二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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cross×world
日時: 2018/09/05 23:26
名前: 柊 (ID: PF4eFA6h)

こんにちは、柊と申します!
掛け持ちですが、またも小説投稿をさせていただきました!

下記は注意事項になります、大丈夫な方はどうぞお楽しみください!
・私得クロスオーバー
・オリキャラが主人公
・他作品同士のキャラのCP、オリキャラとキャラのCPがある
・主人公がキャラの子ども
・主人公以外にもオリキャラあり
・流血、暴力表現あり
・ところどころねつ造入る
・気まぐれ更新
・都合により、登場させられないキャラクターがいます。遅くて申し訳ありません
もしかしたら注意事項は増えるかもしれません。では、よろしくお願いいたします!

本日、2016/12/01に閲覧が1000突破しました!
いつもありがとうございます!しかも今日誕生日だから余計に嬉しくて…本当にありがとうございます、これからも頑張ってまいります!

登場作品、目次 >>1

お知らせ>>148

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Re: cross×world ( No.44 )
日時: 2016/05/19 19:48
名前: 柊 (ID: 0O230GMv)

中央館から少し離れた街。人で賑わうメインストリートには様々な露店が並んでいて、そこでは色とりどりの食材や花などが売られていた。

そのメインストリートから少し外れた憩いの広場で大量の食材が入った紙袋を降ろしてリンク、ヨッシー、フォックス、厚、大地、のび太、フクタが休んでいた。

「手伝ってくれてありがとう。でも良かったのか?」

「いいっていいって! それにこんな量、リンクさんたちだけじゃ持ち切れないだろ?」

厚の言う通り、一人一つ(ヨッシーは背中に乗せて四つほど)の大きな紙袋を抱えることになる。全員で持っても十はある紙袋をリンク、ヨッシー、フォックスで持てるとは思えない。実際、以前は往復していた。

「はは、確かにな……」

「ファルコンさんがブルーファルコンを出してくれれば、多少は楽なんですよ〜」

「ファルコンって、あの青い服着て、赤いヘルメットかぶった人なんだケド?」

特徴的な語尾で話すフクタにフォックスが頷く。まあ仕方ないんだけどな、と言いながら。

「仕方ないって、何でだよ?」

大地の言葉にリンクが答える。

「ファルコンの愛機、ブルーファルコンはレース用なんだ。だから普通荷物の運搬には使わないし、スピードが出過ぎることもある。
何より、ファルコンが許さないと思うしな」

「ファルコンさんって、レーサーなんですか?」

今度はのび太が問う。それにはヨッシーが答える。

「そうなんです〜。元の世界のエフゼロレースでは優勝の常連さんなんですよ〜」

「へえ、そいつぁす……」

すごい、そう言いかけた厚は急に顔をある方向に向けた。

その向けた先にはメインストリートから離れた細めの道に向けられている。

「ど、どうしたんだよ厚?」

「……あっちから声がする」

「え?」

「ここで荷物見ててくれ!」

「あ、おい! オイラも行く!」

「ぼ、僕も!」

「ぼ、ぼくも行くんだケドー!!」

「お、おいっ」

「待てリンク、荷物!」

「フォックス、ヨッシー頼む!」

「分かりました〜」

「ヨッシー!?」

Re: cross×world ( No.45 )
日時: 2016/05/19 19:56
名前: 柊 (ID: 0O230GMv)

細くて薄暗い路地。そこを駆ける少年が一人。十歳くらいの少年は黒い短髪に白いワイシャツ、黒のサスペンダーで黒の革靴を履き、紫の本を大切そうに抱えている。黒い瞳はただ前を見ていた。

息を切らせて走る少年が角を曲がって止まってしまう。前には壁。行き止まりだ。

「待てコラァ!」

「!」

少年が後ろを向けば明らかに良い人間ではない男たちが複数で追いかけてきていた。

壁は高く、周りに踏み台になりそうな物はない。

少年は壁が背中に着くまで下がったがそうしたところで無意味。すぐに追いついた男たちが唯一の道を塞いだ。

「ちょこまか逃げやがって……! おいガキ、このスーツどうしてくれんだ?
お前のせいで汚れちまったろうが!」

「あ、あなたたちがぶつかってきたんでしょう……!?
それに、ぼくは謝りました!」

「ああ!? 謝って済むならなあ、警察いらねんだよ!
おら、クリーニング代よこせ、そしたら許してやる!」

「お、お金なんかありません!」

「なら……ちょいと痛い目見てもらおうかぁ?」

そう先頭の男が言うと、周りの男たちがニヤニヤと笑い始める。

少年がぎゅ、と本を抱きしめた。そうして口を少し動かしーー。

「おーいこっちだ! こっちでチンピラが子どもに絡んでるんだ!」

「!! ちっ……行くぞ!」

男たちは声を聞くとすぐさま去っていった。

少年がぽかんとしていると、角からひょこり、と厚や大地たちが顔を覗かせる。

「おい、大丈夫だったか?」

「え、その声、さっきの……?
あ、あと大丈夫だよ」

「そうか、良かった!」

「それにしても、何であんな嘘吐いたんだよ」

「え、あれ嘘なの?」

少年が言うと厚がああ、と返した。

「大将がよく、何でもかんでもすぐ力で解決しようとするなってな。まあ、あれで逃げなきゃ実力行使してたけど」

拳を握って笑う厚に大地も笑い、のび太たちは苦笑いしている。

少年はまたぽかんとしてから、笑った。その笑顔は少年らしさがありつつも少女のような愛らしさがある。

「ふふ、面白い人たちだね。
助けてくれてありがとう。もう大丈夫だと思うから行くね」

「え、本当に大丈夫か?」

「家まで送って行くぞ?」

厚とリンクの言葉に大丈夫だよ、と言って少年は歩き出す。

「あ、ねえ、最後にいいかな?
きみたちの名前、聞きたいな」

「俺は厚藤四郎!」

「オイラは皇大地ってんだ!」

「兼丸フクタなんだケド」

「野比のび太だよ!」

「リンクだ」

「厚に大地にフクタ、のび太、リンクさん、ね。
ぼくは、トビアス・ランドルート。友達や家族からはよく「トビー」って呼ばれてるんだ。
本当にありがとう、また会えたらその時はよろしくね!」

少年ーートビーはにこりと笑って去っていく。厚たちはトビーが見えなくなるまで手を振り、憩いの広場まで戻っていった。

Re: cross×world ( No.46 )
日時: 2016/05/19 19:58
名前: 柊 (ID: 0O230GMv)

「そこ!! 休むんじゃないしんのすけ!!」

「うへぇ〜」

「あと二十!!」

中央館、庭。そこで竜太と薬研はしんのすけを始め、タカオ、マックス、ナガレ、ボーちゃんが竹刀で素振りしていた。

指南役の竜太は一緒に素振りをしながら手厳しく指示を飛ばす。

同じ素振りをしていたカイと漁馬は早くも薬研から実戦形式の稽古を受けていた。

「ほお、なかなかやるな」

「ふん」

「ヒーローバトルでも竹刀振り回しちょる、朝飯前じゃ!」

「それでも筋が良い。これならあいつらにも勝てるんじゃないか?」

一旦薬研たちが動きを止める。ちょうど素振りも終わったのか、竜太たちも手を止めている。

「薬研さん、素振り終わりました」

「そうか、なら……」

「あれ?」

突然した声に、竜太と薬研がそちらを向く。そこには青い髪をした美青年とその青年より濃い青い髪の筋肉質の青年が立っていた。

二人の腰には剣が差されている。

「貴方たちは確か……アイクさんと、マルスさん?」

「覚えていてくれたんだね、嬉しいよ」

「訓練か?」

「ああ。アイクの旦那とマルスの旦那もか?」

「うん。この時間にここで訓練するのが日課なんだ。いつもなら、ロイやメタナイト、リンクとかもいるんだけどね」

マルスがそう言う。その言葉と周りにいないことから、今日は違うのだと分かるが。

「リンクは買い出しに駆り出されて、メタナイトは他の人と訓練、ロイは今この中央館にはいないんだ」

「? スマッシュブラザーズの皆さんが今ここにいる訳ではないのですか?」

「そうだ。この世界にほど近く、真亜空軍の反応があった場所に何人かのファイターが調査に向かっている。
それと、ここのファイターとして登録されるはずだったヤツらもどこかの世界にいる。クレイジーハンドが今探しているから、分かったらその世界に行くことになるだろうな」

ロイはその一人だ、とアイクの言葉に竜太もなるほど、と返す。

となれば、「待てて三日」というのはおそらく真亜空軍の反応があった世界から何らかの報告があったからなのだろう。なるべく早くその世界を真亜空軍の脅威から救いたいに違いない。

Re: cross×world ( No.47 )
日時: 2016/05/19 20:03
名前: 柊 (ID: 0O230GMv)

ふ、と薬研に視線を移すと薬研の視線は二人の剣に釘付けになっている。きっと同じ刃物として気になるのだろう。(余談だが、同田貫が一度夕飯の当番で厨に入った時に切れ味の良い包丁と張り合い、どういうわけか冷蔵庫を壊したことがあるらしい。無論、それ以来彼は厨に立ち入り禁止である)

その視線に気付いたのかマルスが薬研に話しかけた。

「良かったら見てみる?」

「! ああ!」

薬研の返答にマルスがくすりと笑い、その鞘から神剣ファルシオンを抜いた。日の光を受けて美しく光る。

マルスがアイクを見るとアイクも自分の剣、ラグネルを抜く。こちらも美しく光り、甲乙つけ難い。

「ほう。どっちも素晴らしいもんだな。
こんな剣と戦ってみたいもんだ」

「お前の剣でか?」

「ああ」

「……折れないか?」

そのアイクの言葉に薬研はきょとり、とする。

「ちょっと、アイク」

「はは、そりゃあまともに戦えば折れちまうだろうな」

「? どういうことだ」

「アイクの旦那、短刀にゃ短刀の戦い方ってもんがある。脇差には脇差の、太刀には太刀の、外つの国の剣には、外つの国の剣の戦い方が。
短刀がこんな立派な剣の戦い方に合わせれば簡単に折れちまうさ。
逆に言えば、短刀の戦い方に合わせたら剣は扱いづらいだろう?」

「……そうだな。あまりにも長さが違いすぎる」

「だからお互いにお互いの戦い方で戦いたいってことだ。まあ……」

瞬間。アイクの首にひやりとした感触がする。

目だけで首を見た。そこには。

『薬研藤四郎』が、薬研によって突きつけられていた。

「なっ……」

「負ける気はないが」

「薬研さん」

戒めるような竜太の声に薬研は刀を下ろし、納刀する。

金属音が響く。

「すごい……今、全く分からなかった……」

ナガレがついそんな言葉を零す。しかしそれは竜太、アイク、マルス以外の全員が考えていたこと。

あまりに早すぎたのだ。薬研が刀を抜き、アイクの首に当てるまでが。

「……薬研、だったか」

「ああ」

「さっきの言葉は撤回しよう。すまなかった」

「いいってことだ」

薬研もアイクもふ、と笑い合う。

マルスはほ、と息を吐き、ファルシオンを戻す。竜太もそれに気付き、マルスに歩み寄った。

そして話し掛けようとした時。

「何なら今から訓練を兼ねて戦ってみるか。
マルスと竜太も交えて」

「……え?」

「お、いいねぇ。言っておくが、竜太もなかなかのもんだぜ?
剣技は俺たち、刀剣男士仕込みだからな」

「ちょ、ちょっと」

いつの間にか巻き込まれた二人をよそに、薬研とアイクが盛り上がる。が、薬研と竜太はまだしんのすけたちの訓練がある。それを伝えようとするが、またも遮られた。

「おお、オラ、竜太おにいさんたちの姿を見て『さんきょう』にしたいゾー!」

「さんきょう?」

「それ、もしかして『参考』?」

「そうとも言う〜」

「そうとしか言わないネ……」

「しんのすけは面白いな!」

「けど、勉強には、なる」

「そうじゃのお! それに面白そうぜよ!」

「実際に戦っていた者だからな、学ぶことはあるだろう」

全員、止めるどころかやれ、と言わんばかりの盛り上がりだ。

さてどうしたものか、と竜太とマルスが頭を抱えた。

「……あれ、みんなどうしたの?」

そんな時、乱の声がした。玄関から出てきたであろう彼はどこか元気がない。

「乱さん、どうしたんですか? 元気がないみたいですが……」

「気にしないで。何でもないよ」

「あれ、確かキミ、さっきピーチ姫の部屋で女の子たちとお茶をしていたんじゃ……」

「……えへ、ちょっと抜け出しちゃった。このまま散歩してくるね。夕餉の時間には戻るから」

そう言い、門の方へ歩いていく。

「あ、外に出るなら近くの森には気を付けて!
あそこはマスターハンドの管轄なんだけど、今はいないから何があるか分からないから!」

「ありがとう、マルスさん。それじゃ、いってきまーす」

乱がひらひらと手を振ってまた歩き出す。竜太はその様子がどうしても気になったが、いつの間にか決まっていたタッグ戦によって追いかけることは叶わなかった。

Re: cross×world ( No.48 )
日時: 2016/05/19 20:08
名前: 柊 (ID: 0O230GMv)

門を出てしばらく歩いた乱は、はぁ、とため息を吐く。そして、視線を下に向ければ目に入るフリル付きのスカート。

「……はぁ」

また出たため息は、先ほどのお茶の時間を思い出させる。






ピーチからお茶の誘いを受けた乱はるんるん気分で彼女の部屋に向かっていた。元の世界がある程度平和だった時、同じ主に仕えていた刀剣男士が提督をしていた鎮守府の戦艦、金剛に誘われてよくお茶をしていた。

歌仙や鶯丸と共にする茶の時間も好きだったけれど、金剛たちが淹れてくれる紅茶も乱は好きでそれと共に食べるお菓子も好きだったしおしゃべりも好きだった。

あんなことがあってそれはできないかと思っていたのだが、そうでもないらしい。しかも他の異世界から来たメンバーもいると聞いて仲良くなれるかも、と楽しみになっていた。

ピーチの部屋に着き、ノックをすればどうぞ、と優しいピーチの声がする。

「お邪魔しまーす!」

「いらっしゃい、乱ちゃん。好きなところに……って言ってももう一つしか椅子空いてないの、ごめんなさい」

「いいのいいの!」

乱はまる子とメイルの間に座った。前にはゼルダやサムス、ロゼッタが。

ピーチが手ずから淹れた紅茶が目の前に置かれる。ふんわりと良い香りが乱の鼻をくすぐった。

そこからすぐに始まったお茶会は思い思いにおしゃべりを楽しみ、ピーチ手作りのお茶菓子や紅茶を堪能し、とても充実した時間だった。……あの一言があるまでは。

ふと乱が隣にいたまる子とその隣に座るたまえが話そうとしないことに気付いたのだ。

「ねえ、もも子ちゃんとたまえちゃん。一緒におしゃべりしようよ」

「……一つ、聞いていい?」

「うん? なぁに?」

「どうして、乱くんは男の子なのに女の子の格好してるの?
変だよ」

その言葉に、全員が固まった。乱も。

たまえは慌てているが内心思ってはいたのだろう。慌てても止めはしなかった。

「ちょっと、別に男の子でも似合っていればいいじゃない」

「私も、可愛いからいいと思いますぅ」

「世界での価値観の違いかもしれませんが、私もそう思いますよ」

「でもさ、乱くんの兄弟の薬研くんと厚くんはちゃんと男の子の格好なんだよ? ねえたまちゃん」

「えっ、あ……う、うん。そうだよね」

「そう言われれば、確かに……」

「私も可愛いって思う。気にしなくてもいいと思うわ」

ハナ、カナ、モナの言葉にも反論するまる子。たまえにも同意を求め、彼女はそれに賛成する。メイルも賛成するが、しずかはそれらに反論した。

そこから楽しかったお茶会は彼女たちの口論の場となってしまった。ピーチやゼルダたちはそれを窘めようとすると上手くいかない。

「……あ、あー、と。ボクのせいで、空気悪くしちゃったね。ボク、退席するからあとはみんなで仲良くお茶して!
じゃあ!」

乱はそう言って席を立ち、できるだけ早く部屋を出る。ピーチが止めてくれていたがあれ以上いても空気を悪くするだけだ。

部屋を出たあとは走ってそこを去り、玄関から外に出てあてもなく歩いている。

「……変、かぁ」

そう呟いて乱はまたスカートを見て、袖を見る。普通の乱藤四郎なら、あまり気にしないのかもしれない。

しかし、彼にはどうしても気にしてしまう原因があった。それが先ほどからぐるぐると頭の中を巡っている。

乱は、どうしよう、と呟いて橙色から黒に変わりそうな空を見上げた。
第5話-END-
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