ダーク・ファンタジー小説
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- 人魚 終焉無き白夜
- 日時: 2012/11/16 02:18
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
序章
今からお話しするのは遥か、遥か昔……
この国が、まだ中世と呼ばれる時代に始まり。
今でも続いている数多の……
そんな、物語の内の一つで御座います。
ーー その若者は決して、
交錯する事の無い流れを
ただ、ただ、見て来ました。
幾つかの戦で倒れた戦友。
度々あった流行り病や飢饉で…世の中の不条理で、
酷く痩せて、米の一粒も無く息絶えた子供達……
みんなの最後を、彼は見届けてきたのです。
彼はその度に涙をこぼしました。
その終着点が見えない……
孤独と苦痛の地獄を噛み締めて…………
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.5 )
- 日時: 2012/11/17 18:08
- 名前: 萌姫 (ID: mA4EHToO)
はい。
こちらこそです^^
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.6 )
- 日時: 2012/11/26 19:53
- 名前: 珈琲猿 (ID: jF5f2bDU)
切ない御伽噺風のプロローグですね。
寂寥感や孤独感を抱えるs主人公か。
楽しみに待ってますWWW
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.7 )
- 日時: 2012/11/28 00:45
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
コメント返し
萌姫さん
今後とも、よろしくお願い致します。
珈琲猿さん
こちらでは、お初です。
今のところいえるのは、
彼には、孤独と悲しみしか無いという事。
それに絶望している事ですかね……
はい、楽しみにまっていてください。
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.8 )
- 日時: 2012/11/29 15:48
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
第壱ノ巻 隠蔽された生存者
某所の自衛隊 食堂にて
本日の厳しい訓練を終えて漸く、
晩御飯にありついた隊員の一人 山田は、
今日のメニューで、好物であるカレーを頬張りながら友人に言う。
「なあ、斎藤。
こんな都市伝説を知っているか? 友達の友達から聞いたんだが。
御巣鷹山の事故は知っているよな? 」
「ああ、うん。
オレ達が赤ん坊の頃だったか、起こった飛行機事故だろう。
それが、どうしたんだい? 」
それがどうした?と
斎藤と呼ばれた男は首を傾げる。
「524名以外に乗客がいたって噂さ。
何でも、事故が起こってすぐにもみ消されたらしく、
本当の乗員と乗客数は525名…生存者は5名だったのが
一人だけ減って524名 生存者は4名になったんだとよ 」
「友達の友達」
まことしやかに噂される都市伝説は、
あくまでも噂なのか、はたまた真実なのかさえ定かではない。
その為、山田の友人である斎藤は適当に相槌をうちながら食事を続ける。
「普通は、ありえないんだよ。
乗客や乗員の安否を公表されるはずが、
一体、何故、一人だけがもみ消される理由がある? 」
「まさか。
政府か権力者が、かかわっていたとか言うんじゃないだろうな? 」
海外ならともかく、この日本ではありえないと斎藤は笑う。
「当たり。
その噂では、古い歴史を誇る日本屈指のの名家らしい 」
「でも、根も葉も無い噂なのだろう?
ありえねぇよ それ 」
所詮は、都市伝説。
「東京の地下 」「隙間女 」「小さいおじさん 」
「チェーンメール 」「人体発火 」
それらと何ら大して変わらない不思議な噂に過ぎない。
信じるのも、信じないのも人それぞれである。
そう、斎藤は笑いながら食べ終えた皿にスプーンを置き。
この暑い夏には、程良いお冷やをゆっくりと飲む。
「そうだな。
どこかの国の噂が一人歩きして、変な噂になったのかもしれねぇ 」
後書き
漸く更新です。
某都市伝説本から引用しましたが、
「ベッドの下を見てはいけない」「キ 」等多様な都市伝説があると、初めて知りました!?
親世代なら「口裂け女」「紫鏡 」「メリーさん 」と言ったところでしょうね
知らなかったのは、しかし世代は違っても怖いです。
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.9 )
- 日時: 2012/12/07 22:54
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
幕間 生き延びた男
あの日、ジャンボジェット機が辿るであろう
自分が予想した運命は違えるどころか……
これまで見知った。
どの事故よりも、凄惨極まりないものだった……
「助けて…助けて…… 」
「お母さん、お母さん! 」
意識を取り戻してすぐ見たのは赤い、赤い炎。
最初こそ沢山聞こえた途切れ、途切れの人々の声は、
もう何度も、何度も耳にした……
人間が生きようと、必死に助けを求める命の叫びだった。
「くっ……
結局、全てのものは…俺を殺してはくれないのか……? 」
全身から血が吹き出し、折れた骨が露出していた事で、
はう事以外、殆ど身動きが出来なかった為に
助けたくても、助けられないもどかしさはつらかった。
だんだん声が消えていく事が悲しかった。
「嗚呼……
何故、俺一人が“生き続ける″んだ…? 」
空港で見た。
幼い少女がぬいぐるみを抱えていた様子。
有名な歌手が旅行鞄を一時的に預けていた時の表情。
優しい雰囲気の中年の男の顔……
様々な顔をして飛行機に乗っていった人々は、
よもや。
かけがえの無い家族やささやかな幸せが突然、
事故で奪いとられるとは想像もしていなかっただろうに……
僅か“五人”を残して。
皆、永遠の眠りを強いられて消えていった…………
かつて見た、あの時やあの頃のように……
続く
後書き
書いていて辛かった……
ウィキで調べた時は、もっと悲しかったです。
明日を信じていたのに
事故で突然、死ぬなんて……。
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