二次創作小説(紙ほか)
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- Princess Teens
- 日時: 2018/06/10 22:27
- 名前: まるき (ID: Mm9jHYga)
輝く10代になれる
- Re: Princess Teens ( No.91 )
- 日時: 2018/09/02 03:22
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
俺は2月から春休みの間、2回大会がありどっちも入賞した。1つは団体戦、もう1つは小学生から出ている大会の高校生男子の部シングルス。まさかの2位!!東日本から強い奴らが集まってくるあの大会で勝てたのだ。
「写真取ってくれませんか?」
試合後には他校の女子から声をかけられて、写真を取ることになった。俺、モテ期かな?インスタには俺の名前のハッシュタグと写真があるらしい。
「宍戸、最近調子ええな」
「本当になんかやべぇ」
「あんま良すぎても怖いわ」
「絶対調子乗るよなぁ」
亮はめちゃくちゃ楽しくて、いつも時間を忘れてテニスをしてしまう。今日だって、逢花と会う約束があったのだ。
- Re: Princess Teens ( No.92 )
- 日時: 2018/09/02 23:05
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
「古典の教科書貸して」
「ごめん、持ってないや」
教室の入口で由奈が隣のクラスの男子に声をかけられている。なんだよぉ、とちょっと困ったようにほかの人にも声をかけているが、あいにく逢花と由奈のクラスの時間割には今日古典がない。
「あ、神島!古典持ってる?」
その声は…確か、佐伯だった気がする。逢花はリュックと机を漁ってみたが、ない。ロッカーを開けるとたまたま入っていた。
「よかった、ありがとう」
逢花は手渡すと佐伯虎次郎はにこやかに礼を言ってから教室に戻った。
「いやぁ今日もイケメンだわぁ」
「モデルとかにスカウトされないのかな」
「やだ!これ以上人気出たら困る」
由奈はミーハーなのか、佐伯を拝んでいるように手のひらを合わせた。たしかにかっこいい。今まで見た一般人の中で群を抜いているのは間違いないし、運動神経もよくて、頭もいいらしく、育ちの良さが溢れている。ファンクラブまであり、さえ様と呼ばれている。
「ってかもうすでに人気じゃん」
「それな」
2人は席に着いた。授業開始のチャイムが鳴った。古典の授業を受け始めた佐伯は教科書を開いた。パラパラと何気なくめくっていると、明らかに女子の字ではない何やら漢字が書いてある。角張ったでかい字で「眼るな」と書いていて、多分「眠るな」と書きたかったのだろう。他にも下手くそな似顔絵が描いてある。佐伯はちょっと見て、何も見なかったように板書を始めた。
「教科書、由奈が受け取ったら」
「え?むり!恥ずかしい!」
さえ様が来た!!と由奈は前方から歩いてくる佐伯を見て慌てている。
「可愛いイラストいっぱいで面白ろかった」
「え?」
逢花は佐伯から教科書を奪ってページを捲ると、思わぬ落書きを見つけた。
「宍戸くん…可愛い…」
キュピスムを模倣したような逢花の似顔絵が描かれている。亮の字、逢花と矢印が伸ばされている。由奈はお腹を抱えて笑っている。
「今度は俺の似顔絵も書いてほしいな、神島の彼氏に」
イタズラっぽくはにかむさえ様はかなりキツいジョークを逢花に振りまいた。
「ありがとう」
顔がかっこよければ何言っても許されるんだなぁ。
- Re: Princess Teens ( No.93 )
- 日時: 2018/09/03 20:16
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
「佐伯、お前神島のこと可愛いっつってなかったっけ」
「うん」
今日は部活がオフ日だった。毎週火曜日だけが休日のはずなのに、なんと先週、先々週と部活が入っていた。慈郎と亮は電車に乗った。目の前には恐らく柳台のあの上下深緑のブレザーで、赤いネクタイをつけた男子高生3人が電車内にいる。
「どこが?」
「ほら、モデルやってる岡本の方がよくね?」
亮はそれほど気にしていなかった。慈郎とゲームの話をしていたし、一々全く知らな人の会話を耳にする必要もないからだ。
「違うよ。ああいう感じの地味さがいい」
「あ、わかるかも」
「よく見たら可愛いんじゃね?」
佐伯は去年の文化祭での集合写真をスマホのアルバムから見つけた。そして佐伯は色々な人から写真を取るように迫られたので、たくさん2ショットや写真がある。その中で由奈と逢花と写っている写真をタップした。
「去年一緒のクラスだったときはそんなんでもなかったのにな」
「だよな。佐伯、どーしていきなり神島推し始めたんだよ」
佐伯は首を傾げた。なんでだろ。あ、
「男できたからかな?なんか、よくね?」
「でたー!佐伯の人妻キラー!」
「お前さ、顔いいからなんでもできるよな」
佐伯は謙遜したように苦笑いをした。いや、のものを見て欲しくなるのは仕方ない。俺はなんでこんなに乏しいんだろう。でも今は1番神島に惹かれてる。
「神島のLINE持ってる?」
「去年のグルチャから追加しといた」
「やりますねぇー!さすが!」
「いきなり名前で呼んだら?」
「あれ?神島の名前って…」
「神島逢花、でしょ?」
佐伯が言ったところで亮はちょっと携帯から目線を上げた。佐伯と目が合いそうになったので、上手く逸らしてまた慈郎と話し始めた。
「ヤリチンだな、つくづく」
「俺そんなんじゃないってば」
「神島もお前だったら絶対落ちるって」
なんだあいつら。亮は真ん中にいる、1番顔が整っている青年の顔をもう一度見た後、自分の顔を電車のガラスに写した。佐伯は何気なく亮と慈郎たちの方を見た。
- Re: Princess Teens ( No.94 )
- 日時: 2018/09/03 21:12
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
どうしよう、発注ミスした。逢花は商品の名簿を捲りながら、本来の倍の数歯ブラシを発注してしまたようだ。1日で3600個歯ブラシを売る計算である。こうなったら、と陳列していたのと、ダンボールから大量に取り出し、特に割引きもしていないが台に溢れかえさせてみた。随分、私も楽観的になったものだ。あと2時間で終わる、シフト。
- Re: Princess Teens ( No.95 )
- 日時: 2018/09/04 00:47
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
慈郎と別れたあと、駅からチャリを走らせていた。なんだか無性に逢花に会いたい。でも今日も逢花はバイトで、俺はほぼ毎日部活で。本当に時間なんていくらあっても足りねー、残りの時間を全部逢花にあげたい。亮は無意識に逢花のバイト先のスーパーにチャリを漕いでいた。スーパーが見えてくると、スーパーの駐車場の入口にチャリを停めた。腕時計を見た、8時半を過ぎている。亮はため息を吐いた。逢花はいつも8時には仕事を終えている。
「亮くん?」
後ろから声がした。亮はその瞬間、思いっきり振り向いて笑顔になった。
「よぉ」
亮は笑顔とは対照的に素っ気ない挨拶だった。逢花はびっくりしているが、亮の元へ歩いていった。
「久しぶり」
実に1ヶ月ぶり。
「疲れてんな」
「亮くんほどじゃないよ」
無理すんなよ、と一言だけ。亮は逢花のリュックをチャリのカゴに入れて歩き出した。
「なんか背伸びた?」
「まじ?昨日測ったら178だった」
「おっきいね」
「逢花は?」
「156」
「軽そー」
2人で逢花の家に向かう。何気ない会話が逢花の疲労困憊を癒していく。歯ブラシ3600個売り切るまで帰れなかったのだ。
「ねぇ、このあと時間ある?」
「おう」
珍しく逢花から聞いてきた。
「あれ?陽也は?」
「学生寮に入ったよ」
陽也は学力が乏しく、結局農林高校に入学し都内でも田舎で行き来が難しいため学生寮に入った。学校説明会にはやはり陽也と似たような派手なDQNやヤンキーがたくさんいたし、多分このままでは未来の陽也は仕事がないので偏差値は低くても職が手に入るような工業、水産、農業高校を薦めた。今はトラクターを操っているらしい。
「じ、じゃあ逢花一人暮らし?」
「うん。家事が自分で出来れば問題ないよ」
逢花はスウェットに着替えていた。亮は母親に逢花といるとか、逢花が一人だからとか適当に口実をつけて一応お泊まりする予定には成功した。作り置きのキムチ鍋を、用意したIHコンロの上に乗せてスイッチを入れた。
「うまそ」
「食べよう」
亮の分まで箸と器を用意した。鍋が煮え込むまで、逢花は明日の学校の用意を済ませて洗濯物を取り込んでいる。いい嫁になりそう。
「いただきます」
鍋が出来上がったので、2人は手を合わせて鍋に箸を入れた。亮はまた無言で食べ続けている。逢花はそれを見て、なんだか自分に作ったはずなのに亮が全部食べてしまうのではと思った。
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