複雑・ファジー小説

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当たる馬には鹿が足りない【更新停止】
日時: 2019/04/09 23:57
名前: 羅知 (ID: miRX51tZ)

こんにちは、初めまして。羅知と言うものです。
普段はシリアス板に生息していますが、名前を変えてここでは書かせて頂きます。

注意
・過激な描写あり
・定期更新でない
・ちょっと特殊嗜好のキャラがいる(注意とページの一番上に載せます)
・↑以上のことを踏まえた上でどうぞ。

当て馬体質の主人公と、そんな彼の周りの人間達が、主人公の事を語っていく物語。




【報告】
コメディライト板で、『当たる馬には鹿が足りない』のスピンオフ『天から授けられし彩を笑え!!』を掲載しています。
髪の毛と名前が色にまつわる彼らの過去のお話になっております。
こちらと同じく、あちらも不定期更新にはなりますが宜しくお願いします。



一気読み用
>>1-


分割して読む用

>>1-15
>>16-30
>>31-45
>>46-60
>>61-75
>>76-90
>>91-115

Re: 当たる馬には鹿が足りない≪更新再開≫ ( No.6 )
日時: 2016/08/06 16:05
名前: 羅知 (ID: HCf49dnt)

****************************************************************

頭が冷えて、冷静になってみると先程の自分の様子を思い出して血の気が引いた。
”また、やってしまった”、と。

 僕ーーーー濃尾日向は”嫌悪”に興奮する特殊嗜好を持っている。
一度、興奮してしまうとその熱はすぐには収まらない。我を失い、理性は砕け、先程のように笑いが止まらなりくなり、異常な程饒舌となる。
 自分ではどうしようもできないのだ。この”衝動”は。

(クソ……高校に行ってからは”成って”なかったんだけどな)


「随分と表情がクルクル変わるな。さっきまでの君は演技だったのか?」

 その声で気付く。自分が先程”馬場満月”に首を絞められていたという衝撃の事実に。

というか”アレ”は本当に”馬場満月”なのだろうか?
姿形は確かに馬場だが、雰囲気と表情がまるで違う。

表情は、さっき自分の首を絞めていたときまったく変わらず冷め切っており、雰囲気は普段の明るいオーラが嘘みたいにない。

「……お前、本当に、馬場?」

「それ以外の誰だと?…君こそ、本当に濃尾君なのか。さっきの”狂人”のような君は一体何者なんだ?」

「………お互い、結構な”モノ”抱えてるみたいだね?」

 僕がそう言うと馬場は心底嫌そうな顔をしながら、こちらを一瞥した。

 ああ、ダメだ。

そんな顔で見られたらーーーーー興奮してしまう。
さっきみたいに、僕が”僕”でなくなってしまう。
ーーーー気持ちいい。その視線が、その蔑ずんだ目が、最高に!!


「−−−もう一回”絞めて”やろうか?」

そんな僕の思考を見透かしたかのように、そう言う馬場。
その言葉に全身が歓喜する。

「本当、に?」

「ああ。けど”条件”があるーーー今日”見たこと”を全て忘れろ。あともう俺の事は詮索するな」

やはりそうきたか。ある程度予測はしていたけどーーーーこんなショッキングな出来事、忘れたくても忘れることができなそうだ。
それにーーーーー

「もしーーーNOと言ったら?」

「そうだなーーーーまあ、首は絞めないし、”コレ”が学校中にばらまかれることになるだろうな」

そう言って、呆けた表情のまま半裸で座っている僕の写真をチラつかせる馬場。
わざとなのか、その表情はいつもの”馬場らしい”笑顔だ。
ーーー目の前の”この男”と”馬場満月”が確かに同一人物だと思い知らされる。

「ははーー断らせるつもりはない、ってことか」

「断るつもりだったのか?」

 牽制するかのように、そう威圧する馬場。
 クラスの中でも高い部類に入る馬場の身長。それに比べ、頭二つ分小さい僕。
体つきだって完璧に負けている。
腕の一本二本折られるかもしれない。”コレ”を言ったら。
ごくり、と生唾を飲み込む。

「いやーーそんな訳ないけど。譲歩させてくれてもよくない?」

「−−−何がお望みだ?」

 意外にも譲歩は可能だったらしい。その返答に少し顔を綻ばせる。
ーーまあ、提案が受け入れられるかどうかは別だが。

「まあ、ちょっとしたコトだよ」



「僕、濃尾日向は”馬場満月”というイメージを守るために全面的に協力しよう。僕の持てる全ての情報をもってフォローしよう。今日あったことは絶対に誰にも喋らないし、詮索もできる限り、最低限におさえよう、なにイメージ保護に必要な最低限の情報だけさ」


「だからさ」



「−−−−お願い二つ聞いて欲しいんだ。一つは”首絞め”をあと一回じゃなくて、週に一回、いや二週間に一回行ってほしい。こう見えてもうら若き男子高校生だから。そこら辺の事情は察してほしい。あともう一つーーーー」




 そこで大きく息を吸う。
心なしか馬場は少し笑っていた。僕の”譲歩”に笑っているのだろうか?


「…”馬場満月の親友”というポジションを僕に贈呈してくれないか。頼む、お前という人間の傍にいたら、きっと、世界がもっと面白くみえるようになる気がするんだ、ねえ、頼むよ」








「”ミズキ”」

 

Re: 当たる馬には鹿が足りない≪更新再開≫ ( No.7 )
日時: 2019/02/10 02:36
名前: 羅知 (ID: u5ppepCU)

 その”言葉”に馬場は小さく肩を揺らし僕に問う。
いつの間にか笑顔は消えていた。

「…その、”呼び方”、なんだ?」

「コレ?…やっぱりお前を”馬場満月”っていうのは、ちょっと抵抗があってさ。お前が嫌ならやめるよ?」

「いや…別にいい。……譲歩の話に戻るが…”受け入れよう”」

「ホント!?」


 そう言って喜んだ僕を鼻で笑いながら、話を続ける”ミズキ”。
どこか、あきらめたような、空気が抜けたような乾いた笑い方でこちらを見る。

「そういうことなら、俺も筋を通さなければならない。”ヒナタ”は俺の”親友”になるのだろう?なら」





「これくらいの”ご褒美”はあげなきゃーーーな」



 その瞬間、彼は腕に巻いていた”包帯”をほどいた。先程あそこまで隠していたのにもかかわらず、なんの躊躇もなく。

ああそうか。

彼はコレをするために、”あきらめた”のか。
”僕に包帯の下を見せないこと”を。

こんなにもおかしい僕のために。


「気持ちいいか?……”ヒナタ”!!」


”ミズキ”は首を絞めてくれる。
その”白い白い包帯で”


”ミズキ”は高らかに言う。首を絞めながら。
本当に本当に”優しい”顔で。



「お前は”おかしい”!!どうしようもなく”おかしい”!!…でも、それは俺も”一緒”だ…俺はその”おかしさ”に賭けようと思う…俺はお前を信じるよ……”濃尾日向”ではない”ヒナタ”…」



意識が飛びかけるなか、少しだけ。

彼の”何者でもない”笑顔と、包帯のしたの”ソレ”が見えた。

*******************************

 降りしきる雨の中、遠い”あの日”を思い出す。

 今でも、あの日の出来事を信じられずにいる僕はその”姿”が”ウソ”ではないと信じるために”彼”を揺さぶる。


「…お前、そんなにフラれまくってんのに、”傷つかねー”のって聞いてんだよ、クソ野郎」

 ”傷”という言葉に反応し、真顔になる”彼”。
”ミズキ”の眼がコチラを静かに睨む。


”あの日”包帯のしたに見えたもの”ソレ”はーーーー無数の”傷”だった。
ありすぎて、どれがどの年代にやったのか分からない程の。

 だから、僕は確かめる。その”傷”を使って。


 ”馬場満月”という”コイツ”は馬鹿に違いないーーーーーーーだけど”ミズキ”は違うのだと。
僕だけが知ってる”ミズキ”は違うのだとーーー確かめたいのだ。


 僕たちの”関係”は誰かが見たら、酷く歪で狂っていて不安定なものにみえるかもしれない。

でも誰にも知られていないんだ。

僕だけが知ってるんだ。

だからーーーーいいんだ。


 この不安定な感覚を抱きしめながら、僕は今日も振りしきる雨を見つめる。

また放課後”彼”にあの倉庫部屋で会えることに、歓喜しながら。



++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーー第一馬【人類万事塞翁が馬】 一話【止まない雨】→【病まない編め】



   +馬場満月+ ばばみずき
 貴氏高校1年B組に属す。驚異の当て馬。厨二病がかっている。
転校以前のことを知る者は誰もいない。濃尾日向が親友。主人公。

   *濃尾日向* のうびひなた
 貴氏高校1年B組に属す。学校一の情報屋。愛想もよく、学校の先生生徒からも信頼されている。馬場満月が親友。語り部の一人。

   +ミズキ+
 馬場満月の”もう一つの姿”。二重人格ではない?冷酷で目的のためなら手段は選ばない。”おかしさ”に反応する。語り部の一人。

   *ヒナタ*
 濃尾日向の”もう一つの姿”。二重人格ではない?嫌悪を愛しており、痛めつけられることが好き。”嫌悪”に興奮すると”成る”。語り部の一人。

Re: 当たる馬には鹿が足りない≪更新再開≫ ( No.8 )
日時: 2016/05/04 15:54
名前: 羅知 (ID: ycR5mxci)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=564

○報告と挨拶

 現在機械が壊れてめちゃくちゃあせっている羅知です。ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。

 最初のタイトル→本当のタイトルのようにラストでまとめてみたのですがいかがでしょうか。次からは話の最後の部分にまとめの一文をのせたいと思います。
今回はこんな感じです。

 ちじれてしまった糸と糸。縦と横のその糸を、編んでも編んでも出来上がるのは歪な出来損ない。止まない雨など存在しない。病まない編めなど存在しない。

 訳わからないとは思いますが、一応、話のオチ、真相として書いてるつもりです。その下にあったキャラ紹介は毎回少しずつ増やしていく予定です。


 一つ宣伝を。上記のURLでこの話のキャラ募集のスレに飛びます。
いつもよりテンションの高めの羅知が、出迎えておりますので興味が沸いてくれた方はぜひ投下していただけるとありがたいです。
どしどし応募待ってます。

 次回からは、そのスレで投下されたキャラが出てきます。

 それではまた、第一馬の終わりで。
失礼しました。


Re: 当たる馬には鹿が足りない≪更新再開≫ ( No.9 )
日時: 2016/05/01 00:25
名前: 日織 (ID: x2W/Uq33)

はじめまして!
オリキャラを投稿させていただいた者です。
小説読みました。ミズキとヒナタのちょっとヤバイ感じがツボで、とても読んでいてドキドキしました!
次回も楽しみにしてます!

返信 ( No.10 )
日時: 2016/05/01 08:46
名前: 羅知 (ID: ycR5mxci)

>>9 えと…、あの…、この小説内ではまともに喋ろうと思ってたんですけど……いいですか?


 羅知「ありがとうッ!!!嬉しいよ本当にッ息ができなくなりそうだよ!!あはははッ!!寂しくて寂しくて死にそうだった…俺の小説なんて誰も見てくれてなんかない…って、もうあきらめれば?…ってずっとずっとずっとずーーーーっと!!!ありがとう、君がいてくれて俺はーーーー本当に幸せだ!!!」


と、感謝を”ヒナタ”風に伝えてみる。はい、ヤバいのが好きなんです。ドキドキして下さったなら幸いです。オリキャラありがとうございます。小鳥ちゃんのキャラは個人的に好きです。これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。

 


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