複雑・ファジー小説

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天地海戦 『自由参加型』 
日時: 2012/08/01 23:21
名前: 結縁 ◆J6BQu6v9vI (ID: UNmuBzLD)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6481

お立ち寄り有難うございます。

この小説は自由参加型となっていますが、参加なさる前に幾つかのルールがあります。

そちらを見て頂いたうえで参加頂ければ嬉しい限りです。

※ルール※

1.参照にある投稿所にて自分のキャラを作成し世界観などを把握の上で参加すること。
2.時間軸は可能な限り合わせること。
3.恋愛要素やグロ表現などはやり過ぎないよう注意すること。

上記のルールを守って楽しく書いていきましょう!


*参加者の皆様*
結縁『空戦魔導師』
磁石『空戦魔導師』 
浅葱『陸戦魔導師』
三月兎『海戦魔導師』
グレイ『海戦魔導師』
漆黒『陸戦魔導師』
焔錠『空戦魔導師』
篠崎葉月『海戦魔導師』
.+*鏡音×二宮×菫*+.『空戦魔導師』
maomao『空戦魔導師』
美璃夜『海戦魔導師』
magenta⇔path『陸戦魔導師』
璃亜(元:斑鳩) 『海戦魔導師』

Re: 天地海戦 『自由参加型』  ( No.74 )
日時: 2012/08/05 23:23
名前: 焔錠 ◆c/OV8PkLoA (ID: EgZaKOI3)

閉鎖区域に到着して数分、足を進めていると、ふいに背後から声をかけられた。

「——朱鷺さん」

振り返ると、其処には——海戦魔導師の月黄泉が立っていた。


「お前か」
「何か不満でも?」
「いや、少し意外でな」
「意外?私があなたを追ってくることが?」
「ああ。まあどうでもいい」

少しどころではなく、意外だったが。場所が場所だ。
 海に詳しい人物が居る分には良いだろう。ランクも実力も低くはない。それに、こいつも他人とそこまで親しくなろうとしない分、気が楽だからな。そう考えつつ、適当な返事を述べた。

「なぜこのような場所に?」
「…ついてくるなら勝手にしろ」

今、答える必要も無いだろう。
 進んでいれば、俺の考えが当たりかそれともハズレかも分かるはず。もし、ハズレならば次に当たるまで。当たりならば……殲滅は難しくても有力な情報の確保と敵組織の実力と目的ぐらいは、はっきり掴みたい所だな。

「それなら」

そう言うと、ぴったりと隣を歩いてくる。
 正直、こいつが此処に来たことは意外だった。同じように任務に行く事が多い奴なのは知っていたが、まさか俺を追ってくるとはな。
 口に出すことはせず、思考を埋めていると、ふいにその場の空気が変わったような気がした。

【朱鷺……】

焔蓮華が警戒したように名を呼ぶ。それとほぼ同じくして、今まで無かったもの、居なかったものが大量に目の前に現れた。
 それを目前にして笑みが零れた。どうやら俺の読みは少なからず、当たっていたようだ。

「こいつらが、これだけ大量に居るんだ。……此処が魔導人工開発組織の一部と見ても可笑しくはないだろう」

俺がそう呟くと、隣で息を飲む音と、大量の思念体が一斉に襲い掛かるのとはほぼ、同時だった。
 そして、その思念体の遥か向こうにある、機械仕掛けの入り口が遠目にだがはっきりと見える。俺は其処を目掛けて、一直線に空を飛んだ。
 こいつらの相手をして魔力を消耗するわけには行かないからな。そう思いつつ、飛び移動するが、そう簡単に通してくれるはずもなく、下から幾つもの光線を放ち、ウィプス達が応戦してくる。なるべくはそれを避けるが、数が多く、幾つかの光線は体を掠めうすっすらと血が滲んだ。……が、それ以上の傷が増えることはなく、数分後には、入り口へと辿り着いていた。

+ + + + +

美璃夜殿

絡んでくれるのは有難いが。
急展開ですまんな。

Re: 天地海戦 『自由参加型』  ( No.75 )
日時: 2012/08/06 11:33
名前: 三月兎 (ID: 96KXzMoT)



「三月先輩……?」
「どうした?」

二人の声が、ほぼ同時に耳に届く。

「やぁ、三月 碧。如何かしたのかい?声に出ているよ」

突然現れた璃亜もまた、飄飄と尋ねていた。
浅葱や希月よりさらに状況がよめないはずなのに、あくまで飄飄と。

碧は立ち尽くしたまま何も言えなかった。
自分のしてしまった行動にたいし、気持ちの収集がついていない。

ただ(なんでもない)と笑ってごまかせばいい。
そんなことはわかっていたが、テンパっている今の彼にそんな心の余裕はなかった。

冷や汗が頬を伝い、床にぽたりと落ちる。

その様子を不審に感じたのか、希月は再び口を開いた。

「おい……碧?」

浅葱は立ち上がり、碧にゆっくりと近づいた。
息が荒くなっている彼に、そっと手を伸ばす。

「三月先輩……どうしたんですか?いったい何が……」

彼女にしては珍しく、とんでもないほど大人な台詞だった。
困ったような心配したような表情を浮かべ、落ち着かせようと碧の肩に触れる。

「触るなっ!」

途端にバシッとその手をはらう音がした。
碧が浅葱の手を振り払ったのだ。

浅葱の手は少しばかり赤くはれ、彼女は驚いたように碧を見つめた。
深い蒼色の瞳が驚愕に揺れている。

「あ……」

思わずやってしまった行動に、碧もまた上ずった声を上げた。
キュッと唇をかみしめる。

「あ!ちょっ、三月先輩!」

浅葱の声を背中に浴びながら、碧は身をひるがえして走り出していた。
勢いよくその部屋を飛び出し、そのまま食堂の方面へと。
食堂へと向かったわけではないが体が勝手にという感じで。

「碧のやつ……」

希月は静かに呟いた。璃亜は相変わらずひょうひょうとした口調で、自分の足元に転がっている日本刀に問いかける。

「やあ、君は三月碧のデバイスか?」
『……』
「おいてかれてしまったみたいだけどいいの?」
『……いや、よくはねーな。ったく最近のあいつはめんどーだ。親父さんのことを出すとすぐ感情的になりやがる』

火影はぼやくようにそう言うと、深々とため息を吐いた。



*****************************************


わ!碧が大暴走!
ほんとすみません<m(__)m>私だけじゃもう収集つかない……

しかも浅葱さんの手をひっぱたいて……!もうしわけ!


璃亜さん、変な絡み方にお許しを!

Re: 天地海戦 『自由参加型』  ( No.76 )
日時: 2012/08/06 22:02
名前: 璃亜 (ID: O72/xQMk)


『……いや、よくはねーな。ったく最近のあいつはめんどーだ。親父さんのことを出すとすぐ感情的になりやがる』

深々と溜息をついた三月 碧のデバイス、火影を璃亜がひょい、と拾う。
そして、鬼仁と一緒に腰にさした。
火影は勿論、何事だと思うだろう。

『何をする?』
「手に持って歩くのは面倒だ。居心地は悪いと思うが、暫く此処に鬼仁と一緒に居てくれ」
『…ああ』
【おい璃亜。きついんだけども】
「仕方がないから我慢しろ」
【うむ】

そしてゆっくり歩きながら碧の消えていった方へ進む。
勿論目指す場所は碧が逃げ込んだ食堂だ。

「わ、私も行きます!」

後ろから、碧に手を叩かれた浅葱が追いかけてくる。
が、璃亜は手で制して止める。
浅葱はそれに驚いたように、また言葉をかけた。

「何で?あんな焦っている三月先輩は、初めて見るし…。気になるし」
「今の三月 碧は…。いや、何でもない。とにかくアンタ達は此処にいてくれ」
「えぇ…?ていうか今何て言いかけたの?」
「…何でもないと言った筈だが?」

若干睨む様に浅葱に言葉を返す。
その視線の冷たさと、言葉の鋭さに、浅葱も思わずびく、と体を震わせた。

「ニオイが少し遠ざかったな。早く行かなくては」

何か言いたそうな浅葱を無視して、璃亜は走り出した。


「はぁっ。俺、何してんだろ…」

自分を嘲笑うように笑みを浮かべる碧。
此処は食堂の一番奥だ。
見つかりづらい場所で、よく学生達がかくれんぼで使っている。
碧は力なくずるずると壁にそって座り込む。

そこに、コツン、という足音が響く。
誰も居ない食堂では、よく音が響くのだ。

「三月 碧。隠れてないで出てきたら如何だい?」
「……」

碧に声を掛けたのは、間違いなく紫苑 璃亜だ。
女にしては少し低い声で、碧に呼びかける。

「もしくは」

コツン、と足音が更に近づく。
そして、かたん、と碧の座り込んでいる物陰の前に姿を現す。

「僕に見つけてほしいのかい?」
「!」

碧は驚いたような表情で、璃亜を見上げる。
璃亜は、口元に笑みを浮かべていた。


———

三月兎さん、何だかかくれんぼ方式になってすみません…。

浅葱さん、璃亜が本当すみません!

Re: 天地海戦 『自由参加型』  ( No.77 )
日時: 2012/08/11 13:46
名前: 漆黒 ◆kuB5mqYaRs (ID: lVgLIAaO)
参照:   明日くらいに漆のイラストが載せれると良いな……。






『——————んで、此処に来た訳だが……』


 ズラリと並ぶ、細く黒い鉄柱。
 先程居た場所よりも、更に暗い。
 「助けてくれ」と漆を求めるかのような声が幾つも聞こえる。それも、命からがら。
 壁も床もコンクリートで、妙に肌寒く感じる。
 窓など無く、此処に光というものは無かった。


「(確か、監獄……だっけ?)」

『(正式には〈声も届かぬ大監獄(ロストボイス・プリズン)〉。此処に来てしまったら最後、声さえ失ってしまう地獄の牢屋……その意味合いで付けたんだと)』

「(何て厨二臭い。付けたのは確か……五十八代目の政府のお偉いさんだっけ? 何十年前かは覚えてないけど)」

『(……その頃は、きっと世界中の人々が厨二病だったんだろうな)』


 素っ気ない会話をしつつ、足を進める。
 左右から助けを求める声が聞こえるものの、足を止めない漆。
 彼女の心の中では、つまらない、と、ただただ思うばかりだった。










 黙々と長い距離を歩く中、遂に彼女の動きが止まった。
 体ごと右に向けると、視界に映るのは黒い鉄格子。そして、その奥には——


「随分と惨めな姿だね、“紳士殿”」

「…………おま、え、は……あの、時、の……?」


 うなだれた、細い体。
 首と両足首には太い鉄の輪が付けられ、更にそれは鎖で繋がれている。
 顔が妙にやつれている。食事もロクに取っていないのだろうか。
 しかし、それよりも目を引くのが——


「色々と訊きたい事があるんでね。少し喋らせてもらうよ、杉山淋漓」


 『両腕が無い』ことだ。
 断面は包帯で巻かれてはいるものの、もしもソレが取れたら相当グロイ描写になるだろう。
 もっとも、こうなる原因を創ったのは、紛れもなく漆自身なのだが。


「き、さま、に話す……こ、と、など、な、い……」

「あの襲撃の首謀者はアンタだろ。他の奴は殺しちゃったんだし、聞けるのはアンタしか居ない。という訳で——」





「今回の襲撃の事、たっぷりと聞かせてもらうよ?」










「————ふーん……結局色々知ってた訳なんだ。当たり前だけど」


 事情聴取が終わったのか、彼女は結論を言う。
 最早返す気力も無いのだろうか。淋漓は何も言わなかった。

 彼女はそれなりに満足したのか、足元に移動用の魔法陣を展開する。——が、淋漓はそれを見逃さず、一つ問うた。


「……き、さ、まの……なま、え、は、なん、だ……?」


 だが、しかし。
 漆は人の質問に簡単に答えるような輩では無く。





          「生きて帰って来れたら教えるよ」





 ————また、彼女の姿が消え去った。




Re: 天地海戦 『自由参加型』  ( No.78 )
日時: 2012/08/07 11:37
名前: 浅葱 ◆lwS8VnhnDw (ID: vOB0vHGS)
参照: 十日から二十日まで来られないです(´・ω・`)


何も言えずに。何も出来ずに。
遠さがって行く紫苑先輩の後姿を目で見送っていた。

————(触るなっ!)

腫れた右手を、もう片方の手で覆い、ぎゅっと握り締める。
何で。どうして。
右手だけじゃなくて、もっと、別な所が痛かった。

触るな、さわるな、サワルナ……。

違う。三月先輩は悪くない。だって。

これが、初めてじゃない。
ずっと、ずっと、昔の話。
日々朧気になっていく、幼い記憶。

(異端児)
(穢れたヒトの子)
(化け物)
(禍つ子)

皆が皆、そうじゃない。
ごく一部、ほんの一部の人達に、そんな事、言われてた。冷たい目で、拒まれてた。
半分だけのヒトの血、半分だけの妖精の血。
彼等は、”純血”を何よりも重んじてた、それだけ。

『……浅葱?』
「だいじょーぶ、なんでもないよ」

首から下げた十字架が、心配そうに問いかける。
大丈夫。私はもう大丈夫。もう、過ぎ去った昔の話に、囚われてるだけで、七年も前の話で。

『……お前、泣いて……?』

滲んでく。目の前が、足元が。
歪んでく。目に映る、全部が。

「ちがう、の……もう、いいの……ほっといてよぉ……」

乱暴に、魔導服の袖で、目元を拭う。
あーあ、こんなカオじゃ、皆のトコに戻れないよ?

お願い。今は誰も、来ないで。
静まり返った場所で、そう祈った。


*

何か勝手に泣いてますが、温かい目で見守ってやってください(´・ω・`)

ぴーえす
三月兎さんへ

大丈夫、問題ないです(`・ω・´)
過去エピ(?)が出せたので寧ろ感謝してまs((((


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