二次創作小説(紙ほか)
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- Princess Teens
- 日時: 2018/06/10 22:27
- 名前: まるき (ID: Mm9jHYga)
輝く10代になれる
- Re: Princess Teens ( No.66 )
- 日時: 2018/08/05 21:14
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
陽也は友達と過ごしてて家にいない。私はバイトがあるからと由奈からの誘いを断り一人。家の鍵を開けて、電気をつける。一旦テーブルに荷物を置いてカーテンを締め、暖房とこたつをつけた。逢花の手が止まる。机の上に封筒がある。白い便箋、逢花はそれを開き中から手紙を取り出した。
メリークリスマス
少しだけど、2人で使ってね
誰の字か分からないけど、なんとなく。母親だと思う。中には3000円が1000円札で3枚。3000円だけを机に置いて、手紙と封筒は丸めてゴミ箱に投げ入れた。今まで私の財布から抜き出した金は一体いくらになるだろうか。ダメだ、せっかく忘れてたのに。
- Re: Princess Teens ( No.67 )
- 日時: 2018/08/05 21:30
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
結局オールした。咲季は途中で帰ったから男子4人で深夜テンションでやらかした。何したか覚えてないけど叫んでたら、隣の家の窓が物凄い勢いで開閉したから多分めっちゃ近所迷惑だったはず。
「じゃあな」
薄々深夜テンションから賢者モードになりつつ、朝の10時に向日母が帰ってきたので退散した。慈郎は俺に膝カックンかましてきたり、自作のラップをしたりちょっとおかしい。俺も若干今だったらなんでもできそうだもん。
「あ、」
亮は自宅のドアに手をかけて、自分の方に引いたがドアが開かない。すぐ庭に移動してリビングの窓から見える父親の姿。とりあえずインターホンを押した。
「父さん、開けてくんね」
「馬鹿野郎!何時だと思ってんだ!」
インターホンから怒号が飛んだ。
「岳人んとこいたんだよ。母親から聞いてねーのかよ」
「知らん!調子に乗るな」
「おい、開けろや」
父親に一方的に音声を切られ、亮は舌打ちをしてドアを思いっきり蹴った。ドアは開かない。仕方なく家の前の階段を降りて、ふらつくことにした。
- Re: Princess Teens ( No.68 )
- 日時: 2018/08/05 22:11
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
ちょっと冷静になった亮は、高架下から続く川沿いの斜面に腰を降ろした。
「なんだよ…」
風呂入ってないし、財布家にあるからないし、別に部活の奴らだって親父知らないわけじゃないからいいだろ。普段何も言わねークセに都合のいい時だけ怒ってくんなよ。腹減った…
「亮くん」
見上げると逢花がいた。
「お前、髪の毛」
逢花は長かった髪をボブヘアにしていた。
「美容室の予約9時からしか取れなかったから、今帰るとこ」
やっぱりボブ〜ショートは最高。いや、逢花だからかわかんないけど。
「似合ってる…ぜ」
「お世辞はいいよ」
「いや!マジで!」
首を傾げながら含羞む。逢花だと…?予想外の展開。
「朝からこんなところいるんだね」
「ちょっと帰るの遅くなったくらいでウザイんだよ」
小石を川に投げ入れる。亮くんが親と喧嘩したのがわかった、締め出されてるっぽい。
「なぁ、逢花これから暇?」
「うん」
「風呂貸して」
「…いいけど、なんで?」
「昨日風呂入ってないから…やっぱなんでもねー」
俺はすげー気持ち悪いこと言った。
「亮くん臭い」
「は?」
亮は咄嗟に自分の臭いを嗅いだ。
「マジだ…くせぇ!」
「嘘だよ」
逢花はいたずらに笑った。
- Re: Princess Teens ( No.69 )
- 日時: 2018/08/05 23:47
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
「着替え、弟のだけど」
「ありがとう」
亮はMA_1だけ脱いで、逢花から着替えとタオルをもらい洗面台に入った。逢花はこたつに入ってテレビをつけた。シャワーのノズルがキュっと鳴った音がして、シャワーが流れているようだ。床にMA_1が落ちているのが見えて、逢花はハンガーにかけた。なんだろう、亮くん汗っかきなイメージあるんだけど全然甘い匂いっていうか、柔軟剤かな?何使ってるんだろう。
「逢花〜…」
「あ、え、ごめん」
上裸でタオルを首にかけた亮が洗面台のドアを開けて出てきた。自分のMA_1を抱えて臭いをかぐ逢花を見て、驚いてるというかじっと見ている。
「本当に違うってば」
逢花はMA_1をハンガーにかけた。
「中々やるな」
「いい匂いするね」
「だろ?」
パーカーを被り、タオルを頭にかける。逢花はココアを作ってくれた。
「髪の毛乾かさなくていいの?」
「俺、自然乾燥」
亮は逢花の隣でコタツに入った。2人何気なく並んで座る。こうしていると、不思議と亮は緊張しない。
「朝まで騒いでてなんかおかしいわ」
「休んだら?」
「風呂まで貸してもらったから大丈夫だわ」
休んでる時間が勿体無い。でも、逢花は一体どんな風に思ってるんだ。女々しい考えがキモいと思いつつも、やはり異性にどう見られるかはただの異性間の問題でも大事だ。頭の中で超単調な言い訳を考えた。
「そっか」
ココアを口にした。亮くんは疲れてるのかいつもより元気というか、なよなよしてる。どうしたんだか分からないけど。無理矢理家に呼んだのが悪かったか。不意に逢花が亮に視線を向けると、亮も逢花と目が合う。すぐ逸らして、こたつで暑くなったのか照れくさいのかわからないぐらい曖昧なものだった。
「今の顔、やばいって」
「え?」
「可愛いよ」
亮の一言にぱっと顔を上げた。隣にいるのに距離が掴めない。亮が一旦ため息を吐く。
「逢花、好きだ」
「…うん」
「俺と、つ、付き合ってください」
うまく言葉が出てこない。口の中がカラカラで、こんなしどろもどろで。
「私で…いいなら」
一瞬の沈黙があって、逢花が亮に軽く触れるだけのキスをしたのも一瞬だった。亮には長く感じてしまって。逢花が顔を離したのもはっきりと見えた。亮は逢花の小さい体を抱きしめた。
「苦しいよ」
「うるせえ」
またいつもの亮くんに戻った。
- Re: Princess Teens ( No.70 )
- 日時: 2018/08/07 20:41
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
亮くんが隣で寝ている。抱きついたあと、なんか動かないなと思ったら私の首元から肩にかけて顔を埋めて寝ていた。ちょっと空回りで残念なところが亮くんらしい。逢花は亮の肩を揺らして、無理矢理でも薄目を開けさせた。寝ていいよ、とベッドに腰掛けたと思ったら亮は早々に布団に潜った。
「こっち来いよ…」
亮は意識があるように呟いた。逢花は布団を捲り、2人は1つのベッドで寝る。私でいいのだろうか、亮くんまで不幸になったり巻き込んだりしたくない。怖い。誰かといることが当たり前になって、いつかその人が自分から去る時悲しみにくれるのが。人に執着したり依存したり…無意識に他はするみたいだけど私には出来ない。亮は逢花の方に寝返りをうって、逢花の体を腕で覆った。どこにも行けない、動けない。逢花は寝る体勢に若干困った。でも、これくらい掴まれてないとダメかもしれない。
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