二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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cross×world
日時: 2018/09/05 23:26
名前: 柊 (ID: PF4eFA6h)

こんにちは、柊と申します!
掛け持ちですが、またも小説投稿をさせていただきました!

下記は注意事項になります、大丈夫な方はどうぞお楽しみください!
・私得クロスオーバー
・オリキャラが主人公
・他作品同士のキャラのCP、オリキャラとキャラのCPがある
・主人公がキャラの子ども
・主人公以外にもオリキャラあり
・流血、暴力表現あり
・ところどころねつ造入る
・気まぐれ更新
・都合により、登場させられないキャラクターがいます。遅くて申し訳ありません
もしかしたら注意事項は増えるかもしれません。では、よろしくお願いいたします!

本日、2016/12/01に閲覧が1000突破しました!
いつもありがとうございます!しかも今日誕生日だから余計に嬉しくて…本当にありがとうございます、これからも頑張ってまいります!

登場作品、目次 >>1

お知らせ>>148

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Re: cross×world ( No.99 )
日時: 2016/11/20 00:26
名前: 柊 (ID: hBEV.0Z4)

キン、ギィン。金属がぶつかる度に鋭く鳴く。山伏は今にも床に着きそうな足を踏ん張って立たせていた。

もはや染み込む場所などないと思ってしまうほどに赤く染まった服は汗も合わさって山伏の体を冷やしていく。

「くっ……」

目の前にいる山姥切と堀川は攻撃の手を緩めない。打刀と脇差が揃えば『二刀開眼』という技が使える。それを使い、山伏の力を確実に削ってきていた。

戦況を、ひっくり返すことができない。少しでもこちらに傾けることができればいいのだがそれすらも彼らは許さない。

少しでも考えれば、二人は容赦なく襲いかかってくる。

「兄弟……!」

山伏の苦しげな声に二人は何も反応を示さない。することは変わりない。

山姥切の一撃を受け止めれば堀川が他より斬りつける。堀川の一撃を受け止めれば山姥切が。

二人の攻撃に、ピシリ、ピシリとヒビが広がっていく。

またも山姥切が本体を振り上げた。

「兄弟、目を、覚ませっ」

鍔迫り合い。視界の端で、堀川が本体を振るうのが見えた。

「……れは……し……しょ……」

「ぼく……は……だ……」

「……!!」

二人が、何か囁くような声を出している。

それにようやく気付いた山伏は、咄嗟に堀川の脇差を素手で受け止めた。片手は、己の本体を握り、山姥切の本体を受け止めている。

……なのに、二人とも動揺する素振りを見せない。いや、これは……気づいていない。

山伏が片手で堀川の本体を握って、片手で山姥切の本体を己の本体で受け止めていること自体に。目の前で起こっていることに。

しかし力は入ってくる。ぐう、と呻きながら、山伏は二人の声に耳を傾けた。

「おれは……うつし……さいこうけっさくでも……しょせん、うつし……」

「ぼくは……だれなの……。だれの……つくった……かたななの……」

悲しみに満ちた声。それを聞いた山伏は目を見開き……二人を弾き飛ばす。

同じ方向に弾き飛ばされた二人は、ゆらりと体制を直し、まっすぐに刃を山伏に向けて突進してくる。

それを、山伏は、避けなかった。

Re: cross×world ( No.100 )
日時: 2016/11/20 00:34
名前: 柊 (ID: hBEV.0Z4)

「がっ、は……!」

山伏の咳き込む声。それに振り向けば、一心は息を飲み、目を見開いた。

山伏を貫く、二つの銀。それらは彼の血で赤く光り輝いていた。

「山伏殿!!」

「来るでない!!」

「っ!!」

駆け寄ろうとした一心を、山伏の大きな声で遮る。そして、少しだけ後ろを見て「大丈夫だ」と呟いた。

微かに震える手を、何とか二人を抱きしめるように動かす。その間にも、二人は刃をさらに突きたてようとしている。

薄らと、二人の瞳に涙の膜が張っていた。

「山姥切、国広」

「……」

「お主は、誇るべき、国広の、最高傑作だ」

「っ……!」

「堀川、国広」

「……」

「お主は、誰であろうと、あの、和泉守兼定の、相棒だ。
誰にも、変えられぬ、真実だ」

「……きょう、だい……?」

ぽん、ぽん、と山伏の手が二人の背を叩く。二人の瞳から涙が溢れた。

ずるりと山姥切と堀川の本体が抜かれる。

「写しで、あったとしても、真贋、定か、でない、としても、それでも、




お主らは、拙僧の、自慢の、兄弟だ」

「あ、あ……あああっ……!」

「きょう、だい、きょ、だ、あ……!」

二人の手が、山伏の背に回される。二人がぼろぼろと涙を溢す。

部屋に、二人の泣き声が響き渡った。

「良かった……」

「さあ、一心殿。こっちもあと一息じゃ。ようやっと終わりが見えてきたぜよ」

「ああ」

ずいぶんと削られた体力。だが目の前にいる残り少ないプリムを倒すことはできる。

二人は、後ろにいる三人の邪魔をさせないためにそれぞれの武器を握り、プリムたちに攻撃を仕掛けていった。
第14話-END-
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Re: cross×world ( No.101 )
日時: 2016/11/28 07:02
名前: 柊 (ID: EYuxdBgO)

第15話
肩が上下に動く。息を荒くしながら、打刀に付いた血を振り払う。

部屋に飛び散る赤はゴンババの物。しかし、そのゴンババは未だに倒れることもなく。

いや、倒れるどころかピンピンしている。

「フェッフェッフェッ! それだけか!」

「マリオさん、どうなっているんでしょうか。俺は、結構斬りつけたはずですよ」

「これは……タブーによってパワーアップさせられてるとしか思えないね」

「そう、でしょうね」

竜太は忌々しそうにゴンババを睨みつける。ゴンババの体のあちこちにできた切り傷からは血が溢れ、マリオのファイアボールはファイア掌底などでできた火傷が目立つ。だと言うのにゴンババはまるで無傷のようだ。

ゴンババが首を上に上げる。それにハッとし、竜太とマリオはその場から大きく退いた。

首が下がると同時に先ほどまでいた場所に炎が吐かれる。その炎は容赦なく床を焦がしていった。こんな炎に飲まれたらひとたまりも無い。炎を吐く前にゴンババが首を上に上げるため、避けるのには充分な余裕があるのと避けたとしてもどこに避けたのかゴンババから見えないのが幸いだ。

炎を吐いているゴンババに竜太が駆け寄り、足を斬りつける。ゴンババの足から噴き出した血が竜太にかかった。

それでもゴンババは何もないように足を上げる。勢いよく下りてくる足を何とか避け、竜太はまたゴンババを見た。

「まるでゾンビだな……!!」

昔見た映画に重ねてそう毒付けばゴンババの笑い声が響いた。

「ゾンビ。まあそれも良かろうて。
しかし今のわらわはそのようなものよりもずっと気高く強い! それを忘れてもらっては困るのぅ!」

そう言い、ゴンババは羽を使って浮き上がる。そして、大きなしっぽを勢いよく竜太に振り下ろした。

避けるために走るも、しっぽが迫る速さの方が勝った。竜太の脇腹をしっぽが抉り、その勢いのまま、竜太は壁に叩きつけられた。

Re: cross×world ( No.102 )
日時: 2016/11/28 07:07
名前: 柊 (ID: EYuxdBgO)

「があっ!!」

「竜太!」

「他人の心配など、ずいぶん余裕ではないか!」

竜太を吹き飛ばした勢いを保ったしっぽは今度はマリオを襲う。マリオは咄嗟に伏せてしっぽをやり過ごした。

「ちっ、避けられたか。が、チビ一人仕留められただけでもよしとしよう」

ゴンババがちらりと竜太を見る。竜太は床に落ち、激しく咳き込んでいる。壁に叩きつけられた際に口でも切ったのか少量の血が竜太の口から溢れていた。

……あれではこれから戦うのは難しい。いくら竜太が常人より回復が早いからと言ってすぐに今のダメージが抜けるはずもない。

「竜太、休んでいてくれ! ゴンババはボクに任せて!!」

「……はい、すみません」

「謝らないで。キミはよくやってくれたよ」

両親がほとんど人ではない。それだけで竜太は多少違うところはあるけれど人間、それも子どもだ。なのにゴンババ相手に果敢に斬りかかっていってくれた。責める人間など、どこに居ようか。

竜太が体を何とか引きずるように、戦いの邪魔にならない場所へと移動していく。彼にトドメを刺さんとゴンババが首を上に上げた。

マリオはゴンババのその無防備な首の下に潜り込み、下される瞬間にゴンババの顎とされる場所にアッパーを見舞う。アッパーによって開かれるはずの口は無理やり閉じられ、吐いた炎がゴンババの口内を焼いていく。

ゴンババの悲鳴が上がった。

「これ以上、彼を傷つけさせない。ボクが相手だ、ゴンババ!!」

「くっ、忌々しい……忌々しいぞマリオォオ!!」

Re: cross×world ( No.103 )
日時: 2016/11/28 07:12
名前: 柊 (ID: EYuxdBgO)

マリオは拳を握って飛び上がる。ゴンババがマリオを追い、首をそちらに向けた。

「バカめ!」

ゴンババが口を開き、炎を吐いた。すぐにマリオは目の前で手をクロスさせ、赤い壁を作り出す。

壁は炎を弾き、マリオを守っていた。それに炎は効かないとすぐに判断したゴンババは炎を止め、身構える。

マリオは重力に逆らうことなく、むしろ重力を利用してゴンババの鼻に拳を落とした。ぐう、とゴンババが唸るがすぐにマリオを振り払う。

振り払われたマリオは床に叩きつけられまいと体勢を整えて床に着地した。だがその瞬間、目の前にあったのはゴンババのしっぽ。

これでは避けることは叶わない。瞬時にそれを理解したマリオは重傷覚悟でそのしっぽを受け止める。

「ぐぅうっ!!」

分かってはいたがものすごい衝撃がマリオを襲う。油断をすればマリオも竜太の二の舞になる。

マリオは一切力を緩めずにしっぽを掴む。だいぶ引き摺られたが、勢いが止まった。

「ほう、なかなかやりおる。それほどでなければ復讐のしがいがないというもの!」

「復讐、ね。自業自得だとは思ってないのか?」

「自業自得? バカなことを!」

ゴンババは笑いながら足を上げた。

「ハナハナ村を襲ったこと、ノコノコたちを飲み込んだことを覚えていないと?」

「はっ! そんなモノ、奴らが弱かったまでのことよ。この世界は弱肉強食。強い者が生き、弱い者は死ぬ!
どれだけ綺麗事を並べても結局はそれが現実なのだ!」

「……ああ、そうかもしれないね。だけど」

マリオは動かない。

足はマリオめがけて下される。

竜太がマリオの名前を叫んだ。

マリオが踏みつけられる瞬間、マリオは足を掴んでそれを止めた。

全体重が乗った一撃は重く、マリオは呻く。それでも。

マリオは叫んだ。

「綺麗事だろうが、あの村にはそんなものなかったよ」

あの村には弱肉強食なんてなかった。それをわざわざ襲って壊したのはゴンババだった。

ゴンババの足を、少しずつ押し返す。


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