二次創作小説(紙ほか)

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Princess Teens
日時: 2018/06/10 22:27
名前: まるき (ID: Mm9jHYga)

輝く10代になれる

Re: Princess Teens ( No.71 )
日時: 2018/08/07 20:53
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

侑士に逢花と付き合っていると報告をした。

「おー、いつから」
「わかんねえ…あ、12月の末」
「もうすぐ1ヶ月やん」

年が明けたけど特に何も変わらない毎日だ。逢花はバイトと学校とたまに勉強に明け暮れてるし、俺はテニスの春季大会がある。

「どう」
「普通」
「チューしたん」
「…うるせえ」

会ったら毎回。俺がこんなに異性に対して、考えることなんて今までなかった。ぶっちゃけ男友達いれば毎日クソ楽しいから。

Re: Princess Teens ( No.72 )
日時: 2018/08/08 21:43
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

学校の前で待ってて。バイトのオフ日を知ってか知らないか、亮くんは私に氷帝学園の前にいるように連絡してきた。一体どこに行くんだろう。私は放課後約20分間JRに揺られたあと、5分くらい歩いて氷帝に着いた。校門の前からぞくぞくと氷帝生が出てくる。

「お、いた」

亮はラケットバッグを背負って出てきた。逢花を見つけて隣に並んだ。

「行くか」
「どこに?」
「いや、いいわ」

逢花の手を取りずんずん歩いていく。私なんかしたかな?

「ねぇ、どこなの?」
「黙って着いてこい」

Re: Princess Teens ( No.73 )
日時: 2018/08/09 07:34
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

着いたのは亮の家だった。

「嘘だろ…」

ドアを引いたが開くことはなく、鍵を開けて玄関に入った。親がいない。今日、亮はあのちょっとクセのある両親に逢花を紹介しようと思っていたのだ。だが、肝心の両親がいない。明日は学校休みだから仕事も休みとかほざいてたのにどっちもいねぇ。カッコつけた挙句半ばサプライズで逢花を両親に紹介しようとしたので、ほとんど何も明かさず家の前まで連れてきてしまった。まだ交際3ヶ月目だが、亮には年月など無関係。

「すまねぇ」
「なんで謝るの」
「なんていうか…その、お前のこと親に紹介しようと思ってたんだけど」
「…親がいないの?」

亮は微かに頷いた。はい、激ダサ。逢花は小さくため息をついて、何か考えているのか、それとも行き先を告げずに家に連れてきたことによってヤリモクだと思ったのか。気難しい顔つきである。

「ごめんな、遊ぶとこ探すわ」

また家の鍵をしめた。先に亮が入口のドアを開けて道路に出てしまった。

「いいよ、別に家でも」

逢花が亮の前に立つ。

「わりぃな」
「しょうがないよ」

ありがとう、と逢花の頭を軽く撫でた。なんか恥ずかしいし、亮くんがどこからそんな技を覚えたのか分からない。多分赤くなった顔を見られるのが嫌で、逢花は亮の手をぶっきらぼうに引っ張って玄関に行った。

「綺麗だね」

家中を見渡した逢花に5年前にリフォームしたばかりだと亮は行った。亮の部屋に案内される。汚いけど、と亮は言いながらドアを開ける。確かに汚い。漫画とテニスボールやらウェアが飛散していて、ポテチの袋があけたまま。ベッドも布団がぐちゃぐちゃである。ダメだ、こういう部屋見ると無性に片付けたくなる。

「やっぱし兄貴の使ってない部屋にすっか」
「片付けたい」
「時間かかるからいいだろ」

亮の言葉を遮るように、目に付いたウェアからたたみ始めた。これ、しわがひどいから多分洗ってないやつ。それらのものは分けて服を畳んでいく。亮はベッドの上に避難した。

「逢花って綺麗好きなんだなー」
「亮くんもゴミ捨ててよ」
「はいはい」
「はいは1回」
「うるせえ、やりますよはいはい」

ベッドの上にあったパキパキの食べかすをゴミ箱に集めて入れた。小さいサイズの掃除機を持ってきて、布団やマットについたホコリを吸っている。

「トロフィー…ある」

床にごろっとそのまま落ちていた中々デカい金色のトロフィー。縦に長いので刺さったら痛そう。

「これいらないの?」
「いらね」
「な、なんで?」
「それ昔のだから、多分中2とか。俺は今のが欲しいから」

亮くん強いんだもんね。逢花はトロフィーや賞状が並べられている棚に置いた。亮の小さい時の写真もあった。賞状を持っているが顔が死んでるのもあるし、3人でトロフィーを持って肩を組んでいるのもある。多分、お母さんかお父さんが思い出に浸りながら亮くんの小さい頃の話をしながら、作ったのだろうか。

「どうした?」
「ううん。亮くん小さい頃可愛かったんだなーって」
「逢花の小さい頃の写真見たい」

1枚だけ持ってる。小さい頃の写真がない逢花が1枚だけ家で見つけたもの。4歳くらい、横にいる陽也は2歳だろうか。2人で麦わら帽子を被って色違いのTシャツを着て短い手でピースしている。逢花は長くてやわらかそうな髪の毛ですましたように口角を上げている。陽也は元気よく戦隊モノのポーズをとっていた。

「可愛いな」

何となく亮には目のそこが笑ってない気がしたけど、単純に逢花が可愛いかった。

「そんなことないよ」
「この頃に会いたかったぜ」
「ロリコンだ」
「ちげーよ」

そしたら逢花を早く助けたのにな。俺は逢花のヒーローになりたがってんのかよ。自問自答したところで逢花はまた片付けを始めてしまった。亮も漫画をかき集めた。

「終わったね」

逢花は大きく伸びをした。なんせ1時間。最後は掃除機を持ってきてブオーンとかけて終わる。

「すげー」

本当に綺麗になってる…

「ありがとう」
「また戻りそうだけど」

逢花はカーペットの上に座った。暖房が近くあったかい。亮も隣に座りテレビをつけた。丁度少年漫画のアニメがやっている。逢花はスマホ片手にポッキーを食べている。しばらく無言の時間が続いた。でも亮も逢花も特には気にしていないのか、それなりに居心地は良さげである。

「腹減った」

まだ5時過ぎである。亮は何か食べるものを探してキッチンに向かった。

Re: Princess Teens ( No.74 )
日時: 2018/08/09 07:56
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

亮の母親が帰宅すると、知らないローファーが並べてあった。小さいサイズだから女の子かな?あ、咲季ちゃんかな?

「亮ー!!」
「やべぇ!母親だ!」

亮は慌てて部屋を飛び出して行った。逢花はドアを閉めた。

「咲季ちゃん来てるの?」
「ちげーよ、か」
「え?」
「彼女だよ」

母親は目を丸くしてフリーズしている、かと思えば亮の部屋へ一気に駆け上がった。逢花はドタバタとしている階段に恐怖を覚え、お菓子への手を止め携帯を投げ出した。

「お邪魔してます」
「あら…」
「神島逢花です」

立ち上がって母親に頭を下げた。亮は逢花の横に並んだ。

「3ヶ月ぐらい前から付き合ってて、部屋片付けてもらった」
「彼女呼ぶんだったら部屋ぐらい綺麗にしときなさいよ」
「わかってるわ」
「本当にごめんなさいね、気の利かない子で」

明らかに母親は舞い上がっている。

「逢花ちゃん、ご飯食べていかない?パパも7時過ぎには帰ってくるから」
「つか、今日家にいるんじゃなかったのかよ」
「かなこちゃんと遊んでたの!ごめんね」

かなこちゃんは慈郎の母親である。亮はうざいと言わんばかりにため息を吐いた。逢花は苦笑いが止まらない。

「じゃ、ママ夕飯の用意してくるからゆっくりしてってね」
「ありがとうございます…」

パタンと扉が閉まり階段を降りてリビングのドアが開く音がすると、逢花は脱力した。

「うるさいだろ、ごめんな」
「いや…小学校の先生って聞いたからすごい怖い人だと思ってたけど…ギャップにやられてついていけなかった」

愛想が悪いと思われていたら嫌だな。

Re: Princess Teens ( No.75 )
日時: 2018/08/09 10:25
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

「うちの亮がいつもお世話になってます、本当に私どももこんなことは初めてでして…まさか亮にこんなに可愛いらしい彼女さんがいるとは…」
「話なげーよ」

父親も大分パニックである。今日の夕飯は鍋、まさか鍋とは。

「いえ。私の方がいつも亮くんに助けてもらってて、感謝ばかりですよ」

母親と父親に笑いかける逢花は落ち着いていて、見たことのない横顔だった。

「逢花ちゃんはどこの高校なの?」
「柳台です」
「パパの後輩じゃないの!」
「いやぁ〜偶然ですね」
「光栄です」

俺の疎外感がやばい。

「どこの中学校なの?」
「不動峰です」
「え?不動峰だったの?」
「言ってなかったっけ」

初耳…。不動峰中学校はテニス部が強豪校として有名だが、今どきの中学校には珍しくかなり荒れている。いじめやDQNが横行しており、逢花もバレー部に所属していたが、かなりめんどくさいことが多かったようだ。

「不動峰ってあのすごい荒れてる学校よね?すごいわ〜そこから柳台に行くなんて」
「氷帝に比べたらボロボロの公立高校ですよ」
「絶対氷帝生より逢花の方が頭いいって」
「亮に勉強教えてやってください」

もうすぐテストだしね、逢花が俺に微笑む。不意に笑いかけられて、亮も素直に笑顔で頷いた。

「ごちそうさまでした」

逢花は手を合わせた。宍戸家には男子しかいないので、割と小さめの女子の食欲と食べる量に驚いている。亮はすかさず、逢花あんまり食わないんだよ。と言った。

「女の子っていいわ」

母親が感嘆の声を上げた。しばらくして、亮と父親も食べ終えて皿洗いをするべく逢花はキッチンにいた。

「洗います」
「ありがとう」

逢花は亮の母親から手渡された皿を手際よく拭いている。

「逢花ちゃんはお家でお手伝いとかするの?」
「家事は私の仕事なので、一応やります」
「やっぱり、手際いいのね」

逆にベタ褒めされると怖い。こんなお母さん欲しい。

「亮はね、今までテニスばっかりして男の子とばっかり遊んでたから、色々ダメダメかもしれないけどよろしくね」
「私の方こそ…亮くんに助けてもらってばっかりで」

たかが知らない人間のスマホケースを探すために川に飛び込んだこと。私の料理を美味しいと言って食べてくれること。助けるって言って一緒にいてくれること。私があまり自分のことを喋りたがらないのを知ってるのかくだらない話ばっかりしてくること。ご両親まで、私に優しくしてくれる。私はもしかしたら、幸せなのかもしれない。

ありがとう、大好きだよ。亮くん。


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