二次創作小説(紙ほか)

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Princess Teens
日時: 2018/06/10 22:27
名前: まるき (ID: Mm9jHYga)

輝く10代になれる

Re: Princess Teens ( No.86 )
日時: 2018/08/18 21:33
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

1晩だけど泊まりのちょっとした荷物を取りに帰って、また歩いて亮の家に着いた。亮の家は歩いて30分〜40分くらい。引っ越して新しいアパートになってからは遠くなった。その間に、学校であったこととかテストの話なんかして、途中で亮がつまずいたり逢花が変なくしゃみをしたりした。

「おらよ、誰もいねーんだ」
「お邪魔します」

リビングに入って亮が電気を付けた。まだ寒い季節。床暖房とヒーターもつけた。亮はコタツも付けて、中に足を入れた。逢花も隣に座って足を入れると何かがあたった。

「ばかー、こんなとこにいたのかよ」

コタツからクリーム色の毛のミニチュアダックスが出てきた。

「犬飼ってたの?」
「おう、ミントってんだぜ」

メスで人間でいうと40代ぐらい。亮は膝に乗せてテレビを見ているが、ミントちゃんは逢花に興味津々である。逢花もミントちゃん可愛い可愛いしたいが、ちょっと怖い。

「可愛い…」
「抱いてみるか?」

ぎこちない逢花の抱きしめ方にミントちゃんは逢花の腕の中でそわそわしている。下手したらつるんっと逃げ出してしまいそうだ。犬を人生で初めて膝に乗せた。しかし、すぐ隣にいる亮のとなりに逃げてしまった。亮はお構い無しと言わんばかりに、携帯ゲームを始めている。

Re: Princess Teens ( No.87 )
日時: 2018/08/25 21:37
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

亮が気がついた時には逢花はこたつから頭だけ出した状態で眠りについていたし、亮もいつの間にか寝落ちしていた。ずっとこたつに入って寝ていたせいで、体が暑くて、胃が焼けたようにムカムカする。亮はそんな感覚に襲われて起きた。水を飲もうとああ、こたつを出て冷蔵庫から飲み物を探していた。

「わっ…」

寝ぼけていてペットボトルから手が離れた。床にはペットボトルから溢れる水音と共に、床がどんどん濡れてきた。うわ、最悪。亮はキッチンの棚に並べてある籠から布巾を取り出して、床を拭き始めた。ペットボトルが落ちた音やがさがさと棚をあさる音で逢花はゆっくりと目を開いた。

「あ、起こしちまった」

逢花はリビングの方まで行くと、亮が床を拭いているのが見えた。

「ううん」

寝汗をかいていたので、起き上がると逆に涼しいくらいである。ぺたぺたとフローリングを歩く逢花は、伸びをしてソファーに座った。亮はとりあえず水気はなくなったぐらいで、布巾を絞って残りのペットボトルの水を一飲みした。

「おはよ」
「おはよう」

亮が掛け時計を見上げる。午前4時前。

「寝汗かいた、お腹空いた」
「なんか食うか?」

外はまだ暗いのだが、微かに藍色の空が明るくなってきている。冷蔵庫やら食用庫から食べ物を探すがスナック菓子やインスタント食品しか出てこない。宍戸夫妻は3日間家を留守にしているので、食材は殆ど残ってない。

「やべえ、なんもねーよ」
「じゃあ大丈夫だよ」
「買いに行く?」

近くにコンビニがある。

「うん」
「ひでー顔」

寝起きで顔が浮腫んでいるし、髪もボサボサ、体もベタつく。逢花はちょっとムスッとして、クッションを投げつけた。

「風呂入るか」
「いいの?」
「俺は…全然いける」


逢花はまた亮にクッションを投げつけた。頭にヒットした。

「あぁ〜」

亮は浴槽に入って、朝方から近所迷惑に下手くそな歌をうたっている。逢花は膝を抱えて、亮と向かい合わせになって俯いている。一緒にお風呂入るって聞いてない。

「なんとかかんとか〜ふふぅ〜ん」

邦ロックである。亮は足を伸ばして入っているので、逢花は亮の体に触れないように最大限体を小さく丸くしている。

「なんで、亮くんは余裕そうなの」

珍しく逢花が拗ねてきた。いや、俺だって何も感じてないわけじゃないし、恥ずかしさが相まってうるさく歌なんかうたっているだけ。

「こっちこいよ」
「やだ!」
「えぇ」

耳を赤くして、鼻から下を水面に沈めてしまった。私は着痩せする人間、お腹にも足にも二の腕にもお肉が付いている。由奈は「それぐらいがいいんだよ」と言っていたが、別に誰に見せるわけじゃないと思って生きてきた。ちらっと亮くんを見ると、不自然に目を逸らされてしまった。やっぱり亮くんも余裕ないんじゃん。

「こっちこいって」

逢花は亮に二の腕を持ち上げられ、体が浮き上がった。逢花は反転して逃げようとするが、浴槽に座らされた。湯船に浸かったまま亮が後ろから逢花の肩を抱きしめてきた。

「嫌そうだな」
「そんなんじゃないけど…なんか、私たちには早い気がする」

付き合ってどれくらいとかあんまり考えたことないし、亮も気にしないので曖昧なまま過ごして来たが、考えてみるとクリスマスを過ぎたころからで、約3ヶ月である。今はまだ、まだまだ寒い2月に入った頃。

「俺わかんねぇ、今まで彼女とか好きな人いたことないから」
「そうなんだ…」

逢花の頷き方が若干気まずそうだった。

「お前は?」
「1人だけ」
「男?」

亮くんはたまにぼけているのかただ気になるのかわからない時がある。多分、ポンコツだから。当たり前でしょ、逢花は答えた。

「どんな奴?」
「うーん…普通にいい人だったよ」
「どれくらい一緒にいたんだ」
「半年くらい」

長いのか?よく分からん。

「テニスやってた、転校生だったの」

そっかそっか。亮は何故か黙り込んでしまい、逢花もそれを察知してか無言で、風呂にはちゃぷちゃぷという音とエアコンで湿った温風が鳴っているだけだった。

「ねぇっ、なにっ?」

逢花の腹の肉をつまんだ。亮はまた何事も無かったかのように、逢花のうなじにキスをした。逢花の体型が男子にとってはベストであることは、逢花本人は知らないようだ。

Re: Princess Teens ( No.88 )
日時: 2018/08/26 10:40
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

亮と朝まで過ごしていたのも束の間、登校時間が迫ってきたので逢花と亮はそれぞれ学校についた。

「逢花おはよう」
「おはよ」

それぞれ教室にいる友人と挨拶を交わす。何気ない日常に過ぎないけど、亮と遊んだことを思い出す。

Re: Princess Teens ( No.89 )
日時: 2018/08/26 21:51
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

学校に早く着いた。逢花を柳台高まで送ってチャリを30分漕いでたら着いた。

「亮、今日早いな」
「まぁな」

岳人と駐輪場でたまたま会った。

「なぁ、聞いた?跡部と咲季付き合ってんだって」
「へぇー」

知らなかった。まぁ知っててもどうってことないし、俺は確か咲季から告白された記憶があるのであまり色々首を突っ込むのも面倒だ。

Re: Princess Teens ( No.90 )
日時: 2018/09/02 03:11
名前: まるき (ID: RO./bkAh)

地元のスポーツ雑誌に「今年期待、高校硬式テニス選手たち」という見出しがあって、そこには大々的ではないが亮くんがいた。1ページに4人くらい載ってて、亮くんは険しく歯を食いしばってラケットを握っている姿だった。スタミナとフットワークが売りと書いてあるし、雑誌の期待値は星が4つ付いている。しかも好きな食べ物とか好きな女の子のタイプとか、チームメイトからのコメントなんかも書いてある。

好きな食べ物:オムライスとチョコミント
趣味:愛犬と筋トレ
好きな女の子のタイプ:寝起きの顔がブサイクでバイトに勤しんでる料理が上手な人
自分のプレーについて:フットワークやスタミナに頼り切るだけでなく、パワーをつけたい。高一の怪我の後からストロークの仕方を変えたが、その方が緩急をつけられるプレーになったのでもっと磨いていきたい。

「宍戸くんのタイプって完全に逢花のことじゃん。可愛いすぎるね」
「無難にした方がいいって言ったのに」

由奈がこの雑誌を見つけて学校に持ってきてくれた。由奈と逢花は雑誌を捲りながら昼飯を食べている。

「宍戸くんと会えた?」
「ここ1ヶ月会ってない」

進級祝いだなんちゃらと言って4月に入った今月に、亮は逢花を誘ったのだが亮自身に部活や遠征、大会が重なり中々会えていない。そういえば、春休み殆ど遊んでないかも。仕方ないし、別にわがままを言う気にはならないので逢花からは特に誘うこともなかった。

「寂しくないのー?」
「いや…普通?」

今年も2人は同じクラスである。


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