複雑・ファジー小説

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当たる馬には鹿が足りない【更新停止】
日時: 2019/04/09 23:57
名前: 羅知 (ID: miRX51tZ)

こんにちは、初めまして。羅知と言うものです。
普段はシリアス板に生息していますが、名前を変えてここでは書かせて頂きます。

注意
・過激な描写あり
・定期更新でない
・ちょっと特殊嗜好のキャラがいる(注意とページの一番上に載せます)
・↑以上のことを踏まえた上でどうぞ。

当て馬体質の主人公と、そんな彼の周りの人間達が、主人公の事を語っていく物語。




【報告】
コメディライト板で、『当たる馬には鹿が足りない』のスピンオフ『天から授けられし彩を笑え!!』を掲載しています。
髪の毛と名前が色にまつわる彼らの過去のお話になっております。
こちらと同じく、あちらも不定期更新にはなりますが宜しくお願いします。



一気読み用
>>1-


分割して読む用

>>1-15
>>16-30
>>31-45
>>46-60
>>61-75
>>76-90
>>91-115

Re: 当たる馬には鹿が足りない≪更新再開≫ ( No.22 )
日時: 2016/07/20 13:38
名前: 日織 (ID: TPHhLows)

よかった!更新されてますね><
心配してましたー
ネット環境崩れちゃうと大変ですね。
続きも待ってますね!!

Re: 当たる馬には鹿が足りない≪更新再開≫ ( No.23 )
日時: 2017/11/05 12:20
名前: 羅知 (ID: m.v883sb)

>>22 液晶割れって怖いんですよ…、少しずつ進行してくんで。最後には何も画面見れなくなった…(@_@)
********************************************
「あのさ、盛り上がってるトコ悪いんだけど…ココじゃないの?目的地」

 閉口してしまったこの空気の中、岸波小鳥が空気を読まずにそう言い、色とりどりの薔薇が植えられたシックでレトロな建物を指さす。
 そこは確かに僕達が目指してた喫茶店-------『星ーsutera-』だった。




「馬場って、いつもあんな視線浴びてるのな…。特に…お前の”親友”…俺、お前尊敬するよ…」
「そちらこそ。…君の幼馴染…人を殺しそうな目をしてたぞ…早く”仲直り”して注意してあげたほうがいい」

 俺------尾田慶斗は、現在”驚異の当て馬”馬場満月に”神頼み”中である。
 事態は一週間前に遡る。



「頼むッ、馬場…お前が最後の希望なんだよ…」

 馬場を屋上に呼び出した俺は、彼が来た瞬間一世一代の土下座を繰り出した。俺にとって”この件”はそれ程までに大事だった。

 小学校三年の夏、俺は幼馴染である椎名葵に悔やんでも悔やみきれない酷い事をした。彼の信頼を裏切る真似をした。
 俺は彼の人生をぶち壊した。粉々に。

 その事件以来、彼は俺から離れた。

 その行動の理由が、俺を嫌いだからではなく、むしろその反対の気持ちから行われたことに俺は気付いていた。彼はとても優しいのだ。

 だからこそ俺は彼に謝ることがいまだ出来ずにいる。心の中では謝り続けている、でも彼の目の前に行こうとすると足がすくんでしまうのだ。
 俺が彼に近付いたら、また彼の人生を台無しにしてしまうのでは--------と。

 中学を卒業し、高校生になったそんな時”馬場満月”が転入してきた。彼は瞬く間に”当て馬”としての伝説をつくっていき、その噂は俺の耳にもすぐ伝わった。
 運命だと思った。神様が俺と椎名を仲直りさせてくれるためにくれたチャンスだと。

「------という感じなんだけど……笑っちゃうよな、大事な奴に、ごめんという一言さえ一人では言えないんだから」

 俺がそう嘲るように嗤うと、馬場は思いのほか真面目な顔で返事をした。

「いや…尾田君の椎名君への思いはよくわかった。喜んで協力するよ。…ただ、”神頼み”位の認識におもっといてくれよ?二週間たったら諦めてくれ」

 俺はその言葉に小さく頷いた。

Re: 当たる馬には鹿が足りない≪狂気注意≫ ( No.24 )
日時: 2017/11/05 12:22
名前: 羅知 (ID: m.v883sb)



「------で、なんだかんだで二週間いまだに進展欠片もなし…うわーん俺の意気地なしーーッ!!」
「…睨まれただけだったな、お互いに」

 二週間というのは早いもので、そうこうしてる内にあっという間に終わってしまった。…椎名に蔑んだ目で見られる二週間はそう悪くはなかったけど…いやいやそうじゃなくて。

 頭を抱えて叫んだ俺に対し、馬場が独り言のように呟く。

「…たとえばもし、明日君の幼馴染が命を落としたら」
「は?」

 驚いて馬場の方を見ると、馬場はこちらの方を見ておらずただただ窓を見つめていたーーーーその表情は見えない。

「いや明日ではなく今日かもしれないな------たとえば”今現在俺の親友濃尾君と一緒に喫茶店『星ーsutera』に君の幼馴染がいるとしよう----もしかしたら、濃尾君は君の幼馴染が飲んでいるカフェオレに毒を入れるかもしれない、帰り道突然殴りかかるかもしれない”------それで君は謝ることもできずに、明日椎名君の死を知ることになるーーー君が弱虫だったから。君が二週間もあったのに何もしなかったから」

「…な、なんだよソレ…その冗談、笑えね「冗談じゃなかったら?」

 そこで馬場はゆっくりと振り向く。その顔には感情というものが全て抜け落ちていた。
 いつもの満ちた月のような明るさが嘘のように、その目には光がない。まるで新月の夜の空のようだ。

「…も、もし本当だった、として…さ、なんで濃尾がシーナを殺すんだよ!?…イミわかんねえ…」

 自分をからかってるのだ、そう思いたいのに声が震える。声だけじゃない、さっきから全身の震えが止まらない。
 
 絶対零度のその瞳から、逃れられない。

「…濃尾君は俺の言うことに逆らえない。俺が殺せ、と言ったら濃尾君は椎名君を殺す」
「それこそ訳わかんねえよッ!!…どうして…馬場が…シーナを…?」

 俺がそう叫ぶと、馬場はさっきから言っているだろう?という顔をして、先程から言っているその一言を口にした。


「…だから”君が弱虫だったから。君が二週間もあったのに何もしなかったから”…だよ。俺は初めから言っただろう?二週間経ったら諦めろ、と」


 そん  な

 マタ オレ ノ セイ デ  シーナ  ガ  ?


 

そう思った瞬間、頭の中が真っ白になった。





「う、う、う、う、う、う、う、う、う、う、う、う、」


「…」


「…どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてなんでいつもシーナのあいはおれのあいはひていされるのひていされてしまうのシーナはあんなにかわいいのにあんなにあんなにあんなにあんなにあんなにあんなにあんなにあんなにどうしてだれもわからないんだろうねえシーナシーナシーナどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてシーナはころさせないシーナのせいもしもぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶおれのものだわたさないわたさないわたさないああシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナシーナどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして…こんなにだいすきなのに」

 


 前を向き、呟く。

 
この、思いを。  この七年間の思いを。  アルバム二十五冊 ノート三十五冊 部屋中に張りつくされたシーナのベストショット タンスに詰まったシーナが捨てたシーナの私物 シーナの爪 皮 髪の毛 その全てにこもった俺のこの重い重い愛を。


「それだけ分かっているなら、動けばいい。まだ日は落ちていない。十四日目はまだ終わっていないのだから」

 馬場がそう言い終わる前に俺の体はもう動いていた。
 走り出す。 早く 早く。

 俺は早く彼に伝えなければならない。

 謝罪と、この精一杯の愛を。

Re: 当たる馬には鹿が足りない≪星さんは狛枝イメージ》 ( No.25 )
日時: 2016/08/08 21:21
名前: 羅知 (ID: 835DLftG)

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
「ハーイ、いらっしゃ〜い♪ …あらヒナ君、可愛い恰好してるわね…もしかして、”目覚めちゃった”?」

「…目覚めてません。無理やり着せられました。…わかってて聞いてますよね、星さん」

 店内に入ると、店の店主、金月星(かなつきすてら)さんに蛍光イエローの腰エプロンに黒マスクという”いつもの恰好”で出迎えられた。
 肩までの少し寝癖がかったマスクと対照的な白い髪がきらきらと日光に反射し輝く。

(…二次元レベルのTHE八頭身イケメンなのに、オネエ口調なのも相変わらず変わらない…)

「え、え!?…日向くん、ステラさんと知り合いなのッ…??え、ウソ、接点なさそう……」

「まあ、僕よりはシーナの方が接点ありそうだけど…別に。親戚のお兄さんみたいなもんだよ星さんは」

 椎名から、『星ーsutera‐』の名を聞いたときは正直僕の方がびびった。まさかクラスメイトから身内の名前がでるとは思わなかった。

 星さんは、僕の育ての親である。

 星さんは、現在とある事情があって一人暮らししている僕の面倒をたびたび見に来てくれている。血がつながってもいないのにどうして来るのだろうと思って本人に聞いてみたが、星さんは笑って誤魔化すだけだった。

 この質問をすると、星さんはとても悲しそうな目をするので、その最初の一回以来僕は星さんにこの質問はしていない。

「…あ、そーいえばヒナ君。なんか奥にお友達?きてるわよ」

「え…他呼んだやつなんて……あ!!」

 こういうとき必ず来る奴が一人いた。

********************************
 ちらりと奥を覗くと、浮世離れした金髪の見覚えある少女が怒ったようにピョンピョンと飛び跳ねていた。
 …胸が重そうだ。

「遅いぞ!!そなた達!!…わらわを待たせるとは万死に相当するぞ!」
 
「…いや、呼んでないし。勝手に待ってたのそっちだし」

「あ、女神ちゃんも来てたんだッ?協力してくれるの?」

「…わらわの力を使えば、そなたの悩みなど一瞬で解決する…さあ、お供え物を用意するのじゃ!!」

 女神ちゃんーー本名、大和田雪(おおわだゆき)は重度の電波少女である。自身を女神と称し、お供え物をよこせと言って甘味を要求する。
そして極めつけはーーー

(神の視点、なんていうからね……なまじ”当たっちゃう”からなのか…ここまで”重症”なのは)

 彼女の言う”神の視点”からの意見というのは、何故かしらよく当たる。…もはや偶然とはいえないレベルに。

 ……いやいや信じてなんかないけど。


「…ナントカくーん、考え込んでるのもいいけどボク達、先食べてるからねー?」

 岸波がパフェを食べながら、椅子にも座らず立ち尽くしていた僕にそう声をかける。


 …こいつらは一体何しに来たのだろう。そして岸波はいつになったら僕の名前を覚えるのだろう。

 はあ…。

 ヤンデレ女装男子に、その友達、記憶能力ゼロのボクっ娘、それに自称女神の電波少女…こんなんで本当に何かが解決するのだろうか。

 僕のそんなため息を見て、大和田が口一杯にパフェをほおばりながら、余っていたパフェを僕に差し出す。



「ほほままやずほもほい(そう悩まずともよい)ひはふはふへへほはいへふふる(時間が全てを解決する)」



「は?」

Re: 当たる馬には鹿が足りない≪更新再開≫ ( No.26 )
日時: 2016/08/06 14:38
名前: ヨモツカミ (ID: 3dpbYiWo)

こんにちは、リク掲示板の方での投稿有難う御座いました。
もう、本当に狂ってる人大好きなので、思わずコメントさせていただきました。
めったにコメントすることないので、何を言っていいのか……(´・ω・ `)
とりま、パソコンの不調と闘いながらも頑張ってください。応援してます!


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