ダーク・ファンタジー小説
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- 人魚 終焉無き白夜
- 日時: 2012/11/16 02:18
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
序章
今からお話しするのは遥か、遥か昔……
この国が、まだ中世と呼ばれる時代に始まり。
今でも続いている数多の……
そんな、物語の内の一つで御座います。
ーー その若者は決して、
交錯する事の無い流れを
ただ、ただ、見て来ました。
幾つかの戦で倒れた戦友。
度々あった流行り病や飢饉で…世の中の不条理で、
酷く痩せて、米の一粒も無く息絶えた子供達……
みんなの最後を、彼は見届けてきたのです。
彼はその度に涙をこぼしました。
その終着点が見えない……
孤独と苦痛の地獄を噛み締めて…………
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.25 )
- 日時: 2013/02/05 00:30
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
第九ノ巻 海は月夜に囁く
遥か、遥か古の世。
まだ、天と地 光と闇の境目が曖昧だった頃の地上は、
人ならざるものどもと獣の天下であった。
やがて、人類が黎明の世を迎えても尚……
人間は今でも、彼らに畏敬と畏怖を込めて
その種族達の存在を伝え続けている。
ただ、彼らを知らぬ人々からしてみれば
その存在は、単なる神話や幻想や伝説に過ぎないが故に、
その人々は世界を「全」のものではなく
自分達の種。
つまり、「一」だけのものと信じて疑わないのだ。
“自分達こそ、世界の主人”だと……。
果たして、信じぬ人々は世界。
あるいは、あらゆる生物
あるいは、人ならざる者達にとって…
自分達は、どのような存在と思われているのか
どれ程、想像出来るだろうか?
そして、信じぬ人間達は気づいているのだろうか?
いつも、人ならざる者達は人間のそばにいるという事を。
永遠に科学では、証明出来ないものがある事を……。
そして、それに出会った時。
目の前にある現実が決して、幻などでは無い事を理解出来るのだろうか?
それを受け入れらるるか、
受け入れられぬかは、その人物次第なのだから。
ー とある人物の手記より抜擢 ー
続く
後書き
実在の人物、団体、国家とは関係ありません。
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.26 )
- 日時: 2013/02/05 15:36
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
第十ノ巻 刻まれたもの
輪廻転生 ーー
それは、生と死を繰り返す糸車のようなもので、
霊魂は過去や未来 空間 物質 世界を超越しながら、
生まれて、死に。
また生まれて、また死ぬ。
あらゆる者は、その生命の流れを確認しようが無いものの
確かにそれは存在する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
“彼”が前の生を思い出したのは、
夥しい血で塗り潰された過酷な運命のさなかであった。
最初に思い出した記憶は、
まるで神話や映画に出てくるようなおぞましい姿の怪物を
一瞬で一刀両断のもとに斬り殺し、その夥しい血を頭から浴びる自分。
次にコマ落としのように現れたのは、大昔の欧州の風景だった。
それにより彼の意識が混濁し、その境界線が交じり合った瞬間
少年であった彼は、目の前の怪物を斬った。
それが、その後の運命を分かつとは知りもせずに
続く
後書き
主人公その4の序章の始まり。
今度も、グダグダしてないで早く進めたい……
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.27 )
- 日時: 2013/02/22 18:16
- 名前: 珈琲猿 (ID: jF5f2bDU)
うおっ!
知らないうちに新話+キャラが増えてる!?
チンピラ?みたいな妖怪カジキがすごいです。
約一万歳で現代社会に順応しまくりのうえ、
中々、博識でッッ!
そして第9話は、神ッッ!
あと新序章!!
これも、なんかすごそう!!
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.28 )
- 日時: 2013/02/26 17:04
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: IYQ2IBUX)
コメント返し
お久しぶりです。 珈琲猿さん
まあ、およその年齢はそうですが…
精神年齢は高校生か大学生の前後。
なので、血の気が多くてその上短気なのかもしれません。
9話は……
普通の人間の常識は、世界の非常識という感じで書いたのですが…
今後もよろしくお願い致します。
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.29 )
- 日時: 2013/03/02 23:40
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: faSasGNm)
第拾壱ノ巻 悪夢はされども続く
それは、まるで映画のコマ落としのように。
断片的に切り取られた記憶が現れては、消え
また現れては、また消えていく。
そして、最後に……
突然、その夥しい数のフラッシュバックは止まり。
まるで、舞台上の人物のように
中世の傭兵を思わせる装備を纏う自分は、
最早、助かる見込みのないと理解出来る程の重傷を負い。
夥しい血が流れ出てゆく中での、痛みを通り越した灼熱。
やがて意識が混濁して、
手足に力が入らなくなり徐々に視界が暗転してゆく
“死”への感覚を思い出し、それを前世の記憶だと感じながら。
ー 嗚呼、静か…だ…。
剣戟の響きすら聞こえん。
……終焉か…
長く生き過ぎた私には、丁度良い頃合いか……。
…これで漸く……出発出来ーー ー
「嗚呼、覚えていたか……。
まったく、忌まわしい限りだ…… 」
彼は前世の記憶を忌まわしげに反芻しながら、
その後、何度も味わった。
生まれ来る時の痛み、死ぬ時の閉じてゆく感覚を
いずれも血に染まり呪われた壮絶で過酷な人生を。
望みもしない全ての前世を……
重なりあう夥しい屍の山と血の海の中で……
「今度こそ、忘れていたかったにもかかわらず。
何故、また…… 」
とうの昔に正気を失ってもおかしくない…
それを、忘れられない事を……
意識と記憶だけの千年の生を噛み締めながら………
続く
後書き
お久しぶりです。
今、私は歯茎の治療で手術をして
その痛みで悶え中です。
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