格が冷たいと思われるが、もちろんそれもそうなのだが。
体がえげつなく冷たいのだ。夏には重宝される程、体温が低いのだろう。
ちなみに俺は寒がり故に麻白自体は嫌いではなかったが体は嫌いだった。
「……嘘だ、寝る。邪魔するな、不法侵入者」
「その言い方はないんじゃない? お母様にも許可は取ったんだからここにいるのに」
「誰が俺の部屋に入って良いと言った。記憶にない、寝る」
その時背筋が震えた。足が冷たく、震える。ふと、布団の中を覗き見た。
そこには俺の足首を掴む人の手があった。あいつこと柊を睨んだが……。
あいつは両手をぷらぷーらこちらに向けてうざったらしく振っていた。
だとすると、今でも掴んでいるこの手は誰のだ?
「ま、まさか……! 麻白が本当にいるのかよ! 」
「えへへー、だーいせいかい! もういいよ、麻白くーん」
そう言ったら足からの冷たさが消えた。そして麻白が現れた。
麻白は何も悪くない。見た目はクールを越えた氷男に見える無表情だが。
あいつはとても純粋。ドーベルマンというか、ダルメシアンみたいな感じ。
だが、柊には制裁を加えなければな……。
「すまん、柊に言われてやっていた……」
「麻白は何も悪くない。柊にはみっちり制裁を加えないと。アハハ」
「紫緒、キャラ変してるよ。怖いよ、制裁っててナニカナ?
アハハ、ゴカイダヨネ? 」
「あ、二人とも……」
「紫緒の制裁、本当に怖すぎるからやめてよ。無駄にリアリティーだから」
「今回は何をしようかなー、虫なんて食べてみる? 」
「……聞きたいことがある」
「む、虫! ギャァァア! 本当に無理だからやめてよ! 」
「そうしなきゃ、麻白のためにならないよな? 」
「あ、あぁ。ねぇ、僕を許してくれる? 」
「……そんな茶番続けるなら帰るぞ」
『え……? 』
ここいらで俺と馬鹿による茶番は断ち切られ、新たな局面に突入したんだ。
「柊、どうして俺を呼んだんだ? 意味がわからない」
そこからは大分割愛するが。柊は馬鹿だ。
「いや、クリぼっちは悲しくない? モテ男の僕らが」
「柊、お前好きとかわからねぇって言ってただろ」
「……そのためだけに俺を呼んだのなら虫を食わせる価値がある」
「あぁあぁあ、違う! 三人で過ごしたかっただけ」
「なら、俺を呼ぶ必要はない。LINEで話せば良い」
「でも僕も紫緒も麻白くんもないでしょ。恋をしたこと」
「……麻白もそうなのか? 」
「……まぁ。そもそもたくさん人と話すこともなかったし余裕がなかった」
「ほら! だから今年のクリスマスとは言わないけど恋をしようじゃないかって! 」
つまり、この大馬鹿はみんなで恋をしようと言ったのだ、さすが馬鹿だ。
それだけを話すと馬鹿と麻白は帰っていってLINEには三人のグループが出来ていた。
そして馬鹿による恋の演説が長文になって送られてきた。
麻白とともにそれを既読スルーしているのが今の状態だ。
俺の周りがやたら恋で騒ぎすぎている。これは地球崩壊の予兆なのか?
追記:氷男:米谷麻白
──クリスマスまで残り九日
- Re: 短編集 ( No.131 )
- 日時: 2017/12/17 18:16
- 名前: モズ (ID: RnkmdEze)
12/17(日) 17:40
『恋』とはなんだ。誰かに問われたら俺はこう返す。「そんなの、俺が知りたい」と。
そしてLINEで一人の女子とよく話す。理由はないが何となくだ。今もそう。
「紫緒、タッグでやる? 」
「よろ、いつものようにお願い」
前言撤回。理由はゲームだ。クラスの女子なのだが、表には出していないがゴリゴリのゲーマー。
ちなみに俺もゲームは好きでお互いにハマっているゲームでタッグをよく組んでいる。
ゲームを立ち上げ、マウスを動かす。今やっているゲームはパソコンゲームで戦闘もの。
100人で対戦するが様々な武器があり、時間が経つとガスでエリアが縮小されていくなど。
案外普通に見えるがこれでもなかなか人気のゲームで同級生でもやっている人は多い。
ゲーム実況者もソロやタッグなどでよく動画をあげている。
「あーあー。俺の声、聞こえてる? 」
今回はその女子こと、新崎咲とタッグを組み勝利を目指す。
ボイチャことボイスチャットはとても重要である。
その一方が見つけた敵情報を伝えたり、
逆に見つかった場合や自分の状況などを伝えられるため、非常に便利だ。
「うん、ちゃんと聞こえてる。こちらの声は大丈夫っすよね」
「おけ、聞こえてる。んじゃ、のんびりやりましょか」
「うん、よろっす」
そんな感じで休日は何時間もここでタッグを組んだり。
武器縛りをして勝った動画を撮ったりして送ったり。
ゲームとしては濃く繋がっているが、それ以外のことはなにも知らない。
「qulem 、後ろに敵がいる。まだあっちは気付いてない、撃てるか? 」
「あー、りょーっす。……はい、殺したかな。あざっす、vam」
qulemもvamもそれぞれのハンネだ。前者が咲、後者は俺。
学校では一切話さないが、ゲームやLINEではあり得ないほどに話している。
「っしゃあ、今日もド○勝! qulem、マジで助かった」
「いえいえ。途中の蘇生は本当に助かったっすよ、
あのショットは一発で決まったし」
「いやいや、最後の撃ちは神だろ。ほぼ全部当たってたんじゃね? 」
「いやーまぁ、そうかもっすね。んじゃ、今日もあざっす」
「こちらこそ、ありがとさん」
周りに影響されたのか、俺は少し気になったことがある。
LINEで聞いてみよう。
「そういえば、俺らゲームのこと以外あんまり話してないよな」
すると、たまたま見ていたのか。返事はすぐに返ってきた。
「それな。でも紫緒が自分のノートの落書きに気づかなかったら
こうして話してないっすよ」
俺もすぐに返事を打っていく。
「あー、あれか。だって、男がヘルメットしてショットガン構えてるし。
防弾チョッキ着てるしいろいろ見てもあのゲームじゃん」
「本当にゲームできて嬉しいっすよ。LINEでも話せてますし。
まぁ、ゲームのことばっかだけど」
「普通のことも話した方が良いのか? 」
「うーん、話せるなら。これでもクラスメイトっすよ」
その会話のあと、また二人でゲームをして眠くなって終わりにした。
今日はそんな会話で終わったが、qulem……じゃなくて咲の返答に少し驚く自分もいる。
そういえば、LINEで女子と普通に話したことないな。
クラスではカースト上位組ぶる女子と無理矢理話していた。
恋という気持ちはわからない。しかし、咲はどのような人間なのか?
多少なりの興味は出てきたと思う。ゲームで良いタッグなら現実でも良い友達になれるのか?
そんな期待をしている自分がいた。
追記:qulem:新崎咲
──クリスマスまで残り八日
- Re: 短編集 ( No.132 )
- 日時: 2017/12/19 22:23
- 名前: モズ (ID: XnbZDj7O)
12/18-19(月-火)
完全にやらかした……。ゲームのし過ぎか、妹のせいか。
以前までは妹がインフルエンザ。まさか、それが移ったなんて。
という訳でしばらくは家で休むことになった次第。つまり、ゲームはやり放題……なのか?
昨日からずっと部屋の中に引き籠っていたが、明らかに授業中の筈の時間にLINEが来る。
基本、これが一部の女子とか男子だが。柊はあれでも真面目だし麻白はまともな奴。
咲もLINEは送っていないようだ。あいつもまともな奴。
そして授業が終わっての休み時間になるであろう時間帯に適当にメッセージを送った。
「紫緒、お前馬鹿か。インフルなら寝てろよ」
というメッセージが返ってきた。ちなみにゲームしたい、駄目? と聞いたらこの始末。
他の女子は大丈夫? とか一人なの? とか言ってくるのに。
インフルでまだまだ学校を休まないとか。この時期にとか……死んでる。
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