ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 生きとし生ける者達へ
- 日時: 2010/05/14 16:51
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
Loss Artificial Human
>>3
タイトルは仮です
ぷろろーぐ >>185
第1話 学校って何だ? >>186
第2話 …洗脳 >>188
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- 第1話 天空都市エアルダ ( No.178 )
- 日時: 2010/05/09 21:41
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
「何で…ここに…?」
そういうのも無理も無い。
『天空都市エアルダ』
かつてロゼが政府の連中に撃たれた所だ。
あのときに出来た戦闘跡も、火薬庫の爆発したした跡も、
白刃の血が飛び散った染みまでもが何もかも!
全てが…そのままなのだ。
「殺れ、白刃」
その声は突然やってきた。
前触れも無く突如弾丸がロゼの頬を掠める。
発砲したのは…白刃…?
「死んでなかったんだ!死んでなかった!生きてた!」
「そう、生き返ったのだ。君を…殺すためにね」
「……え?」
ドン!
ロゼの胸を銃弾が貫通する。
しかし、その程度で死ぬロゼではない、
むしろ、殺しに行ってしまう。
「どうだ、あの時のサバイバルゲームからずっと水槽の中で強化され続けた白刃の力は?」
発砲に気を取られていて気が付かなかった。
白刃が…ナイフを構えて真後ろにいたなんて…。
ブシュウ!
背中で肉の切れる音がする。
「白刃…何で?何で?何で!あの時は助けてくれたじゃない!」
「…………ワルイナ、オレハオマエノシルシラハデハナイ」
「声まで感情が無いなんて…また…殺さなきゃいけないなんて…」
「そうだ、殺さなければいけないんだよ」
ギィイィイィイィン!
曲刀とダガーナイフが擦れあい、嫌な音を立てる。
何で…こうなるんだろう?
何を…間違えたんだろう?
何で…生まれてきたんだろう?
何で…私はあの時死ななかったんだろう?
何で…人間を…殺してきたんだろう?
何でだ?
何で私は…、私はこんな仕打ちを受けなければならないんだ?
「何で!?何故!何故!何故!何故だッ!!何故私はッ!何故!何故だ!何故!……何故生きてる?何処で何を間違えたんだろう?何処で…」
「それは、君が存在している事だ。君が存在しなければ、白刃は楽に死んだだろうに」
「黙れッ!」
ロゼは曲刀をそいつに投げつける。
しかし、ことごとく弾かれ、最後の…1本となった。
- 第2話 幸せ【悪夢】 ( No.180 )
- 日時: 2010/05/10 16:46
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
「……」
彼女は黙って仲間を傷つけ続ける。
それが…人間で無いかのように。
それが…仲間ではないかのように。
それが…幸せになるためだとでも言わんばかりに……。
「精神破壊2番曲、時の狭間。お聴きください」
彼女が歌えば、仲間が苦しみ、
もがき苦しむ。
しかし、そんな事お構い無しに続ける。
「う゛アぁァアァあ!止めろ!止めてくれ!黙れッ!」
「!?」
今…黙れって言った?
今…止めてくれって言った?
まだ、意識が残ってる?
「精神破壊3番曲、破月。お聴きください」
更に精神破壊を続ければ元に戻るかもしれない。
そんな考えが浮かんで、
彼女は更に仲間を傷つける。
しかし、そんなことが普通の精神では耐えられるまい、
そう、後何回か彼女によって白刃が傷つけば、
白刃の勝ちだ。
精神が恐らく先に崩壊する!
「……何で…こんな幸せな悪夢を見てるのかしら?コレが皆、夢ならいいのに…」
「シネ!」
戦意を喪失したロゼに、
白刃の容赦無い斬撃がモロに直撃した。
「………痛いよ、恭ちゃん」
- 第3話 悪夢【幸せ】 ( No.181 )
- 日時: 2010/05/10 22:25
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
「…………!」
ロゼの言葉の直後、
しばらくの沈黙が続き後、
白刃の寝ぼけているかような眼に光が戻る。
「…シア?どうしたんだよ!?そんな傷だらけで!」
「ば…馬鹿な…何故だ!何故!?目を覚ました!」
「覚めちまったモンは仕方ネェだろ?セル!」
セル?
ずっと前に聞いたような名前だ。
確か…
「私をこんな体にした奴か!そうだ!」
「フン、白刃、貴様には期待したのだが…無駄だったらしいな」
「へッ!期待?勝手にしてろよ、お前は俺に殺される期待でもしてたんだろ?俺にこんなことさせてよォ」
「フン、生前も今も生意気な所は変わらんな。礼儀という物を——…」
「叩き込んであげようか…セルちゃん。いや、反逆者セル・クレイム!」
アリソンが地面から生えてきた。
まったく、何でそうやって登場するかな…。
「ヒーローは遅れてやってくるものだよね」
いや、そうじゃなくてさあ…。
「フン、魔神か…我の敵でもない、行け!アデル!」
その言葉の直後、赤黒い龍がセルの後ろから現れ、
炎を吐いた。
「ミゲル、応戦任せた」
「承知した」
約1秒無いやり取りの後、
ミゲルが相手を上回る規模での火炎放射を繰り出す!
「ハデス、お前もだ」
「…フン、貴様の頼みでは…仕方ないな」
そう言うと、ミゲルと並び炎を吐くが、
アデルの炎の力が増す。
何故だ?
始めはミゲルだけで勝っていたのに?
「大地よ、我に力を貸し、大地を踏みにじり汚す力無き者たちに裁きの鉄鎚を!エンデリア法艇!神緑樹!」
その言葉と同時に、周囲を大木が囲み、
4人を押しつぶす!
「呪文媒体?何て惰弱な魔王だ、この程度で私に勝ったつもりかな?…愚かにも程がある。魔法って、こうやって使うのよ」
目の前に迫る巨木に手のひらを合わせると、
炎が上がり、一瞬にして巨木は灰と化す。
しかし、それを読んでいた様に、
灰から再び巨木が出現し、なお迫る。
「…諦めの悪さだけは認めてやるよ」
白刃が始めて攻撃に移った。
「無理よ!私にすら劣るのに!」
「黙って見てろ!」
止めるが、効果が無い。
よほど自信があるらしい、
地面に手を当てると、
なにやら呪文らしき物を唱え始めた。
その呪文は、魔神すら聞いた事の無いものだったらしく、
アリソンも顔をしかめている。
「アルバロ…ダウラ…アンディア!」
長い呪文を復唱し終わった直後だ、
地面が割れ、セルを引きずり込む!
「クッッ!貴様ァアァアァアア!モルモットの分際で!」
「そのモルモットに止めを刺されてみるのって、どうだ?」
「!」
紅破達がセルを上から見下ろしている。
「さて、私達の勝ちのようね?」
「……私を作ったのは、貴方なの?良かったわね〜、拷問されなくて」
「ヘーえ、悪の大将も怖がるんだな」
「そりゃあ、そうだろう、シュイ?」
「「「「…トドメだ」」」」
全員が思い思いの攻撃をセルにぶつける。
端から見たら、集団リンチだが、
それだけの事を、この男はやってきたのだ。
「仕方ないのかもね?」
「だな」
「反逆者の処分完了。サタン、魔界の政治は任せたよ。私は1000年位寝るから」
「了解しました」
そして、これからの悪夢は幸せへと変わる。
ただずっと、死ぬ事の無い悪夢のような幸せな日々へと…。
私の日記はコレでお終いです。
この日記を貴方が読んでいるという事は、
私は死んでいるでしょう。
それが、寿命なのか、
はたまた殺されたのかは貴方の想像にお任せします。
「3世紀前の物だが、最近まできちんと保管されていた形跡がある。この人たちを探すぞ?良いな、鈴音?」
「OK。もちろんよ、破音」
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- Re: Loss Artificial Human アンケート中 ( No.182 )
- 日時: 2010/05/10 22:19
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
『幸せな悪夢』完結しました
- Re: Loss Artificial Human 完結 ( No.183 )
- 日時: 2010/05/10 22:29
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
次は何を書こうかな…?
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