複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

アカシアな二人
日時: 2022/04/16 22:27
名前: 梶原明生 (ID: UfViuu4R)

理想的な容姿と充実した高校ライフを送っている二人の高校生。ひょんなことから回りに勧められて付き合い出したのだが・・・二人は愛し合えなかった。「何かが違う。」その違和感を拭えないでいた。そんな時互いに別の異性との出会いがあったのだが。それは悲劇の愛の始まりだった。アカシアの花を通じて知り合った、52歳の男女だったのだ。しかし世間はこれを純愛とはせず、あらゆる憶測、いじめ、引裂き、誹謗中傷の嵐に晒す。果たしてこの四人の愛は没落なのか。それとも真実の愛なのか。神々の授ける運命は愛する者達を翻弄する。

Re: アカシアな二人 ( No.23 )
日時: 2022/09/03 18:05
名前: 梶原明生 (ID: TdU/nHEj)

・・・「そんなわけあるかっ。」優也は否定したのだが。「ありがとう優也君。もういいの。いいのよ。あなたは暫くこんなおばさんに夢を見せてくれた。それだけで十分よ。あなたの思い出だけで私は生きていける。だから諦めて。」「できるかよそんなこと。志乃さん。」男達に取り押さえられる優也。乙女が勝ち誇った態度で紙切れをかざす。「なら、これにサインして拇印を押しなさい。そうすれば警察沙汰にはしないであげる。」今後一切会わないこと。連絡も取らない事などを書いた誓約書だった。「やめろ、書くなよそんなもん。」彼を思えばこそ、心を凍らせて書かざるおえない志乃。そこまで理解できるはずもない優也は、ただ叫ぶしかなかった。「終わりました。」「そう、なら帰っていいわ。瀬西工業元社長の瀬西武雄の娘さん。」「そんなことまでお調べになってたんですか。」乙女の淡々として言うと、探偵の男が答える。「当たり前ですよ。我が社はスピード調査が売りなんでね。自宅までお送りしましょう。」瀬西は後ろ髪引かれる思いで家を後にする。「これでいいのかよ。」優也の叫びはどけまでも瀬西に響いた。「あのオバサン。」優也の家に立ち寄った智美は瀬西が車に乗せられる所を目撃した。「もしかしてあの人が。」推測しながらも志楽家のチャイムを鳴らした。森本と違って門前払い。諦めて帰路につき、その数時間後に藤堂が志楽邸近辺に着いていた。「響探偵事務所。あの出版界のドンと目される会長が、直々雇ってる探偵事務所か。厄介だな。」黒のSUVの窓越しに見えた、助手席の書類を見てピンときた。彼に気づいた探偵が出てきたところで、しれっと立ち去る藤堂。「あいつ、同業者か。しかし何故。」疑問が渦巻く探偵。「そうですか。ほぼ監禁状態で。わかりましたありがとうございます。」電話口で森本はガッカリした。せめて優也だけでもうまくいって欲しかったのだが。「いや、俺ならいいよ。中山さんに雇われただけだしな。それよりも、お父さんが気になるな。警察に届け出ていなければいいんだが。」「それは大丈夫だと思います。母から聞きました。私が大人しくしていれば訴えないそうです。それにうちの父は練馬駐屯地の自衛官ですから、明日には仕事に行くと思うので。」「自衛官・・・まさか、君のお父さんの名は、森本賢二か。」「え、そうですけど、知ってるんですか。」「第117教育大隊の同期でね。そうか、まさか君が森本の。」意外だった。春香もまさか藤堂がかつてのバディだったとは思わなかった。「春香君、気を強く持ってくれ。君達には幸い俺もいる。そのことを忘れないように。いいね。」「はい。」こうして通話を終了した春香。部屋のカーテンから覗ける夜空の星を見つめてしまった。しかし翌日、電撃的に物事は進められた。中山のミラクルマンションに数人の男達が朝早くに集まっていた。「中山さーん。いるんでしょ中山さーん。」チャイムを鳴らしながらもドアを叩く男。中山が姿を現した、「何でしょうか。」「中山毅だな。佐山署の者だ。未成年略取並びに都の未成年者条例違反と誘拐の疑いで逮捕する。今現在6時36分。」「ちょ、ちょっと待ってください。どうして私が。」「覚えているよな。自分が何をしたか。淫行だよな。」「そんな。」勿論まだ春香に何もしていない。ほとんどは賢二による尾鰭背鰭であった。こうして中山は逮捕されることとなった。・・・続く。

Re: アカシアな二人 ( No.24 )
日時: 2022/09/04 12:06
名前: 梶原明生 (ID: TdU/nHEj)

・・・朝八時以降、噂は電光石火の如く伝わる。看護師や医師による朝礼のあと、一ノ瀬の耳にも否応無しに入る。「一ノ瀬さん聞いた。中山さんの欠勤理由。」「いえ。どうしたの。」「逮捕されたらしいよ。」「た、逮捕ですって。」寝耳に水とはこの事だが、次に浮かんだのは春香の顔。「あいつ・・・」助けに行きたいが、病院での激務を無視するわけにも行かず、悩んでいたところへ昔のクラスメイトからメールが。「静香、私のところにあんたの夫が訪ねて来たんだけど。勿論居場所なんか知らないって言ったよ。気をつけて。あいつ、いつ見つけるかわかんないよ。」それもまた、一ノ瀬を引き攣らせた。フラッシュバックに夫の拳と、飛んだ自分の前歯と血糊が浮かぶ。夫とは合コンで知り合った。医師、銀行員高収入男性限定の合コンだった。夫は銀行員。しかも高身長と来てる。順風満帆に見えた結婚に見えたのだが、妊娠が発覚してから変わった。いや、本性を現したと言った方がいいか。産休中事あるごとに暴力を振るうようになったのだ。娘が3歳の時に離婚を申し立てたが、更に暴力がエスカレート。逃げるように東京へ向かったのだ。そんな矢先再就職先の病院で中山と出会った。彼の優しさと包容力は夫の比ではない。そんな彼に振り向いてもらえないばかりか、得体の知れぬ女子高生に蹂躙されるとは。点滴パックをはち切れさせんばかりに握りしめた。その頃中山は厳しい取調べを受けていた。これまでの経緯や細かい日時など、正直に話したのだが。「そんな話が通用するかっ。」書類のファイルを机に叩きつける中年刑事。「本間さん、まずいですよ。」「わかっとるそんなもん。・・・いいか、あんた私より年上のクセに、何考えてるんだ。愛しているだと、馬鹿もんっ、そんな話が通用するか。私にもね、未成年の娘が二人いるんだが、貴様のような変態と付き合ってたら言語道断だ。例え被害者本人が認めていても関係ない。お前を絶対未成年者略取の罪でぶち込んでやるからな。覚悟しとけよ。・・・それにな。お前、臨床心理士の資格も取ってるそうじゃないか。つまり未成年の心につけ入ることもできたってわけだ。」まさかここに来て臨床心理士の資格を逆手に取られるとは夢に思わなかった。「違います。臨床心理士の資格はそんな如何わしいものではありません。」「うるさいっ。」どうあってもこの刑事は中山を犯人に仕立て上げたい狙いだ。愛など恋などと、所詮は幻想だ。生活安全課の署員として長年刑事をやっていれば、それがどれだけ醜悪な媚薬か思い知らされるからだ。だがまだこの刑事は知らない。何事にも通例ばかりでなく、イレギュラーがある事を。春香はそれを言いたいのだが。「そんな、どういうこと。中山さんを訴えたって。」朝から聞かされたのは寝耳に水だった。「当たり前だ。父親として当然の責任を果たしたんだ。お前もいい加減目を覚ませ。あの男に唆されたんだ。」「違う。お父さんは何もわかってない。私と毅さんは真剣に付き合ってるの。」「まだ言うか。」賢二が平手を振り上げると、菊子が春香を庇う。「あなた暴力はやめて。この子を殴るくらいなら私を殴ってください。」「う、・・・」さすがに賢二も手を止めた。このままでは虐待と世間に受け止められかねないからだ。「そんな態度では訴えを取り下げるわけにはいかないな。」随分とトーンを下げた語り口になる賢二。「なら、お父さん。どうしたら訴えを取り下げてくれる。」春香は苦汁を飲まされることを覚悟した。・・・続く

Re: アカシアな二人 ( No.25 )
日時: 2022/09/06 16:59
名前: 梶原明生 (ID: G/Xeytyg)

・・・数時間後、若い刑事が取調べ室に出戻ってきた。「本間さん。ちょっと・・・」「何、被害者家族が訴えを取り下げただと。バカな。」苦汁を飲む気持ちはこの中年刑事も同じだろう。折角立件できると言うのに。そこへ老齢な刑事課長が割り込む。「本間、釈放してやれ。親族も迎えに来てる。」「あ、はぁ。」やむなく彼を釈放する本間。刑事課長が最後に声をかける。本間と違って穏やかな紳士的口調だ。「中山さん、とか言いましたよね名前は。あなた、彼女を愛していると言ったそうですが、本当ですか。」「本当です。」毅然とした態度で答える中山。「課長まで何を言うんですか。」「まぁ、本間待て。わかりました。どうぞ身元引き受け人と共にお帰りください。」「身元・・・」てっきり妹かと思ったのだが、藤堂だった。「ああ、藤堂さん。」「お義兄さん。」「え・・・」少し不思議がったが、彼と共に帰る中山。「すみませんね。妹さんの旦那って体で身元引き受け人を装ったもんで。」「すみません。何から何までお世話になって。」「何言ってんですか。俺は雇われの身ですよ。これぐらい屁でもないですよ。」ミラクルマンションまで送ると、今後の対策について中山と藤堂は話し合った。数日後、明日を学校終了式に控えた日。謹慎が解けて優也も春香も学校に通い始めたのだが、それはいじめと誹謗中傷の嵐が待ち受けていた。優也は学生服をカッターナイフでズタボロにされた。しかし、春香はもっと悲惨だ。男子は使えない代わりに女子で結託して仁美がトイレで水をかけるなどの、あからさまなイジメをしてきたのだ。それでも春香は耐えた。仁ちゃんならわかってくれると信じたからだ。「もういいよ。今日はこのくらいにしよう。・・・春香、私が改心するとでも思った。ん、甘いね甘いね。」しゃがみ込んだ春香の髪を掴む。しかし。「仁ちゃん、二の腕のこの痣、何。」「な、何でもない。変なとこ見るなよ。」急いでまくった袖を戻す仁美。やっと解放された春香を待っていたのは優也だった。「お前どうした。あいつか。」血気に迅る彼だったが。「やめて。私は大丈夫だから。今ここで事を起こしたら折角の終了式スピーチ無駄になる。」「何言ってんだ。ビショビショに濡れてんじゃねーか。」「今の季節暑いでしょ。丁度いいかなって。」腕を握って無理な笑顔をつくる春香を見て笑顔が戻る優也。「フフッ、そうだな。」そこへ紺野が通りかかった。「ちょっと森本さん、あなたどうしたのびしょ濡れじゃない。私のタオルで拭いて。職員室来なさい。」隣接する保健室を借りて、とにかく清潔なタオルを借りて体を拭かせた。「これ、退学していった生徒たちが残していったシャツとスカート。クリーニングしてるから安心して着なさい。」「ありがとうございます。」・・・続く。

Re: アカシアな二人 ( No.26 )
日時: 2022/09/10 12:27
名前: 梶原明生 (ID: 13XN7dsw)

・・・「ところで森本さん、もしかしてイジメにあってる。」ドキッとする春香。「そんな、イジメだなんて。」「じゃあ何でそんなに水浸しだったの。」「これは、その、夏だし、暑かったからいいかなって。」「そんな理由で水浸しになるようなあなたじゃないでしょ。噂を聞いたんだけど、金子さんのグループにイジメられてるって本当。」「いや、ひ、仁美はそんな事。」「庇いたい気持ちはわかるけど、イジメを見過ごすわけにはいかないから。」そう言われて更に悩む春香。授業を抜け出して先程の話を立ち聞きしてる優也は拳を握りしめる。我慢して何とか一日を乗り越えた二人。優也はある決心をしてスマホを取り出す。「森本。汚い大人達もくだらないガキ共も捨てて俺たちだけの楽園にいかないか。明日の計画を話す。先ず学校が志楽乙女の息子ってだけで終了式のスピーチを俺にさせたい教頭達の鼻を明かさてやるために・・・」メールしながら玄関に入ると待っていたのは乾だった。今日は何故かスーツでなく、胸の空いたセクシーな服を着ていた。「お母様がお呼びです。」何事かと、リビングに入る優也。「お帰りなさい優也。今日はやっと切り詰めたスケジュールが消化できたから、あなたにスペシャルプレゼントを用意したわ。」「は、なんだよそれ。」「あなたはきっと性欲が溜まっているのよ。」母親からそんな話が飛ぶのは息子にとってショッキングでもある。「乾、わかってるわね。・・・彼女はね、昔少しグラビアアイドルもしていたのよ。さぁ、お部屋で彼女を好きにしなさい。」可憐なショールを肩から落とすと、肌が更に露わになる。「優也さん。行きましょう。」彼の腕を取るのだが。「やめろよ気持ち悪い。あんた何考えてんだよ。」「何って、男女が部屋です・る・こ・と。」手慣れた囁きで耳元に語りかける。「いい加減にしろ。」軽く突き飛ばす優也。「優也、何てことするの。」「俺はそんなつもりで志乃さんと付き合ってたんじゃない。あの人を心の底から愛してたんだ。」「バカ言いなさい。」「もうほっといてくれっ。」二階の部屋に荒々しく入り、鍵を閉める。学生鞄を床に投げ出し、ベッドに寝転がる優也。「よし、計画実行だ。」机に向き直り、何やらパソコンのキーボードを打つ。翌朝、春香は珍しく朝早くから用意して、登校準備に明け暮れた。「準備よし。これでいつでも行ける。ん・・・ぬいぐるみのロロちゃん。」幼い頃から愛用していた猫のぬいぐるみ。ペットは飼えない家庭事情から、春子が買ってきてくれたのだ。これだけは外せない。「そうだ。」春香はまだ寝ているであろう祖母の部屋へ訪れた。まだ寝ている様子。「ごめんね、おばあちゃん。」少し開けたドアを閉めようとしたのだが。「春香かい。どうしたんだい。」春香はお婆ちゃんに思わず泣きついた。「こんなに大きくなって。折角の美人さんが台無しだよ。でも懐かしいね。こうして小さい頃泣きついてきたっけ。お婆ちゃんなら心配いらない。行ってきなさい。」「え・・・」・・・続く。

Re: アカシアな二人 ( No.27 )
日時: 2022/09/12 01:34
名前: 梶原明生 (ID: rrGGtC6v)

・・・「お婆ちゃんね。おじいちゃんとは駆け落ち婚だったのよ。今で言う格差婚でね。で、賢二が生まれた。・・・本当はまともな形で送り出したかったけど、中山さんて人を知ったらあなたの気持ちもわかる。ごめんね、あの手紙実は封を開けて読んでたのよ。あなたが私の名義で文通してたからね。」「ううん、そんな事許すも許さないもないよ。ありがとうお婆ちゃん。きっと。きっと認められる夫婦になってまた帰ってくるから。それまで・・・」泣きながらお婆ちゃんに抱きつく春香。「よし、行こう。」玄関を出てリュックにボストンバッグ姿で歩き始める。賢二も菊子もまさか娘がある計画を進めていようとは思わなかった。やがて終了式にのみ参加するために駅のロッカーに荷物を預けて登校する春香。嵐の前の終了式は厳かに執り行われる。「今日で一学期は終わり、いよいよ明日から夏休みです。」校長挨拶が長きにわたり話された後、教頭が来賓相手にドヤ顔になって演壇に立ち、生徒代表挨拶を告げる「えー、続きまして、生徒代表挨拶ですが、あの、大ベストセラー作家、志楽乙女氏の御子息。志楽優也君にしていただきます。」騒つく来賓を横目に優也は颯爽と演壇に上がる。「ご紹介に預かりました、青川学園高校二年B組の志楽優也です。」教頭とは既に例の話は解決済みとの認識で和解していた。そのつもりだった。「それでは皆さん、有意義な夏休みを送ってください。以上何ですが・・・お遊びはここまでだ。」ギクっとする生徒諸氏。「僕には今、真剣に愛している人がいます。」「何を言っとるんだ君。」「教頭先生。」校長が何故か首を横に振る。優也は続ける。「その人は52歳の女性で、とても魅力的な人で、人目惚れでした。僕は未成年で取るに足らない年齢なのかもしれない。でも、全てが不安定な交際なんでしょうか。全てがいけない愛なんですか。いえ、違うと思います。、、愛に境界線なんてない、、誰が誰を愛してようが、誰が誰と結ばれようがいいじゃないですか。俺は、瀬西志乃さんを愛しています。」校外のベンチに座る瀬西にもそれは聞こえた。「さようなら皆。」驚愕する仁美や先生を尻目に、春香の所まで走っていき、腕を掴んだ。「さぁ行こう。俺達の楽園へ。」「うん、マブダチ。」二人はあくなき逃避行へと旅立つ。やっと我に返った先生達が追いかけるも、講堂を出たら何処へ行ったか全くわからない。「手分けして探しましょう。」走り回る先生達のすぐ側にいたのに気づかない。実は昨日、藤堂から春香がレクチャーされていた「スカウトの隠匿術」を実行したのだ。それを優也にメールでレクチャーし、実行に移した。かつて藤堂が小倉の第40普通科連隊にいた頃に習得した「隠匿偵察術」である。人は「肩と頭があるから人になる」逆に肩も頭もない言わば「塊」を人とは認識できない。呼吸を制限し、目立たぬ生きた背景の一つとなれば、人は錯覚に陥る。忍者も恐らくは似た事をしていたに違いない。「今だ。」隙を突いて一気に走り出す二人。藤堂の言った通り、余裕で校門を抜けられた。「志乃さん。」「優也君、春香ちゃん。本当にこれでいいの。」「いいに決まってるじゃないですか。さ、行きましょう。」「瀬西さん、私達のためだよ。」三人はタクシーに乗り、二人の荷物のある駅に向かった。その頃、中山は院長に呼び出しを食らっていた。「中山君、君の噂は既に患者さんにも広まっている。おまけに苦情の電話や誹謗中傷のネットの書き込み。このままでは当院の信頼は失墜しかねない。言いたいことはわかるね君。」その圧力はなくともわかる。つまり病院をやめろと言いたいのだ。「あ、はぁ。」「とは言え、きみは長年よく頑張った。君のおかげで良くなって退院した患者さんには未だ手紙を送ってくれる人もいる。手厚い手当てや退職金は今日中に振り込んでおいたから、自由につかいなさい。せめてもの餞別代わりだよ。」「何から何まで、今までお世話になりました。」深々と頭を下げる中山、部屋を出ると一ノ瀬が駆け寄る。・・・続く。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。