二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- cross×world
- 日時: 2018/09/05 23:26
- 名前: 柊 (ID: PF4eFA6h)
こんにちは、柊と申します!
掛け持ちですが、またも小説投稿をさせていただきました!
下記は注意事項になります、大丈夫な方はどうぞお楽しみください!
・私得クロスオーバー
・オリキャラが主人公
・他作品同士のキャラのCP、オリキャラとキャラのCPがある
・主人公がキャラの子ども
・主人公以外にもオリキャラあり
・流血、暴力表現あり
・ところどころねつ造入る
・気まぐれ更新
・都合により、登場させられないキャラクターがいます。遅くて申し訳ありません
もしかしたら注意事項は増えるかもしれません。では、よろしくお願いいたします!
本日、2016/12/01に閲覧が1000突破しました!
いつもありがとうございます!しかも今日誕生日だから余計に嬉しくて…本当にありがとうございます、これからも頑張ってまいります!
登場作品、目次 >>1
お知らせ>>148
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- Re: cross×world ( No.39 )
- 日時: 2016/05/19 19:23
- 名前: 柊@6-1クリア! (ID: 0O230GMv)
第5話
それは朝、食事を終えた直後のことだった。
「稽古をつけてほしい?」
「俺と竜太にか?」
竜太と薬研は自分たちよりずっと背の低いしんのすけを見ながらそう聞き返した。しんのすけはこくこくと頷いている。
確かしんのすけは最年少の中で唯一戦うことを決めた勇敢な子どもだ。それ故に己を鍛えたいというのは当然の流れとも言えるだろう。
「ま、いいんじゃないか? 竜太も一晩休んで、傷もケガも治っただろう?」
隣にいた薬研が悩む竜太の背中を軽く叩く。彼の言う通り、たった一晩休んだだけにも関わらず竜太の体には傷一つなくなっていた。
ほとんどが驚いていたが、薬研や電たちはそれを当たり前だと言うように受け入れていた。
ちらりとしんのすけを見れば曇りのない瞳と目が合う。それに押され……竜太も頷く。
「早速稽古を始めたいところだが……まずしんのすけが使えそうな武器を見繕わないとな」
「短刀なら使えるかと。自分の短刀で素振りをさせましょうか」
「それはいいが、いきなり真剣は危険だろう。竹刀があればいいんだが……」
二人が頭を悩ませ、またちらりとしんのすけを見る。が、そこにしんのすけはいない。
驚いて目を見開いた瞬間、しんのすけのデレデレとした声が聞こえた。
「ねえねえルキナちゃ〜ん、オラ、今からおけいこするんだけど一緒にやらな〜い?」
「え、ええと……今から他の用事が……でも、頑張ってくださいね」
「頑張っちゃ〜う」
「……大丈夫か、あいつ」
「……どう、でしょうか」
ルキナに頭を撫でられてデレデレなしんのすけに、薬研と竜太はつい頭を抱えた。
- Re: cross×world ( No.40 )
- 日時: 2016/05/19 19:28
- 名前: 柊 (ID: 0O230GMv)
少し時間は経ち、食堂。このはによって手入れされ、すっかり回復していた浦島はそこでお茶を飲んでいた。(ちなみに、このはは大事を取って部屋で休んでいる)
「……という訳で、ぼくらどうしたらいいのか……」
「うーん……」
目の前の四人の相談に乗りながら。
一人はカリアゲヘアとあまりに低めの背が特徴的なメガネの少年、ミツオ。着ている黄緑の制服は明らかに彼の身体のサイズに合っておらず、袖なんて余りに余っている。
一人はふんわりとした茶色の髪をした、これまたメガネの少年、キョウジュ。こちらは小型カメラが取り付けられたノートパソコンを大事そうに抱えている。
一人はツンツンとんがった黒髪の少年、スネ夫。彼の顔は失礼ながら狐を連想させ、ふと鳴狐のお供を思い出してしまったが浦島は何も言わないことにした。
最後の一人は最年少のうちの一人であるマサオ。思わず撫でくりまわしたくなる坊主頭は垂れ下がっている。
ミツオとキョウジュは戦いには参戦して協力したいが、自分たちにはそれほどの力がなく、足手まといになってしまうと。スネ夫とマサオは戦いたくはないけれど眠っているのも不安だと相談してきたのだ。
四人のそれぞれの気持ちは分かる。特にミツオとキョウジュの考えはかつて浦島も考えていたことがあったもので、その時、兄の蜂須賀と主の武雄の言葉がなければ今も悩んでいたかもしれない。
「まず、ミツオくんとキョウジュくん、だったよね? それなら、強くなれるように特訓すればいいんだよ! 俺も手伝うからさ!」
「それは……そうなんですけど」
「わたし、いいえ、わたしとミツオくんはお互いにバトルが苦手なんです」
「苦手、っていうと?」
「作戦を立てたりするのはいいんですが、身体が追いつかなくて……」
「あー……」
失礼ではあるが、浦島はついなるほど、と思ってしまった。
パッと見ただけでも、二人の体には必要以上の筋肉が付いているとは思えなかったからだ。おそらくこれはスネ夫とマサオにも言えることだろう。ちらりと二人を見れば彼らも同じような体つきをしている。無論、それぞれの年齢からすれば、だが。
才能があれば即戦力として期待できそうではあったが先ほどの言葉からしておそらく才能もあるわけではないようだ。
つい、うぅん、と浦島が唸ると四人は顔を伏せた。
「……あっ! ねえ、四人とも得意なことない?」
「え、得意なこと、ですか?」
「あ、わたしは分析などが得意です」
「えー、と、いろいろあるけど一番はラジコンかな?」
「ぼ、ぼくはキョウジュくんが言った通り作戦を立てるのが得意です」
「じゃあそれを活かせばいいじゃん!」
- Re: cross×world ( No.41 )
- 日時: 2016/05/19 19:33
- 名前: 柊 (ID: 0O230GMv)
キョウジュ、スネ夫、ミツオのえ? という声が重なる。この時、スネ夫はさらっと自分も戦いの頭数に入れられていることに驚いていたようだが。
マサオはまだ顔を伏せたままだ。
「キョウジュくんは敵の分析、ミツオくんはそれを元に作戦を立てて、スネ夫くんはえーと、らじこん? それっぽい武器をもらって戦えばいい!」
「……あ」
「確かに……」
「ちょ、ちょっと待ってよ! ぼくは戦うの嫌なんだよ!」
「ラジコンって、操作するだけですよね?」
「うっ」
ミツオの指摘にスネ夫は言葉を詰まらせる。そんな二人を後目に浦島はにこにこと笑っていた。
しかし相変わらず顔を伏せたままのマサオに気が付き、首を傾げる。
「どうしたの?」
「……浦島さんは、どうして戦おうと思ったの?」
「え?」
「浦島さんは戦える力がある、そう思うんだけど……なんで自分から痛い目に遭うの?
ぼくは、そんな力ないし、分かんないよ……」
「……主さんたちを、助けたいんだ」
浦島の言葉に、マサオが静かに顔を上げる。そうすればこちらをまっすぐに見つめていた浦島と目があった。
浦島は続ける。
「主さんだけじゃない。本丸のみんなや、兄ちゃんたちも捕まってるんだ」
「兄ちゃん?」
「うん。同じ虎徹で……あ、でも一番上の長曽祢兄ちゃんは贋作なんだけど、贋作とか真作とか関係なしで兄ちゃんは兄ちゃんだよ」
浦島が明るい笑顔で笑う。贋作、というのはマサオには分からなかったが、なんとなく血が繋がらない家族みたいなものなのかな、と考える。
家族。自分で導き出した単語にふと母を思い出す。
自分と顔のよく似た母。優しくて、いつも温かな料理を作ってくれて。
その母は? あの亜空軍に捕まっているだろう。
いや、捕まっているならまだいいものだ。もし、もしも……そう考えて、ゾッとした。
もしも、もう体が冷たくなっていたら? もう二度と動いてくれなかったら?
一度マイナスに向いた思考は浮き上がることなくどんどん沈んでいく。じわりと滲み出した視界はクリアになることなく歪んでいく。
「う、うええ……ママ、ママぁー!!」
とうとう、マサオは泣き出してしまった。いきなり泣き出したマサオに驚く三人を後目にわんわん泣きじゃくる。
ふいに、体が温かなものに包まれるのを感じた。見ようにも歪んだ視界は包んだものをはっきり写してはくれない。
微かに見えたのは優しい黄色だった。
「思い出しちゃったか。ごめんね、大丈夫だよ。
大丈夫、大丈夫。
きっと、マサオくんのお母さんは無事だよ」
マサオにとっては気休め程度の言葉だろう。けれどその気休め程度の言葉は温かく心にしみていき、涙をとめどなく溢れさせた。
涙も泣き声も止まらず、マサオはしばらく浦島の腕の中で泣き続けた。
- Re: cross×world ( No.42 )
- 日時: 2016/05/19 19:38
- 名前: 柊 (ID: 0O230GMv)
山伏はいつもかぶっている宝冠を外し、行衣に身を包み、滝行をしていた。普段宝冠に隠された水色の短い髪は滝行によって濡れ、白い行衣も濡れてその身に刻まれた赤い模様が浮かび上がっている。
彼は精神統一のために閉じていた目を開き、ちらりと横を見てふ、と笑った。
「さて、そろそろ休憩としよう」
そう言えば横にいた少年たちは二人を除いて一目散に滝の下からザバザバ、という音を立てて出て行く。
「つめっ……てぇー!!」
いつもなら時代錯誤なリーゼントをした少年、カイトが叫ぶ。その横にいる、浅黒い肌に緑と、二筋金髪のなかなか奇抜な髪色をした少年、大河と普段は青いバンダナを頭に付けている少年、熱斗もガタガタと震えている。恰幅のいい少年、ジャイアンも同様だ。
その四人とは対照的に、黒い長髪の少年、レイやかなり重力に逆らっている髪型をした褐色肌の少年、一心は静かに滝の下から出ていた。
岸にはルイージやドラえもんがタオルを持って待機し、トオルはただ滝行を行っていたメンバーを見ているだけだ。(それでも熱斗から預かったPETを持っている。その画面からはロックマンエグゼ(以下、ロックマン)が顔を覗かせていた)
「はい、ちゃんと体を拭いてね」
「風邪ひいちゃうといけないよ」
二人にタオルを渡された順に体を拭いていく。
山伏もそれらを受け取った。
「すまぬな」
「いえいえ。あ、良かったら温かい飲み物もありますからね」
ルイージが取り出したのは水筒。チャプン、と水音がしたのでそこに飲み物が入っているのが分かる。
それに反応したのは山伏ではなく、震えていた四人。すぐにルイージに駆け寄って行った。
急に集まってきた四人にルイージは慌てながらも水筒の中身を同じく持ってきていたであろう紙コップに入れて渡していく。その姿に世話焼きな脇差の兄弟、堀川国広を思い出す。
彼も夏には外で遊んだりする短刀や、畑などの内番をする男士たちが熱中症になってはいけないと冷たい麦茶などを配っていた。それでも頑なにボロボロの布を外さない打刀の兄弟、山姥切国広はよく熱中症寸前だったが……。
それを思い出していると偶然顔を見たらしいドラえもんが首を傾げる。
- Re: cross×world ( No.43 )
- 日時: 2016/05/19 19:43
- 名前: 柊 (ID: 0O230GMv)
「どうかしましたか、山伏さん?」
「ん?」
「いや、なんか笑ってた気がするから」
ドラえもんからそう聞き、山伏は笑っていたのか、と口元を抑える。しかし、無理もないかもしれない、と思い直しその手をすぐに離した。
「ぬしらの姿を見て、兄弟を思い出してな」
「兄弟? 山伏のあんちゃん、兄弟いんのか!」
カイトの声にそちらを見れば、ルイージに群がっていた四人と、今飲み物をもらっているレイ、一心にその二人に飲み物を渡しているルイージ、トオルが山伏を見ている。
山伏が頷き、山姥切国広と堀川国広のことを話し始めた。
「うむ。一人は、なかなか卑屈でな。だがとても頼りになる。拙僧も何度助けられたことか。
もう一人は世話焼きで、少しばかり度が過ぎる時もあるがそれでも優しい男だ」
「へえー……オレにも姉ちゃんがいるんだけど、怒るとスッゲエ怖いんだよなぁ」
「カイトには姉ちゃんがいるのか! オレ様には妹がいるんだぜ、可愛くて自慢の妹だ!」
「カイトは知っとるけど、ワイには兄ちゃんがおるんや! いろいろあったけど、大好きな兄ちゃんや!」
「オレにも兄さんがいたんだ!」
カイト、ジャイアン、大河、熱斗が順に口を開く。……少しばかり、熱斗は寂しそうな顔をしていたがすぐに自慢の兄さんだぜ! と笑顔になる。
その言葉に「熱斗くんってば」とロックマンが笑った。
「ぼくも兄さんがいるから、その気持ちよく分かるなぁ。兄さんはぼくの自慢だよ」
「ぼくにも妹がいるんだ。ちょっと口うるさいけど、優しい妹だよ」
ルイージとドラえもんも優しい笑顔で言う。
「オレには兄弟はいないが、それに近い人がいる。まあ、ライバルのような存在でもあるんだがな」
「拙者には兄弟に近しい人間はいないが、市場城のみなが家族のようなものだ」
レイと一心も微笑みながら言う。
「……」
「あ、トオルくんは兄弟いる?」
ドラえもんが声をかけると、トオルは黙って顔を俯けて首を横に振った。そして口を開く。
「皆さんが戦うって決めたの、兄弟を助けるためですか」
その言葉に全員がトオルを見た。
彼は続ける。
「ぼくには分からないんです。ぼくは兄弟はいないけど、ママとパパがいます。
助けたいって思うけど、ぼくが戦ったところで結果なんて分かりきってる。だって何の力もない子どもだから。
はっきり言って、ほとんどの人がそうでしょう? 本当はただの子ども。それなのに、みんなぼくと違って自分で戦って助けようって……。
分からない、ぼくと皆さんの違いってなんですか。分からないよ」
トオルはそこで言葉を切った。
確かにトオルの言う通りかもしれない。山伏やルイージはともかく、他のメンバーは皆普通の子どもだ。実際のところ、何人か自分の世界の危機を救ってはいるが戦う手段がなければ本当にただの子ども。
なのに、ここにいるメンバーは皆戦うと決めた。最初は戦うのを躊躇していたレイとジャイアンも、タカオとのび太に説得され、そして自分の大切な人たちを助けるために戦うことを決めたのだ。
自分と、戦うと決めた者たちの違いが、トオルには分からなかった。
「……トオル殿、だったか」
「はい」
「無理に分かろうとせずとも良い」
山伏の言葉にトオルは顔を上げる。意外だ、と言わんばかりに目を見開いている。
てっきり、何故そうすると決めた理由を話され、説得されると思っていたから。
「人はみな、それぞれの考え、価値観を持つ。それらを全て理解し、受け入れることはとても難しい。いや、できぬのかもしれない。
無理にしようとしなくていいのだ」
そう言って笑った山伏は乱暴にトオルの頭を撫でる。それは今までされたことのない撫で方で、トオルはただされるがままになっていた。
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