二次創作小説(紙ほか)
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- ハニカム
- 日時: 2020/12/25 00:43
- 名前: ぺ (ID: M.fbnnZK)
かわいいかわいい女の子
- Re: ハニカム ( No.5 )
- 日時: 2021/02/17 02:31
- 名前: ぺ (ID: W5lCT/7j)
徒歩15分の警察署に行き、女性警官が一通り話を聞いて、携帯電話を預けた。最後、警察から渡された書類に生年月日と名前を書いた。
「一つ下なのか。」
「じゃあ2年生なの?」
「あぁ。特進1クラスにいる。」
「頭いいんだ。私は、普通科の1クラス。」
蓮二も名前と身分証を確認され、フルネームを書いた。
「葉山仁奈か、覚えた。」
「柳蓮二、蓮二くん。蓮二?蓮二せんぱい?」
「好きなように呼べばいい。」
女性警官になだめられてから、少し落ち着いたのか表情はいくらかもとに戻ったようだ。仁奈は泣いたあとで少し目が腫れていて、蓮二は深くにもかわいいというか赤子のような愛おしさを感じてしまった。また婦人警官が二人の元に戻ってきて、
「学校に報告しましたんで。葉山さんの担任のお話したら今日は休んでいいって言ってたけど、どうします?」
「ちょっと学校に行きづらいかも、休みます。」
「彼氏さんどうされます?そばにいてあげたら?」
「…あ、あぁ…一日付き添います。」
「…え、彼氏じゃなくて」
「じゃあ学校に連絡しておきますね。葉山さん、証拠はちゃんと預かるから犯人のところにもデータは残らないから。安心してね。」
「…はい、ありがとうございます」
二人は警察署を出た。カップル扱いされて気まずそうな仁奈と反対で、蓮二の顔色は特に変わっていなかった。
「ありがとう。蓮二いたからちょっとは辛くなかったよ。」
思い切り名前を呼び捨てにされて、また少々いいようのない腹立たしさを感じているが目を瞑ることにした。
「家は近いのか?」
「ううん、東京から通ってるからまた電車で帰らなきゃ。」
「そうか。」
蓮二は駅の方に歩き始めた。ぱたぱたとペンギンのようについていく仁奈は無理やり蓮二と歩幅を合わせた。
「蓮二はお家どこなの?」
「●●が最寄りだが、小5までは俺も都内に住んでいた。」
「そうなんだ。ねぇ、氷帝学園ってわかる?」
蓮二の足が止まった。
「もちろん知っているが…何故?」
「私、中学までそこに通ってたの。でも高校は外部進学にしたんだ。」
「練習試合で行ったことがあるくらいだが、部員はよく知っている。」
「そうなんだ。何部なの?」
蓮二がテニス部と話すと、仁奈は目を輝かせた。
「跡部景吾って知ってる?」
「勿論。変わり者だがシングルスの腕は確かで、今度うちの部長に勝てる確率は6割を超えている。」
「景吾は頭もいいからなぁ。モテるし。」
「親しいのか?」
「うん。私、テニス部と仲良いよ。なんかみんな優しいから、ついついウザ絡みしちゃって。」
それはきっと仁奈の容姿が淡麗だからだろう。男子高校生はそのようなものである。蓮二はすぐにそうだとわかったが、口にはしないようにした。
「忍足侑士ってわかる?」
「あの、眼鏡の長髪の男か。」
「そうそう。中等部の転入生なんだけどね、同じマンションに住んでて父親同士が仲良いから、ちっちゃい頃から遊んでたんだぁ。あ、弱点もわかるよ。」
「参考にならなさそうだが、一応耳に入れておくか。」
「女の子!かわいい女の子に弱いの。」
そのようなことだとは思っていたが…なんだか葉山仁奈はそうとう明快な人物である。底抜けに明るいし、よく笑う。
- Re: ハニカム ( No.6 )
- 日時: 2021/02/17 15:06
- 名前: ぺ (ID: 9nuUP99I)
二人は電車に乗った。途中まで蓮二も同じ電車に乗るのだ。彼は4駅乗ったあと、乗り換えて2駅。そこから15分歩いて自宅なのだ。
「今朝のことがあったが、電車は怖くないのか?」
「大丈夫。だって、蓮二いるし」
「俺はすぐ降りるぞ。ここから28分で家に着くからな。」
え?一緒にいてくれるんじゃないの?と言わんばかりに、仁奈は困ったような悲しそうな顔をした。
「今日は暇ができたから、選手権のデータ分析に時間を使うんだ。すまない。」
「そんなぁ。でも部活のことだったら仕方ないよね…わかった。」
確かに、仁奈を一人にするのは少し気が引けた。これから長時間電車に乗って、乗り換えの度にまたホームから移動しなければならないのだ。それが怖いというのは無理ないし、必然的である。
「葉山は、ここからどれくらいで家に着くんだ?」
「えっとねぇ…まず12駅乗って〇〇で乗り換えて✕✕まで乗って、そのあと2駅また地下鉄で■■で降りて、徒歩5分でおうち。」
「よく通っているな。」
「でしょ!?朝はね、自分で起きて、一人でお手伝いさんの作り置き食べてる。」
仁奈の最寄り駅はよく聞く高級住宅街の名前だった。仁奈の両親はどちらとも医者である。母親が婦人科医で父親が外科医。父親はアメリカに単身赴任していたこともある。よく家には祖父母が来ていて、幼少期はほぼ祖父母との思い出しかない。蓮二の家は3世代で住んでいて、父親は公認会計士で母親は弁護士である。だいぶ二人とも裕福な家庭に生まれているが、仁奈はおちゃめで子どものような佇まいで、一方蓮二はもう年を召したサラリーマンのような風格がある。
- Re: ハニカム ( No.7 )
- 日時: 2021/02/20 01:33
- 名前: ぺ (ID: O62Gt2t7)
「葉山さんは、恋愛の話とか事務所的にオッケーなんですか?」
「あ、はい!特には言われてなくて…たぶんギリギリオッケー?」
司会者の芸人と周りのタレントたちが囃したてる中に、仁奈は笑いながら困ったような顔で座っている。
「えー!じゃあ聞いちゃいますか?!」
「知りたーい」
「どんな感じだったん?」
仁奈はふぅと息を吐いて、少し緊張するのを隠すように笑ってみせた。
「高校のときはずっと同じ人と付き合ってましたよ。」
きゃー!ピュアーすぎる!とかなんとか画面から声が湧き出てきた。
「葉山仁奈と蓮二って高校一緒なんだっけ?」
夕飯時にテレビに写っているので、そう聞かれても仕方ない。そうだ、と一言だけ返してご飯を食べすすめていた。
「やっぱモテた?」
「まぁ話題には聞いたことあるが。」
「蓮二と葉山仁奈が出会ってたらさ、蓮二もあの子のこと好きになってたよね絶対。」
「それはわからない。」
遮るようにテレビからは
「…すごくすてきな恋愛だったなって、今でも思います。思い出じゃなくて、記憶として良いものですよ。」
「ふぁー!元カレ泣いてるんちゃいます?」
泣かない。枯れるほど泣いたから、もう大丈夫だ。そう心に言い聞かせていた。やっと平静を保てるようになったから。
- Re: ハニカム ( No.8 )
- 日時: 2021/02/22 00:20
- 名前: ぺ (ID: N9DlcNaW)
電車で眠っている仁奈を起こすまいと、ずっと肩を貸していたら仁奈の最寄り駅まで来てしまった。時間はあっと言う間で、蓮二も心なしか眠気がしてきた。もちろん今まで、女子とは手を繋いだり、ハグをしたことはある。だけど2時間半も隣で異性とくっついていたことはないのだ。当時は蓮二も高校生だったので、仁奈のシャンプーか柔軟剤か柔らかくて少し花のような甘い香りに少し赤らんでしまっていた。
「…起きろ。」
「うー…おはよ…」
蓮二が仁奈の体に触れないように、自分の肩を軽く揺すった。寝ぼけたまま、仁奈は立ち上がって電車を降りた。二人はホームに降り立っている。
「あれ?蓮二もいる…」
「お前、それはないだろう。」
仁奈が目を覚ましたので、目の前に蓮二がいることに少し驚いている。心配だったから、眠っている仁奈を起こせなかったから。とわざわざ言うのもかっこ悪いなと思って特に何も言わなかった。
「ありがとう、私のこと気にかけてくれたんだね。」
「…気にかけているというのは、語弊があるな。警察から一日一緒にいるようにと言われたから、送っただけだ。」
わかってるよ。と仁奈はそれだけ言って、
「ねぇ、お礼に何かしたいんだけど。例えばご飯奢るとか。」
「そうだな。それくらいはしてもらうのが妥当だろう。」
珍しく他人からの誘いに乗ってしまった蓮二は仁奈の行きつけのレストランに行くことになった。仁奈は蓮二の少し前を歩いている。5月下旬の東京はもう暑くて、日差しが強い。大通りに出てから、また5分ほど歩くとおしゃれなカフェや雑貨屋が立ち並ぶ並木道に入った。
「ここね、冬は木がライトアップするんだ。すっごいキレイだよ。」
ここ!とお店に入った。蓮二もあとに続くとケーキが並んでいる。
「ご飯おごるのはまた今度。いまおやつの時間だから、ケーキ食べよう。」
蓮二の有無も聞かずケースに目をくらませて、新作のレアチーズケーキとプリンタルト、オレンジジュースを選んだ。
「抹茶ムースとアプリコットのショートケーキで。あと、コーヒーを一つ。」
仁奈がそそくさと財布を取り出している間に、蓮二はデビットカードで支払いを済ませてしまった。
「ちょっと!私が今日は奢るって言ったのに。」
「奢られるのは好きじゃない。何か借りを強要されたような気になる。」
「そんなこと気にしなくてもいいのにぃ。」
仁奈が少し不貞腐れている間にケーキとドリンクがそれぞれトレーに乗せられた。二人で向かい合って座席に座った。
「蓮二は和風が好みなの?あんずと抹茶だよね?それ」
「あぁ、洋菓子はしつこいから苦手なんだ。」
「じゃあケーキだめだった?!」
仁奈が途端に落ち込んだようにうつむいてしまったので、蓮二はいや、そのようなことはない。と言った。
「美味しーい?」
抹茶は珍しく苦いと感じるくらいだった。好みの味だったから一言、美味いとだけ呟いてコーヒーを口にした。仁奈はぱくぱくと食べすすめている。
「制服で来るところじゃなかったね。おしゃれな格好で来ればよかった。」
そうだな、と返すと仁奈にはお互い私服で会うことが必要だと捉えられるかもしれない。それは、またこの日が終わっても会おうということになるかもしれない。
「制服でも気にならないだろう。葉山は、身なりについてはうるさいのか?」
「うーん、あんまり気にしないなぁ。おしゃれは好きだけど、毎回出かけるたびに気合い入れるわけじゃないよ。」
仁奈はあまり気にしていないようだった。なんだか蓮二ばかりが考えさせられているように思えて、彼は少し調子が出ないと思った。
「蓮二は、おしゃれするの?」
「人並みだな。姉にショッピングセンターに連れ回されて、マネキンのようになることもあるが。」
「へぇー、楽しそう。蓮二ってスタイルいいから何着ても似合いそうだなぁ。」
そう言って仁奈はバッグから、雑誌を取り出した。女子高生が好むファッション雑誌だった。
「学校にそんなもの持ってくるな。」
「固いなぁ蓮二は。いいからこれ見てよ。」
雑誌のページをパラパラとめくると、男子高校生のファッションが載っているページが開いた。
「なんか、こういうのが流行ってるんだって。」
当時はハーフパンツや半袖のパーカーなどがよく載っていた。みんな髪の毛もパーマのように整えている。蓮二は対象的にストレートの髪質をそのままに伸ばしているので、前髪は下ろしたままだった。
「でもさぁ、蓮二はもっと大人っぽいほうが似合うよね。ポロシャツとか革靴とか。」
姉にも同じようなことを言われた。
「葉山はどういう服の系統を好むんだ?」
「海外ドラマ好きだから、それ見ておしゃれしてる!」
ハイウエストのチュニックとか裾が広がってるジーンズとか、シンプルなものを好んでいる。サングラスもかけるし、ミニバッグも引っ提げて歩くと言った。イメージとしてチームメイトの丸井ブン太が好むような、フリルやリボンをあしらったデザインのものを着ると思っていた。次から次へと仁奈といると、彼女自身について考えさせられる。蓮二はわざと仁奈の話に興味がないようにしていた。なんだか、彼女のことを知るのが怖いのだ。
- Re: ハニカム ( No.9 )
- 日時: 2021/02/23 14:28
- 名前: ぺ (ID: 4VUepeYc)
仁奈とは、すぐに解散しようと思った。実際にケーキ屋を出たら駅に直行したし、朝練のときの通学通りに、読書をした。葉山は一体何を考えているのだろう。初めて会った男の肩にもたれたり、ティータイムに連れ出したり。恋愛において自他共に認める古風な思考の持ち主なので、彼は少々戸惑っていた。彼が愛する純文学にはそのような女性は出てこない。蓮二はため息をついて、自分の頭を読書にフル稼働させようとした。
「ただいまぁ。」
からっぽの家に返事はないのは当然である。マンションだというのに螺旋階段があり、その上には夫婦と仁奈の寝室がある。誰もいないリビングの広いソファーに寝転んだ。昨日、家政婦が来てご飯を作り置きしてくれたらしいのでお腹が空いたらそれを食べることにした。娘が変質者に合ったというのに、一向に親からの着信はない。そもそも警察と学校からの電話に出たのだろうか。ぼんやりそのようなことを考えていたら、メールが来た。
おはよーさん
今日母さんが仁奈のこと夕飯誘ってんねんけど、一緒に食べる?
忍足侑士からだった。仁奈の両親と、侑士の父親は大学、大学院の同級生である。同じ病院で研修医として働いていたので、侑士が氷帝学園に転入してくる前からの仲良しである。小さいときに偉い人のパーティーに連れて行かれたときはつまらなくて二人で遊んでいたし、今でもお互いの家に行き来している。専業主婦の侑士の母親は、いつも家に一人の仁奈のことを心配して一緒にご飯を食べよう誘ってくれる。
おっけー
部活終わったら行くね
可愛い絵文字と共に返信すると、すぐに返事が返ってきた。
授業中とちゃうんか?
授業集中せなあかんでー
怒りのマークが添えられた来たが、仁奈は早退したことを伝えた。てか、ゆーしもなんで学校なのに携帯いじってるのよ。
体調でも悪いんか?
うん
ちょっと頭痛くなったの
女の子の頭痛はあかん
俺も帰る
ありがとうー
だけどちゃんと学校で一日過ごして下さーい
(笑)
侑士から返事は来なかった。
「あかんわ跡部ぇ、俺頭痛いねんけど。」
「…貴様、何が言いたい。」
「仁奈が頭痛いらしいねん。看病してって言われたわーほんまに困るわぁ。」
後ろの席でコソコソと二人はやり合っていた。侑士はダルそうなところがあるのに、どこかひょうきんなところがある。真面目そうな端正な顔立ちなのに、そのギャップにやられる女子が多い。跡部景吾のファンがたまに彼に流れていることがある。仁奈が部屋着に着替えてしばらく寝転んでいると、インターホンが鳴った。出ると侑士がいたのだ。仁奈はびっくりしたが、
「え、ほんとに帰ってきたの?」
「あかんかった?」
「だめとかじゃなくてさ、学校、いいの?」
「いいから開けてやー。」
仁奈はとりあえず入り口を解除すると、慌てて上着のパーカーを着た。
「お見舞いに買ってきたで。チーズケーキ。」
侑士がダイニングテーブルに置いたものは、蓮二と今日食べたお店の箱だった。侑士はいつものようにソファーに座った。
「ありがと。もう少し良くなったら食べるね。」
「帰りに病院寄っておとんから薬もろて、あ、入ってる胃薬も一緒に飲まなあかんで。胃荒れんねん。」
ビニール袋を渡された。中には錠剤が入っている。
「侑士はほんとにお母さんみたいだよねー。こないだは宿題代わりにやってくれたし、前は叔父さんの結婚式のためにドレス買い付けに行ってくれたし。」
「俺のことオカンて言うの、仁奈くらいやで。」
「ほんまにー?」
仁奈はたまにからかったように侑士の関西弁を真似てくる。それが、彼にとっては悩ましいものであった。
「いいお嫁さんになるよ。」
仁奈は冷蔵庫からワインを取り出した。スパークリングで全く苦味のないものしか二人は飲めないのだ。二人がワイン飲むようになったきっかけは、中学生の時に侑士が父親に連れられて行った食事会で、彼が成年と間違われてフルボディを飲まされたことから始まる。未だにその話で二人は笑うことがある。
「仁奈、酔わへんよなぁ。可愛げないわ。」
「侑士はもっと精進しないとだねー。」
仁奈がテレビをつけるとお昼の娯楽番組がやっていた。このようなバライティ番組は学生は中々目にする機会はない。
「こんなん見るのもうガキ以来ちゃん。部活やっとったら朝からもうずっと出ずっぱりや。」
侑士はネクタイを外して、机に置いた。
「はぁー、今日から朝練やからほんまに眠すぎる。寝てええ?」
「いいよ。あ、ゲストルーム使いなよ。ソファーじゃ何だし。ベッド行こうよ。」
はぁ、こいつほんまに天然かましとるんか。侑士はため息をつきながら、階段を上って仁奈にゲストルームに案内された。
「じゃあ、起きたら降りといでね。」
「なんでや。一緒に寝ようや。」
ベッドに上がった侑士は仁奈を昼寝に誘った。
「もう幼稚園児じゃあるまいし。侑士もかわいいところあるじゃん。」
「なんやて。」
侑士は起き上がって仁奈の首をふざけて腕で締めるようにした。もちろん力を入れてはいないのだが、仁奈はそれが面白く、ふざけて抵抗した。
「もー、侑士じゃなかったらほんとにキレるからね。」
仁奈は安安と侑士の腕をすり抜けて出ていってしまった。侑士は仕方なくベッドに入り、目を閉じた。こんなに虚しい二人の時間があるのだろうか。階段を降りた仁奈はテレビを見ながらソファーで横になっていた。あ、蓮二にお礼言わなきゃ。と思って携帯を開いたが、蓮二の電話番号を知らないことに気がついた。友人の範囲で、彼の電話番号を知る人は…赤也しかいない。でもいきなり聞いたら絶対質問攻めにあう。赤也は小学生のような無邪気さと言動にかわいさがある。真理はよく彼に赤ちゃん語で接している。本当にあの二人は面白い。たまに三人でファミレスで時間を潰すこともある。
仁奈ぁーー!大丈夫かぁー
そんな二人のことを考えていたら学校にいる真理から、メールが来た。
「葉山、今日は美味しいご飯を食べて、お風呂に入って、ちゃんと寝ろよ!!」
何故か赤也が仁奈を激励する動画まで添付されていて、仁奈は声を出して笑ってしまった。
ばり寝てるから大丈夫!赤也なんなん(笑)
と返信して、二人はしばらくやり取りをしていた。仁奈もそのうち眠くなってきて、眠ってしまった。
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