ダーク・ファンタジー小説
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- 人魚 終焉無き白夜
- 日時: 2012/11/16 02:18
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
序章
今からお話しするのは遥か、遥か昔……
この国が、まだ中世と呼ばれる時代に始まり。
今でも続いている数多の……
そんな、物語の内の一つで御座います。
ーー その若者は決して、
交錯する事の無い流れを
ただ、ただ、見て来ました。
幾つかの戦で倒れた戦友。
度々あった流行り病や飢饉で…世の中の不条理で、
酷く痩せて、米の一粒も無く息絶えた子供達……
みんなの最後を、彼は見届けてきたのです。
彼はその度に涙をこぼしました。
その終着点が見えない……
孤独と苦痛の地獄を噛み締めて…………
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.51 )
- 日時: 2013/05/24 20:25
- 名前: 珈琲猿 (ID: jF5f2bDU)
カンソーです!
百年も戦い続けるゲームって、V&B?
漸く最初の電車の話につながりましたね!!
あと、写真のイケメンって
ほかの主人公じゃないですか???
しかも、骨付きカルビってwww
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.52 )
- 日時: 2013/05/25 14:02
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tVCgD/M1)
お久しぶりです。 珈琲猿さん。
コメント返し
えぇ、漸くつながりました……。
はい、いつの間にか来日してます。 彼らは……
でも、普通の人間には正体を気付かれません。
まあ、大体は当たりです。 分かりやすいですけど……
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.53 )
- 日時: 2013/06/03 21:09
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tVCgD/M1)
第拾八ノ巻 孤独なる月
その北吸血鬼の歴史において史上最年少で、
北の頂点に収まった天才がいる。
彼は、先の王をいとも容易く打ち破ったのち
先王を王座から引きずりおろして即位した。
ーー その当時、僅か齢二百。
吸血鬼の民は彼を畏敬し、そして畏怖した。
それは、彼があまりに強く。 あまりに殺したからだ。
そして、彼らは。
その王をこう呼ぶ「灰銀の殺戮者 」と……
続く
後書き
どうも、お久しぶりです。
そして、新プロローグの始まりです!
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.54 )
- 日時: 2013/06/04 16:39
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tVCgD/M1)
第拾九ノ巻 赤い月夜はされど続く
その吸血鬼王は、最強の吸血鬼の一角を担っていた。
生まれ出でて僅か二百年という異例で、
試練に打ち勝ち即位した天才は、誰もが認めざるえない程。
強く、聡く、孤高だったからだ。
けれど、同時に彼は配下を持つ事は無く常に一人きりであった。
「それで……
俺と勝負して満足したのか……? 」
「くっ……ば、馬鹿な……!!
何故、このような事に……
数千年を生きる我輩が敗れるなど…ありえん… 」
栗色のオールバックと精悍な顔立ちが印象的な吸血鬼は、
激しい憎悪と嫌悪を込めた眼差しで、新たな北の王を睨みつける。
「何故、たかが二百年しか生きておらん小僧に……
先代はともかくも、新参者のお主にも敗れた……?
ふざけるな…ふざけるナ……!!
イツモ、ナンバー3ニスラ届カナカッタ者ガ…
ドンナ思イデ、研鑚ヲツンデキタト思ウ?!
我輩ハ、エリック…
エリック・ ハードシプ…ココデ負ケル訳ニハイカンノダ…!! 」
「………そうか、よく分かった 」
北の王は何も感じていないかように静かに呟くと、
手に携えたバスタードソードをゆっくりと構え。
右上段から、左下段へと一刀両断でエリックの肩から斜めに切り裂く。
太刀すじすらみえずよける暇も無く真っ二つに切り裂かれたエリックは、
怯えた苦悶の表情で言葉を吐く。
「化け…も…のめ
わかっておろうが、我々はいずれ復活する…その時こそは…!? 」
何かが、今までとは違う気がする。
酷く眠くて、まるで世界が閉じてゆくような。
何かを断ち切られたかのような不思議なこの感覚は何なのか。
その正体がわからず混濁する意識の中エリックは必死に
その答えを探そうと模索する。
「ま…さか……
そんな…まさ…か……!?
お主は…滅ぼせーーー 」
「ーーー 終焉だ。
俺が生まれなければ、俺に勝負を挑まなければ。
永遠に知る事はなかったものを…… 」
「そういう能力か……?
成る程、それでは仕方あるまい…… 」
エリックが生きを引き取ると同時に、
その身体は暗い紫の光の粒となり。
そして、その粒は無数の黒アゲハのような形を成し。
エリックの霊魂を中心に、守っているかのように飛んでいく。
「………… 」
続く
後書き
暑い……
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.56 )
- 日時: 2013/06/05 12:46
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: 643MqHaL)
番外編 転がらない石
それは、天と地の境が今よりも曖昧だった。
人類が文明らしきものを持ったばかりの、文字すら無い黎明期。
彼は、その遥か遠い太古の世に生まれ出でた。
彼の名前はカジキと言い。
人間とは遥かにかけ離れた存在で、途方も無い時間を生き続ける存在の一人である。
かつて、人間は彼や彼らのような存在を。
百済から外ツ神が伝来するよりも、
大和朝が現れるよりも古い時代には、
産土神、国ツ神、土霊と呼んだ。
それも、今となっては千と数百年も昔の話しであり。
今でも尚、祀られるものもあれば
時と共に忘れられたものもいる。
よしんば忘れられていなくても、荒神や祟り神。
あるいは、物の怪や妖怪と呼ばれているのだ。
尤も、有史以前から生き続けるカジキにとって、呼ばれ名など微々たるもの。
大陸からやって来た外ツ神も、同じ事である。
むしろ、憎むのは人間の本質…そのものだ。
“ 人間に期待をするだけ無駄 ”
“ 過ちを反省をするのは、最初だけだ。
喉元を過ぎれば忘れて……
自分の都合の良いものへとすり替えていく ”
何故、そう思うようになったのか。
それは長い、長い時間を越えて。 海を越えて。
見て来たのは、どこまでも恐ろしい程に浅ましく、
どこまでも罪深い業の数々。
過去を、歴史を飽きる事無く繰り返していく人間の本質そのものであった。
「……それでも。
完全には、憎みきれない…か…… 」
いっそ、憎悪の末に堕ちて祟り神になるか。
その絶望の中から、希望を見いだして産土神として見守っていくか。
白黒はっきりしたほうが、どれだけ楽な事だろうか。
そう考えたのも何千回、何万回だろうか。
カジキはその答えも無く、かと言って求めもせず。
ただ、複雑な思いに頭を悩ます。
「……ま、考えても仕方ないか。
それにしても……
清盛が熱でくたばってから結構経つが。 予想通り、いよいよ平家はヤバくなってきたな…… 」
これもまた、栄枯盛衰の定めなのか。
あるいは、時代のうねりなのか。
どちらにしても。
人間の情勢に殆ど関心が無いカジキには、今日の夕飯のほうが重要であった。
「さしあたり、旬の鮎を塩で焼いて食うか 」
続く
後書き
カジキの関心度は、鮎の塩焼き>>人間の情勢。
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