複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 天地海戦 『自由参加型』
- 日時: 2012/08/01 23:21
- 名前: 結縁 ◆J6BQu6v9vI (ID: UNmuBzLD)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6481
お立ち寄り有難うございます。
この小説は自由参加型となっていますが、参加なさる前に幾つかのルールがあります。
そちらを見て頂いたうえで参加頂ければ嬉しい限りです。
※ルール※
1.参照にある投稿所にて自分のキャラを作成し世界観などを把握の上で参加すること。
2.時間軸は可能な限り合わせること。
3.恋愛要素やグロ表現などはやり過ぎないよう注意すること。
上記のルールを守って楽しく書いていきましょう!
*参加者の皆様*
結縁『空戦魔導師』
磁石『空戦魔導師』
浅葱『陸戦魔導師』
三月兎『海戦魔導師』
グレイ『海戦魔導師』
漆黒『陸戦魔導師』
焔錠『空戦魔導師』
篠崎葉月『海戦魔導師』
.+*鏡音×二宮×菫*+.『空戦魔導師』
maomao『空戦魔導師』
美璃夜『海戦魔導師』
magenta⇔path『陸戦魔導師』
璃亜(元:斑鳩) 『海戦魔導師』
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.84 )
- 日時: 2012/08/08 18:57
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
「疲れたよー、もうやだー、仕事止める—うー!」
【路頭に迷うのはグレイだってば…と言うか、何か前にこんな会話したさー…】
半壊した職員室にて、グレイは黒いイスをくるくると回しながら子供のように手足をばたつかせている。
因みにだが、現在進行形で修復作業が行われており、魔導師や直せそうに無いものは大工などが修理をしていて、少々騒がしくなっていた。
グレイの周りには、大量の書類が置かれており、一種のタワーと化している。
帽子を外し、ぐしゃぐしゃと乱雑に頭を掻くと、魔導服のつなぎに変化させて——
「もーやだ、実家に帰らせて頂きますが故!」
【オイちょっとグレイ!!】
水がグレイを足下から飲み込んだと思うと、職員室からグレイの姿は消えていた。
周りの教師達は、苦笑いして黙々とそれぞれの作業に戻っていくのであった。
【転移魔法で逃げるとか…ま、グレイらしいから良いけどなのさ】
「うーみーはー広いーなー大きいーなー」
浜辺にて、先程と同じ灰色のつなぎに、靴や靴下は砂浜において海を眺めるグレイがいる。
グレイは砂浜に座って、打ち寄せる波で手足を冷やしていた。
海は綺麗なエメラルドグリーンの色をしており、浜辺の反対方向には木々が生い茂る森となっている。
【グレイの故郷は何度来ても良いところなのさー】
「誉めても何も出ないよ−?」
【ま、ここに本当にグレイの家族達が居て、ここが閉鎖区域じゃなかったらもっと良いかもしれないのにさー、何てさ】
「あっはははは、俺の傷口抉って楽しいかこの野郎」
笑いながら眼鏡を外し、砂浜にたたきつけるグレイ。
その表情は、何処か寂しそうだ。
【悲しんでたら僕さんが慰めるのさ—。僕さんはそういうグレイも好きだからね】
「…うん、口説いてんじゃねーよ」
今度は笑顔で思いっきり眼鏡を踏みつけている。まぁ、デバイスなので簡単に壊れたりはしないのだが。
ただ、今度は嬉しそうな笑顔だった。
「有給だぜー! 璃亜や漆も有給取れば良いのに!」
【グレイは逃げただけなのさー】
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.85 )
- 日時: 2012/08/08 21:45
- 名前: 結縁 ◆J6BQu6v9vI (ID: Bqxxwr/X)
皆さんと別れた後、私はスイルと二人、ある場所へ足を運んでいた。
「確か、こっちを曲がって……奥に進んだ所に…」
魔力の消費は大分、回復していたけど、極力は温存しておきたかったから、そのある場所へは、徒歩で向かっていた。
『結、あそこじゃないか? ほら、あそこに見える風車』
スイルの言葉にその声の指す方を見てみれば、懐かしい魔導風車が私達を迎えてくれた。……姉さんが居た頃と何一つ変わっていない風車が。
「うん……よかった。まだ、残っていてくれたんだね」
風車の方へ足を進めながら呟く。
ここにある魔導風車は、私と姉さんが初めてデバイスを貰ったときに、二人の魔力を凍結して生み出したものだ。だから、この場所を知っているのは私達だけで、ここはちょっとした隔離空間。……秘密の場所だった。
『あぁ。懐かしいな』
楽しかった時間を思い出しながら、風車へと手を伸ばす。
すると、流石に実体はもう、保てないのか触れることは出来ず、腕は簡単にすり抜けてしまった。
「何年ぶりかな〜。ここに足を運んだの」
ぼんやりと呟いて先ほどまでの出来事が嘘だと思えるくらい青くどこまでも晴れわたる、偽りの空を見上げた。
何故、偽りなのか。それは、この場所が天空の都市の一角に誰に荒らされる事もなく、ただあるから。
『そうだなぁ。しかし、ここの空は何時までも変わることはないんだな』
スイルの言うことは、もっともで、この場所は世界から切り離されたかのようになっていて、季節が巡ろうと時間が過ぎようと、生み出した私と姉さんどちらかが生きていれば、何も変わることも無くここに残るのだ。それは、少し寂しいことで同時に、今は行方の知れない強かった姉の姿をおぼろげに思い浮かべた。
「姉さん……生きてるよ、ね?」
『……お前の姉だぞ。簡単に死ぬはずもないだろう』
励ますように言ってくれる、スイルに微笑み、私は気持ちをこの場所で新たにする。——どこまでも強く強くなって、誰よりも何よりも高く高く飛ぼうと。まるで、天の様に。如何様にも色を変えながら自分らしく誇りを持って戦おうと。そう、強く心に誓った。
「スイル……新しいフォルム特訓しようか」
『それは……スカイフォルムのこと、か?』
「うん……。駄目かな?」
『いや、結が望むなら答えるまでだよ。僕は』
「——有難う」
スカイフォルム……私とスイルの最終手段。
其の場の魔力を体内に取り込み、デバイスに循環させ、体内に魔導バリアを張り巡らせる事で初めて可能になる技術が、かなり必要で難しい術。だけど、これをモノに出来れば、魔力応用も出来るし、瞬発力や肉体強化。もちろん、スイルの強度だってぐんと増量させることが出来る。……その分、失敗すれば命にも関わるから、Sランク以上にならないと使用を禁じられているけれど…。
アレンジして使うのは有り、だよね?
『まぁ、それなら、ここで少し練習していくか。ここなら邪魔も入らんだろうしな』
「うん!」
色々と考えたけれど、結局辿り着く結論は一つだった。私は私なりに強くなっていけばいい。スイルと一緒に。
————
何か、勝手にフォルムとか出してすみません><
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.86 )
- 日時: 2012/08/09 11:29
- 名前: 浅葱 ◆lwS8VnhnDw (ID: vOB0vHGS)
- 参照: めんどくさい兄登場、二十日まで消えます泣
「初等部の花壇はこれでよしっ、と……」
『……お前も大変だな、これから中等部と高等部の菜園と中庭、あと理事長所有の薔薇園も修復しないといけないだろう」
浅葱の能力。植物を操ること。
世にも珍しいこの力のせいで、学校内の植物関連の修復を思いっきり任されたのだ。
疲れたー。大きく伸びをしてそう言った刹那、目の前には意外な人物が現れた。紫色の魔法陣と共に。
「……あれ、兄さん?」
「フッ……久しいな、我が妹よ……探したぞ」
相変わらずの末期厨二な口調。右手にはぐるぐる巻きの包帯。
肩に担いだバズーカ砲は、紛れも無く彼のデバイス。
はい、この人こそ私、浅葱の兄です。
「兄さん、とりあえずせっかくここにいるんだから、修復手伝ってよー」
「……これしきの事、余がわざわざ手を汚すことでもなかろう……しかし、契約印が余に告げている……ッ……!仕方あるまい、可愛い我が妹の為だ……」
そう唸って右腕を押さえる。いつからこんなに歪んだかな、この人は。
かなり面倒くさい言動であるが、とりあえず、手伝ってくれるのでよしとしよう。
数分後。
SSランクの力もあり、修復は思いのほか早く終了。
「造作もない」と言い放った兄、どこからともなく取り出したポッキーをかじっていた。
「兄さーん、顔にウィプスの残骸ついてるよ」
「……おのれ、下級思念体の分際で……ッ!さっきまとめて殲滅させた恨みか……?余の顔に張り付こうとは、いい度胸だ……ッ!」
どことなく血走った目でそう語る。ポッキーかじりながらだと如何せん説得力が欠けるなぁ、うん。
頼むからもうちょっと分かりやすい言語で話してほしいものだ。
乱暴に頬を拭うと、兄はこう付け足した。
「フッ、余にタテついた事、地の果てで未来永劫詫びるが良い……ッ!」
「大人げ無いよ、たかがウィプスごときに……」
こんなんがSSランクなんだから、世も末というかなんと言うか。
政府さんは何を考えているんだろ、一体。そしてこんなのをSSランク昇進試験に通らせた人、あなたは本当にバカだ。
「フハハハハ」と高笑いを続けている兄を冷ややかな目で眺めてると、それに気づいたのか、兄はよーやく高笑いをやめて、こう切り出した。
「そのデバイス……すこし余に貸したまえ、妹よ」
「別にいいけど、何?」
胸元の十字架を兄に渡す。
ふっと兄は口角を上げると、次の瞬間、十字架は紫色の炎に包まれた。
『何をする貴様ー!』。デバイスの悲鳴も、兄には届かない。
「余に対して”貴様”だと……?フッ、生意気になったものよ」
ぽん、と十字架を投げ渡される。
「戦闘形態に変化させるがよい」。言われるがままにリミッターを解除すると。
「……何かかっこよくなってる……」
「余の魔力を注入しておいた。……餞別だ、受け取れ」
「せんべつ?」
これが世に言う”バージョンアップ”なんだろうか。
銀のレイピアには、細かな装飾が所々増えている。心なしか、デバイスから感じる魔力も力強くなっている気がした。
やっぱりどこか厨二っぽいのは否めない。そして、この兄から厨二をとったら何も残らない(多分)。
「……しばらく余は仕事で戻れん、政府の糞も人使いが荒いものだ……。おまけに、今回は少々厄介でな」
詳しいことは何も言わずに、兄はさっさと姿を消してしまった。
ボーゼンとつったってると、バージョンアップしたレイピアがふと口を開く。
『……何だかんだ言っといて、妹のお前が可愛いのだろう。シスコンまで併発したな、あの厨二』
*
漆黒さんへ
厨二の兄、出していただいてありがとーございます
厨二っていいですよn←
二十日まで消えます。帰省です。パソコンがない環境で十日とか死ぬ爆
常葉兄妹は好きに動かしていただいて構いません
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.87 )
- 日時: 2012/08/09 16:24
- 名前: 璃亜 (ID: O72/xQMk)
「今俺が過去を話せば……お前も教えてくれるのか?」
璃亜は一瞬そのオッドアイを見開き、すぐに表情を戻した。
そして不敵に口角をゆがめる。
「どうしてそんなことを?」
「いや……ただ気になっただけだ。自分と同じ、純血種でないものの生い立ちが、な」
碧はそう言って、彼女と同じよう口角を上げて笑った。
璃亜は、くすくすと笑うと、碧を見下す体勢を崩して、食堂の椅子に座る。
「そんな処に居ては腰も痛いだろう。此方に来て座りな」
「ああ」
璃亜は碧も椅子に様に進める。
碧は、璃亜の目の前の椅子に座って、璃亜の向き合う形をとった。
「じゃあ、まずは僕から話させてもらおうか?と、その前にだが…。僕等吸血鬼は約束事は必ず守る。
だから、君が話した事は他言しないと約束しよう。…君には其れが出来るか?」
「…ああ、約束しよう」
「成立だな」
璃亜はまた口端を上げた。
璃亜が口を開こうとしたその時、デバイスの鬼仁が話しかけてきた。
【璃亜ー。そろそろ火影を返してやっても良いんじゃないかい?】
「…ああ、そうだね」
璃亜は一瞬だが苛ついたというような表情をして、腰紐から火影を抜き取る。
そして、机の上に置いた。
碧はそっと手にとる。
「余り喧嘩してはいけないよ。一生のパートナーなんだからね」
「ああ、有難う」
「じゃ、話の続きな」
そう言って、璃亜は自分の過去を語り始める。
——
—僕の一族はヴァンパイア有数の血筋の良い一族だったらしい。
因みに、ヴァンパイアだったのは僕の父親。
母は空戦魔導師だったらしい。
…らしいってのは、僕が母親の記憶ないからで、叔父から聞いた話だからね。
—母親は?
—殺されたらしいよ。僕が生まれて直ぐに。だから写真の中でしか知らない。
血筋の良いヴァンパイアってのは、純血って意味。
君のウルフや浅葱のニンフと同じように、有る程度は純血を重んじてる一族。
僕は純血じゃないだろう?今僕14歳だけど、10歳の時に殺されそうになった。
…その時は僕を殺そうとした奴を逆に殺して逃げてきたんだけどね。
そしたら家の中に入れなくなって、そのまま今の僕があるのさ。
家に入れなくなったのは、反逆者って感じなのかな?よく分からないけど。
今の僕は所謂反逆者、逃亡者…。まぁ、僕の感情的には捨て子って感じなんだけどね。
——
「—とまぁこんな感じ。深く話せばもっともっと長くなるよ。気が向いたら話してあげる」
最後に璃亜はウィンクしながら、「聞きたかったら又今度僕の処においで」と付け足した。
【璃亜の過去簡略化しすぎじゃないかい?もっと大変な時期も多かったと思うけど】
「大体の大筋はこんな感じで合っているだろう?」
【まぁね】
お喋りもこの位にして、と璃亜は区切る。
そして今度は、碧の方に向き直る。
碧は結構真剣に璃亜の話を聞いていた。
「さぁ、次は君が話す番だ。どんな話を聞かせてくれるのかな」
不敵に問いかけた。
———
何か適当&大雑把すぎて本当申し訳ないです!
三月兎さん過去エピに触れてくれて有難う御座います!
そして期待はずれで御免なさい。
詳しい事気になるようでしたらまた何処かで話します(._.*)))ススス
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.88 )
- 日時: 2012/08/09 20:30
- 名前: 三月兎 (ID: .uCwXdh9)
「さぁ、次は君が話す番だ。どんな話を聞かせてくれるのかな」
璃亜は碧に不敵な笑みで問いかけた。
碧は彼女の瞳を見据えながら、小さく口を開く。
「……約束は……約束だからな」
——
—俺の家は一族って感じじゃない。
だってウルフだった父さんは別の種族との婚姻を一族に拒まれてたから、海戦魔導師の母さんと駆け落ちしたんだ。
味方なんていないボッチ状態だったし、ウルフ側の一族に見つかれば即終わりだった。人生が、な。
お前が言った通りこちらも純血にこだわってたんだよ。
……俺はな、自分がウルフである父親の血を色濃く受け継いでいるのが嫌だった。
—だってさ、ウルフってのは所詮獣。興奮したら人とは遠い存在になっちまう。
しかもそのせいで母さんが死んだとありゃぁ……こう思うのも当然だろう?
母さんの死にざまは……ひどく醜かった。
見つけたときは、もうなにがなんだかわからないくらい。
体中を引きちぎられて、全身が真っ赤に染まって……!
……ここまで言えば、誰がやったかは想像がつくよな。
—俺は父さんが許せない。
俺にもそんな血が流れてると思うと、怖くてたまらなくなる。
だって俺もいつか……一時の感情で理性を失うかもしれないだろう?
——
「俺も大体はこんな感じだ」
「……そう」
璃亜は静かに呟くと「話してくれてありがとう」と、目を細めて微笑んだ。
なかなか見れない穏やかな笑顔に、碧は一瞬驚きつつまた口を開く。
「お前も見たろ?」
「……何をだい?」
「俺が……浅葱の手をひっぱたいたところだ」
碧は苦しげに眉を寄せ、ぎゅっとこぶしを握った。
璃亜はなにも言わない。
「あの時の俺は何も見えていなかった。聞こえてなかった。理性なんか働いてなかったんだ。あれが悪化すれば……俺は俺の大切な人を傷つける」
そしてこぶしを開くと、なにもない掌を見つめた。
璃亜はフッと妖艶に口角を上げた。
「君なら、大丈夫だと思うよ。ねえ火影」
『お、おう!』
突然話をふられ驚いた様子だったが、火影は『当たり前だっ』と叫ぶような音量で言う。
「……ありがとう」
照れ臭そうに顔を赤らめ呟く碧に、璃亜は再び微笑んだ。
火影は『まったくだ』と、余計なひと言をぶちかます。
「お前……調子よすぎ」
『は?さっきからデレデレしてる奴に言われたくないわっ』
「な!?デレデレなんてしてな」
「おい、さっきケンカするなって言ったろう?」
璃亜は呆れた口調で二人の間に入った。
年下の少女にケンカを止められ、碧はふてぶてしく頭の後ろで腕を組む。
「まあー……お前の過去の話の続きが気になるけど、それは今度お前の気が向いた時でいいや」
先ほどまでとは一変した飄飄とした態度で、碧は笑った。
そしてズボンのポケットから取り出した黒いピンで、長かった右の前髪を上げる。
驚く璃亜に小さな声で、付け足すように言った。
「あと……碧でいい。フルネームじゃ長いだろ」
**********************************************
璃亜さん絡みの続きありがとう!
そして過去エピ気になるので、また話をふると思います!
碧の容姿を変更しないと(●^o^●)
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21