ダーク・ファンタジー小説
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- 人魚 終焉無き白夜
- 日時: 2012/11/16 02:18
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
序章
今からお話しするのは遥か、遥か昔……
この国が、まだ中世と呼ばれる時代に始まり。
今でも続いている数多の……
そんな、物語の内の一つで御座います。
ーー その若者は決して、
交錯する事の無い流れを
ただ、ただ、見て来ました。
幾つかの戦で倒れた戦友。
度々あった流行り病や飢饉で…世の中の不条理で、
酷く痩せて、米の一粒も無く息絶えた子供達……
みんなの最後を、彼は見届けてきたのです。
彼はその度に涙をこぼしました。
その終着点が見えない……
孤独と苦痛の地獄を噛み締めて…………
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.68 )
- 日時: 2013/06/28 04:03
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
第弐拾ノ巻 終焉を喰らう者
東西南北それぞれ一人づついる最強の吸血鬼。
彼らは、いずれも圧倒的実力者であり。
他にも魔力、技能、統治能力等
全てにおいて正に“ 王 ”と呼ぶに相応しい存在だ。
故に他の同胞に敗れない限り君臨し続け、
大体、歴任の王は凡そ数万から数十万年に一度、
東西南北の誰か一人のみが交代していたのだが。
ここ数万年。
先代の王を全て退位するという前代未聞の政権交代が起こっている。
一人は、極めて慎重派で音も無く相手を葬ると言わるる紅一点。
通称 “ Grimreaper Quiet(静かなる死神) ” 東のノーラ
一人は、四人中最も礼儀正しく聡いされ文武両道で知らるる西の賢王。
通称 “ Dusk Conductor(黄昏の指揮者) ” アルベルト
一人は、極めて好戦的で仲間を道具としか認識せず。
簡単に切り捨て、殺害するという残虐性を持つ南の暴君。
通称 “Scarletr Treachery(紅漣の裏切り者 )” ディーノ
そして、稀代の天才と言われる程。
異例中の異例の若さで登りつめた超新星。
通称 “Platinum Massacrer(灰銀の殺戮者) ” ーーーー
“ 彼 ”には、大した努力をした記憶も覚えも無い。
ただ、ひたすら戦い続けて気付いた時には、
手加減を誤れば、相手を軽くあしらえるどころか。
紙切れのように相手を殺してしまう程の実力を身に付ける程に成長していた。
正に天才中の天才。
そして、化け物中の化け物であった。
「……逝ったか 」
北のナンバー5だったエリックは、死の女王が呼んだのか。
息を引き取ると同時に基の亡骸は変じ。
無数の光る闇の蝶の形をなして、魂はその蝶と共に冥界へと旅立っていった。
後には彼が辛うじて生きていた痕跡として、
ほぼ粉々になった装備や衣服が、虫や蛇の抜け殻のように残されているだけだ。
(何故。
奴は、他の連中にすら勝てんというのに俺に挑んだのだ……?
実に理解難い事だ…… )
現二位の先代ですら現三位との間には実力差の開きがあるのに、
何故、エリックはすぐ上の四位の者ではなく。
その更に、上の上の地位に立つ自分に勝負を挑んだのか。
何故、そこまでして権力と名声が欲しいのか。
望まず王になった自分には。
到底、理解出来ないと“ 彼 ”は首を捻る。
(よもや。
先代である あの男はともかくも……
二百歳かそこいらの若輩者なら、勝てるとでも思っていたのか? )
そこまで、阿呆なのか。 向こうみずなのか。
エリックが“ 死んだ ”今となっては、永遠にわからないが、
恐らくは、己の地位を確固たる者にしたかったか。
あるいは、名声と権力欲しさと蛮有思わるる。
(それにしても。
化け物、か…… )
続く
後書き
すみません!
ここで一旦切ります!!
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.69 )
- 日時: 2013/06/28 19:19
- 名前: 珈琲猿 (ID: jF5f2bDU)
かんそうっす
うわあほかにもいるんですかあ!
しかも一癖二癖ありそうなのばっかし!!?
番外編
ふと、民明書房の「人といふもの」が頭に浮かびました。
H×Hで引用されたやつの
>>膿むには長く、学ぶには短い時の螺旋上…という一文が。
あと、もののけ姫も。
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.70 )
- 日時: 2013/07/06 14:28
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
前書き
今回は短めです。
幕間 月の出と共に囁き出す
北の地にて、何らかの大規模な魔力の流出が起こった。
その異変に真っ先に気づいたノーラは、自分以下の東のトップ5に召喚命令を下した。
北で何が起きたのか、ささやかでも良いから知る為である。
そうして、集まった東の幹部との会食にて。
最も有力な情報が得られたのは、つまらなそうに話しを聴いていた
東の次点にして、先代王カルロスによるものであった。
「それで…今のあなたの話しからして。
あの、北の第5位が新入りの方によって完全に滅ぼされた。
つまり、そう言う事かのかしら…
……カルロス? 」
「あぁ、遠く過ぎて確信とまではいかねーんだが。
大量の魔力が空気中に拡散し…
滅多に現世では開かねー、と言われる冥府の扉が開いた事……。
いずれにしても、ただ事じゃねー事は間違いない 」
一応、“ 草 ”を送ったのだが。
特に有力な情報は得られなかったと言葉を付け加える。
「そう、わかったわ。
もし、あなたの話しが本当なら…
あの方は、私を含む他の三人に引けを取らない事は確か。
そうなると、情報が少ない以上は…
いずれにしても、今は無理としか言いようがない 」
「はぁ!
たかが、僅かな時間しか生きていない小僧に
我々が警戒する必要があるのか……!? 」
何故、と黒髪を横になぜつけた男が唸る。
「おだまりなさい…ペーター。
これは、女王である私の決定よ。
相手が王に相応しい実力者である以上は、
同盟、敵対、その中間のいずれにしても…
あの方について、何もわからない間は。
これまでのように、互いに必要以上の干渉しないほうが良い。
尤も、それでも反対するというのなら止めはしないけれど。
それで…あなたは、どうするのかしら? 」
ノーラは綺麗に切り分けられた果物を口にしながら
諭すような冷静な口調で、ペーターに訪ねる。
「くっ……! 」
後書き
蝉が鳴き始めましたね。
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.71 )
- 日時: 2013/07/06 20:54
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
小出し人物設定 ※序章時点
龍咲
「出会った全ての者達が生きて、老いて…
そして、死んでいく様を。
ひたすら見届けなくちゃならない孤独を。
言葉に出来ない悲しみを、お前は理解出来るのかっ!!? 」
「止まった時に住む死ねない俺達二人は……
その時点で、もう生きているとは言えない。
言えないんだ 」
性別:男
生年月日/年齢:西暦1000年前後8月10日/約1000歳
種族:人間
容姿/身長:黒の短く切り揃えた短髪、焦げ茶の瞳、普通よりやや色白。
現代風のイケメンだが、本人の基準が平安のままなので自覚していない。
身長は約170cm?
参照:ある事がきっかけで、老いて死ねなくなった青年。
見た目は21前後。 昔は若干方言を話していたようだが現在は標準語。
家族や友人達が老いて、次々に死んでいき。
世の中も変わっていくのに、自分一人が取り残される孤独感と寂そう感に苛まれて故郷の京を去る。
道中、様々な人々と出会い 別れ。 記録にしか残っていない日本史の生き証人(ただし、ごく一部のみ)。
また、様々な仕事で路銀を稼いでいて、
戦国時代は足軽。 幕末は行商。
最近は、故郷の京都府に戻り観光地でアルバイトをしていたようだ。
カジキ
「はっ!
俺にしてみれば、人間何ぞ蝉みてぇなもんだ。
沢山生まれ、すぐに死ぬ…それだけだ 」
「ちっ!
死んで、なかったのか!! 」
性別:男
生年月日/年齢:紀元前8000年〜紀元前7000年頃? 多分、夏か秋/9000〜1万歳?
容姿/身長:黒の短い無造作ヘア、瞳は青みがかった茶、少し色白。
切っ先のような目つきの精悍なレベルの高い顔立ち/170cmくらい?
参照:本名不詳。 大氷河期末期に生まれた妖怪とも国ツ神とも呼ばれる者で、
細かい実年齢は、曖昧にしか覚えていない(本人の弁)。
性格は乱暴で短気つっけんどん、淡白だが反面思いやりがありわりと常識人?
遠い過去より陰惨で浅ましく、繰り返される
人間の業を目の当たりして来た事から、
人間を嫌っており必要以上のかかわりをもとうとはしない。
その他:人間に化けている。
- Re: 人魚 終焉無き白夜 ( No.72 )
- 日時: 2013/07/14 20:17
- 名前: 珈琲猿 (ID: jF5f2bDU)
コンバンワ!
感想
ついに動き出したほかの四強!?
(まだ、東のみ)
のこりの西と南も早くみたいwww
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