複雑・ファジー小説
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- 天地海戦 『自由参加型』
- 日時: 2012/08/01 23:21
- 名前: 結縁 ◆J6BQu6v9vI (ID: UNmuBzLD)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6481
お立ち寄り有難うございます。
この小説は自由参加型となっていますが、参加なさる前に幾つかのルールがあります。
そちらを見て頂いたうえで参加頂ければ嬉しい限りです。
※ルール※
1.参照にある投稿所にて自分のキャラを作成し世界観などを把握の上で参加すること。
2.時間軸は可能な限り合わせること。
3.恋愛要素やグロ表現などはやり過ぎないよう注意すること。
上記のルールを守って楽しく書いていきましょう!
*参加者の皆様*
結縁『空戦魔導師』
磁石『空戦魔導師』
浅葱『陸戦魔導師』
三月兎『海戦魔導師』
グレイ『海戦魔導師』
漆黒『陸戦魔導師』
焔錠『空戦魔導師』
篠崎葉月『海戦魔導師』
.+*鏡音×二宮×菫*+.『空戦魔導師』
maomao『空戦魔導師』
美璃夜『海戦魔導師』
magenta⇔path『陸戦魔導師』
璃亜(元:斑鳩) 『海戦魔導師』
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.89 )
- 日時: 2012/08/11 14:08
- 名前: 漆黒 ◆kuB5mqYaRs (ID: lVgLIAaO)
- 参照: 1人でまた戦闘を始めるっていうね!^q^
とても痛々しい発言をする男性が、大自然の中で突っ立っている。
漆は、それを『見なかった』ことにし、すぐさま視線を逸らす。
「……もしかしたら、学校の方に居るのかもしれない」
「今行くぞ、我が妹よ————ッ!!」叫びながら魔法陣を展開する男。淡い紫色の光は足元から体全体を包む。
結局、彼は光ごと消えた。つまり、もうこの場には居ないのだ。
尻目でそれを確認すると、視線を元に戻す。と、同時に、止まっていた足も動き始めた。
『……良かったな、関わらなくて』
「今日は厄日だと思ってたけど、そうでもなさそうかも」
随分と素っ気ない会話をする漆と朔月。今日一日で何回しただろうか。
澄んだ空気は、吸うと気持ちが良い。絶好の環境の下で、漆は何かを思い出したかのように、朔月に話題を持ちかける。
「そーいえば、最近デバイスのバージョンアップとやらが流行っているらしいよ」
『ああ……今回の襲撃の事もあって、注目浴びてんだとか何とか。どういう仕組みかは知らねぇけどな』
「それが出来る条件って何だったっけ?」
『"高い同調率を常時維持する”。コレが条件だ。主人もデバイスも気付いていない時もあるけどな』
「それが俺達って訳? まあ、保っていた感覚は無かったからねぇ。流石に何の前触れも無くバージョンアップした時は驚いたけど」
『アレは俺も驚いた。俺達の場合は、外見は変わらないタイプみてぇだが』
「急に性能良くなるからビックリしたよ。切れ味が良くなったりとか、魔力が増えたりだとか、それはまあ色々と」
『だな』
過去の体験談を振り返りつつ、適当に辺りを散策する。
柔らかな風が、枝を揺らし、葉っぱ同士を擦れ合わさせる。それは木々だけではなく、草花も同じ事である。
歩いても歩いても、周りの景色は変わらない。これも〈静寂の森〉を歩く醍醐味の一つなのだろう。
————しかし、またもや彼女の足は止まった。
『(——…………漆、)』
(分かってる)
心配するような相棒の声が、脳内に響き渡る。
彼を落ち着かせるかのように言い聞かせると、重い瞼が静かに開いた————その刹那。
———彼女は瞬時に頬スレスレを通ろうとした一閃を掴み取った。
「前言撤回。今日は厄日だ」
深い溜息が、静かな森の中で残響する。
彼女の左手に握る一閃——それは、紛れも無く「矢」だった。
だがしかし。ソレは原形を留めるヒマさえ与えず、彼女の左手によって粉砕される。僅かに握った手を開くと、手に残った木製部分が見事にチリとなった。
もう一度、尻目で後方を見る。
沢山の大樹の影から何かが出てくる。その正体は、沢山の、耳が尖った人間——エルフ。服装もこの環境に合わせた動きやすい布製のもの。装飾も緑を基調とし、いかにも「自然界の住人」の名前が相応しい。
冷たい視線を浴びているのを密かに体感している中、腰の曲がったエルフが漆に告げる。
「私達は、この地に穢らわしい血の者が立つことを極度に嫌っている。
今回はどういう経緯で此処に来たかは知らんが、見逃してやる。さあ、この神聖な地から出てけ」
よく見れば、かなり歳をとっているエルフだった。此処の長老か何かだろう。
この場から去るように言われた漆だが、彼女はピクリとも動かない。
『テメェ等が見逃す気無ェのは見え見えなんだよ。そんな事言うんだったら、俺達に攻撃なんかしねぇ筈だ』
「……どうやら、ただのニンゲンでは無さそうじゃな。そのデバイスからも伝わってくるわい」
「よく言われるね。“お前は人間なのか?”って」
「最早ヒトからもヒトとして見られていない、という訳か……面白い」
クスリと笑う年寄りエルフ。
適当に返事をする漆だが、彼女の視線は確実に鋭いものになっていく。
「今すぐに血祭りにあげたい気分だけど、そうすると色々と困るからね。程々にさせてもらうよ」
「……思い上がるなよ、ニンゲンが」
『どっちだろうな、ケダモノ』
「『取り敢えず、問題ない程度に葬ってやる。満足して帰れると思うなよ』」
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.90 )
- 日時: 2012/08/09 22:49
- 名前: 璃亜 (ID: O72/xQMk)
「あと……碧でいい。フルネームじゃ長いだろ」
「じゃぁ、碧って呼ばせてもらうよ。因みに僕も璃亜でいいから」
一回クスリ、と笑うと、席を立つ。
碧はまだ座ったままだ。
ゆっくり食堂の出口まで歩いていくと、立ち止まる。
そして、ゆっくり振り返った。
「ああ、言い忘れたけど…」
「?」
碧は、何だと思って璃亜の方に顔を向ける。
「其の髪型、似合ってるよ。眼もよく見えてるし…前より良いと思う」
璃亜は其れだけ言うと、食堂から出て行った。
食堂内で、碧がどんな反応をしたのかは分からない。
が、「あぁもう!うっせぇぞ火影!!」と碧の声が聞こえてきた。
【あいつ等に喧嘩を無くすのは難しそうだと思うけど?】
「ああ、僕もそう思うよ。だけど…あの二人は仲悪そうでも互いの眼にしっかり互いが映ってる」
【…心配ない、と言うのかい?】
「心配ないよ。きっと」
璃亜は微笑ながら足元に転移魔法陣を展開させる。
そして、次の目的地に向かう。
次の目的地とは、職員室。
「此処を全部直さなければならんのか…。ねぇ鬼仁、僕帰っても良いと思うかい?」
【思わないねぇ。入るだけ入れば?】
「仕様がないね。全くもう…」
がら、と職員室の扉を開けると、中では職員達が慌しく修復作業をしていた。
書類がタワーになっていたり、魔導師でも直せそうにないものがあったりと大変そうだった。
グレイが居るはずなのに、グレイのニオイは感じられない。
片付け手伝ってないのか?と疑問に思ったが、取り合えず手伝う。
グレイの机の周りに、書類が凄い枚数でタワーになって崩れかけている。
「ねぇ、何?このグレイの机の周りの書類」
「ああ、それはグレイさんが片付ける筈だった書類ですよ」
「グレイは何処行った?」
「さぁ…?『もーやだ、実家に帰らせて頂きますが故!』って帰っていきましたけど」
璃亜が半ば呆れて、溜息をつく。
そして、書類の山に手を向けた。
手と書類の間に小さな魔法陣が展開される。
象牙色の整理用魔法だ。
パラパラ、と紙が動いたかと思うと、崩れていた紙束がどんどん整理されていく。
そして、グレイの机の上に、綺麗に整頓される。
「…璃亜さん、揃えるだけですか?」
「え。何で僕がグレイの書類を片付けなきゃいけないの?」
【相変らずだねぇ?】
———
三月兎さん、此方こそ有難う御座います!
何かキャラ同士仲良くなれた気がするので、これからもどんどん御願いします!
適当に話振ってやって下さい!
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.91 )
- 日時: 2012/08/10 22:45
- 名前: 三月兎 (ID: .uCwXdh9)
璃亜と別れて数分。
静かなこの食堂で、碧はいまだに動けずにいた。
椅子に逆向きで座り、背もたれに肘を置き頬杖をついている。
『あのなー……いつまでそうしてるんだ?お前には行かなきゃいけないところがあるだろ?』
「……わかってるよ」
呆れたような声色の火影。
そんな彼に、碧は珍しく素直にうなずいた。
そう、今回はちゃんとわかっているのだ。
『じゃあなんで行かない?』
「どこにいるのかわからないし」
『大体の目星はついているじゃねーか』
火影の言葉は図星だった。
『彼女』の居場所はたいてい花壇だ。
全学年の花壇の修復を、彼女がひとり任されていることくらい誰でも知っている。
「でも……帰ってるかもだし」
『ったく。男ならびびって言い訳しないで、さっさと行って来いよ』
火影は再び、呆れたように言った。
「いや怒るだろ。あれは」
碧は思い出し、はぁっとため息をつく。
それは浅葱のことだった。
浅葱のことといっても、自分が彼女の手をひっぱたいたことなのだが。
「手当してもらったあとなのに……しかも後輩だし女子だし!」
『はやく謝んないとお前、ただの変態な最低人間だぞ』
「……変態はいらなくね?」
碧は火影の言葉に眉を寄せる。
じろっと睨まれた日本刀は、ぴゅ〜っとのんきな口笛を吹き始めた。
「……でもそうだな……」
碧はそう呟き、意を決したように立ち上がった。
火影は驚いたようにスッとんきょんな声を上げる。
『そうだって……ついに自分が変態と認めたか!』
「アホ!んなわけないだろ」
碧は火影につっこみをいれ、先ほど彼の言った言葉を復唱した。
「最低人間になっちまうし、な」
そして日本刀を強く握りしめると、足早に食堂から出て行った。
向かうは花壇だ。とりあえず初等部から。
……修復作業が終わっていることを、2人は知らない。
**************************************
璃亜さん!
こちらこそありがとう!&お願いします<m(__)m>
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.92 )
- 日時: 2012/08/11 02:41
- 名前: 美璃夜 (ID: IAQru7qe)
しばらく朱鷺と歩いていると、朱鷺のデバイスが小さなつぶやきを漏らした。
そのつぶやきを耳にした瞬間—ー
大量の思念体が一瞬で目の前に現れ、蠢いていた。
低級ウィプスからハイウィプスたちまでいる。
その量に圧倒されたが、煉獄の魔道士はにやりと笑って
「こいつらが、これだけ大量に居るんだ。……此処が魔導人工開発組織の一部と見ても可笑しくはないだろう」
その呟きと私が息を呑む瞬間と『形ないもの』たちが襲いかかってくるのと、同じタイミングだった。
空を一直線に飛ぶ魔道士の姿はまさに朱鷺そのもの。
場違いながら「美しい」と思い、またその先を見つめる。
「・・・ああ、あそこが本部ですか」
応戦していたウィプスを無視して『闇』の中へ身を投じ、1分もせずに入口に着く。
と同時に朱鷺も空から降りてきた。
「・・・怪我、大丈夫ですか」
「こんなものを一一気にするほどひ弱じゃないんでな。
行くぞ」
「——はい」
中はがらんとしていて人気がないようだが、それにしては綺麗すぎる。
特に階段が。
ボーラを構え、静かに素早く昇っていく。
階段を昇りきった目の前には、一枚の金属製のドアが——
『月黄泉!』
「わかってますよ、っと」
そこから溢れ出てきたのはまたもや大量のウィプス。
ボーラでえぐりながら進んでいく。
視界の端では——部屋が狭いため、飛ぶわけにもいかないのだろう——煉獄の魔道士もドアのそばで応戦していた。
それを確認してから少し大きめの『闇』にウィプスたちを取り込む。
が、危うく朱鷺たちも共にするところだった。
「っ——!」
ぎりぎりのところでそれを回避させた。
すぐに朱鷺のもとへ駆けていく。
「すみませんっ力の制御が足りませんでした・・・」
「言い訳はいい。気をつけろ」
「っ、はい・・」
返事を聞き終わらないうちに魔道士は奥へと進んでいった。
遅れて私もついていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
長らく消えていてすみませんでした・・・
そしてへんなところで切ってしまってごめんなさい・・・
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.93 )
- 日時: 2012/08/13 02:13
- 名前: 焔錠 ◆c/OV8PkLoA (ID: UYrr3QoJ)
飛び越えへた先でもウィプス達は何処からともなく溢れ出し増殖する。
流石にこの数だ……応戦しないわけにもいかないか。そう考え、焔を操りウィプス達を燃やしていった。
その時だった、俺の擦れ擦れの場所に群がっていたウィプス達が闇の中へと一掃される。と、そのすぐ後に駆け寄ってくる魔導師。
「すみませんっ力の制御が足りませんでした・・・」
「言い訳はいい。気をつけろ」
力の制御、という単語に不思議と昔の自分を思い出していた。……あの頃は未熟だった。まともに己の力も扱えず、町一つを火の海にしたんだからな。そのせいで、俺は魔導師共に目をつけられた。
まぁ、そのおかげで力を制御しその際に冥王の子孫たることを思い出したのだから皮肉な話だ。
「っ、はい・・」
そんな、己の過去を思い出しつつも、足を早々に奥へと進めた。
この先は一度も立ち入ったことない……未知の空間だ。十分な警戒をして動かなければ罠にはまって……という可能性もある。
あらゆる可能性を考えながらも進んでいくと進むごとにこの場の闇がいっそう色濃くなる気がした。
「空気が淀んでいるな……」
呟きも響くことはなく、闇の中へと沈むように消える。
この空間は何というか……異常の様に思えた。そして、足場も見えなくなるほどの闇と遭遇して、初めて己の焔で辺り一面を照らしてみる。
と、照らした先にあってはならないものが、あった。
【っ……! こ、れは……】
焔蓮華にも見えたらしい。
目の前に広がる、このおぞましく、醜い光景が。……闇の中にあったもの、それは、多数の死体と破損状態のデバイス。……死体に関してはどれも魔導師の者だろう。それも魔力の強い者の。エルフの血を継ぐ者や何かのハーフ……それにランクSに匹敵する実力のあったであろう者達死体が此処にはあった。その表情は苦痛と嘆きに満ちていて……体の一部が自らの愛機であろうデバイスと融合している者までいた。
此処まで言えば分かるだろうが……この死体の山はほぼ100%の確率で、人工魔導師、デバイスと魔導師の融合を試みた結果が招いたことなのだろう。
「……何か資料が無いか探すぞ……」
死体……いや死骸と言った方がいいかもしれない山から視線を逸らし、誰に言うでもなく呟いた。
此処で実験が行われていたとすれば、何かしら資料が残っているかも知れんと思ったのだ。……名簿でも実験名の書かれた書類でも何でもいい。今は何でも良いから手がかりとなる物が欲しかったのだ。
+ + + + +
うむ、気にしないでいい。
俺も最近は来る回数が減っていたのでな。
こちらも、中途半端なところで切ってすまないな。
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