二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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cross×world
日時: 2018/09/05 23:26
名前: 柊 (ID: PF4eFA6h)

こんにちは、柊と申します!
掛け持ちですが、またも小説投稿をさせていただきました!

下記は注意事項になります、大丈夫な方はどうぞお楽しみください!
・私得クロスオーバー
・オリキャラが主人公
・他作品同士のキャラのCP、オリキャラとキャラのCPがある
・主人公がキャラの子ども
・主人公以外にもオリキャラあり
・流血、暴力表現あり
・ところどころねつ造入る
・気まぐれ更新
・都合により、登場させられないキャラクターがいます。遅くて申し訳ありません
もしかしたら注意事項は増えるかもしれません。では、よろしくお願いいたします!

本日、2016/12/01に閲覧が1000突破しました!
いつもありがとうございます!しかも今日誕生日だから余計に嬉しくて…本当にありがとうございます、これからも頑張ってまいります!

登場作品、目次 >>1

お知らせ>>148

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Re: cross×world ( No.24 )
日時: 2016/01/07 02:26
名前: 柊 (ID: P/XU6MHR)

「ほ、本当に大丈夫かい?」

「ええ。自分でも無理ない程度で済ませるので」

竜太はトレーニングルームに来ていた。電はここに来る前、マリオに案内してもらう前にこのはの様子を見に行くと別れたからすぐには来ないだろう。

心配そうなマリオをよそに竜太が上着の内ポケットに隠していた一振の短刀を取り出す。これは孫バカ……もとい、心配性な祖父が刀匠の妖精たちに打たせた無銘の短刀。短刀としても世に生まれたばかりで薬研たちのような付喪神は宿っていない。(ただし若干霊力が宿っているらしい)

次に取り出したのは背に隠していた打刀。こちらも短刀同様に刀匠の妖精たちが打った無銘のものだ。

どちらにもヒビは入っていない。それにホッとして、まずは打刀をしまう。

「マリオさん、お願いします」

「……分かったよ。でもダメだと判断したらすぐに中止だ。いいね?」

「はい」

マリオは部屋の中にある小さな部屋(そこにも扉があり、そちらからも入れるようだった)に入り、そこの機械のスイッチを押した。

その瞬間に、部屋の中は紫や黒が混ざり合ったような空間になり、宙に浮いた大きな足場とその上に小さな足場が三つ、とそれだけの部屋になった。下も上も限界がないように見える。しかし不自然に黒くなっている場所がある。

「(あそこに入った瞬間、“撃墜”されたことになる、だったか)」

先ほど聞いた説明を思い出し、短刀を構えた瞬間、宙なら紫色の“何か”が降り立ち、竜太に襲いかかった。

Re: cross×world ( No.25 )
日時: 2016/01/07 09:24
名前: 柊 (ID: P/XU6MHR)

竜太はそれに焦ることなくギリギリまで引きつけ、拳が目の前まで迫ると首だけを反らせて避ける。その勢いのまま、まだ接近する“何か”を短刀で斬りつければこちらの力が強かったのか、反対の方向に吹き飛ぶ。

そのまま倒れた“何か”に追撃するために足を動かした。ケガのせいか痛みが走ったがどうということはない。

短刀を横に薙ぐ。しかし距離を見誤ったのか刃が当たることがない……はずだった。

どういうことか、追撃は成功した。短刀からわずかな距離ではあったが衝撃波のようなものが出ていた気がする。一体それは何なのか、今は分からない。

とにかく、今は目の前の“何か”を撃墜することを優先しよう、と再度短刀を構え、“何か”に突き刺す。手応えこそなかったが相当なダメージを与えたのか“何か”は吹き飛び、黒いところに入った瞬間、火柱のようなものが上がった。

「(あれで撃墜か)」

そう短く考え、竜太は次に備える。

次の“何か”が現れた瞬間−−ブゥン、という音を立てて、元の部屋に戻ってしまった。

まさか一回だけで無理だと判断されたのか、と竜太がマリオの方を見て……少し、いや、かなり後悔した。そこには、明らかに怒った様子の薬研と電がいたから。

二人が小部屋から出てくると竜太の前に早歩きで来て立ち止まった。そして、短くこう言った。

「正座」

と。

Re: cross×world ( No.26 )
日時: 2016/02/14 01:13
名前: 柊 (ID: YrPoXloI)

あれから何時間経っただろう。いや、実際には何時間どころか一時間も経っていないけど。

マリオはそう考えながら目の前ですごい勢いで竜太を叱る電と薬研を見る。二人の前で正座している竜太は冷や汗をかき、顔が青い。そうなるのも無理はないが。

「ケガが治ってもいないのに何を考えてるんだ! あんな無理をして、治りが遅くなるぞ!」

「少しは自分を省みてほしいのです!」

「す、すみませんでした……」

あの二人の説教は、勘弁願いたいな。

そんなことを思いつつ、マリオはどうやって竜太にいつ助け舟を出そうかと考え始める。この部屋に入る前の凜とした少年はどこに行った、と言いたくなるほど今の彼は縮こまっていた。

下手なタイミングで出せば火に油を注ぐだけだ。慎重にならなくては。まさか世間では一応英雄で有名な自分がこの小さな子ども二人に(一人は多分自分より年上だが)に慎重なるとは思いもしなかった。

苦笑いしそうになる顔を何とか留め、タイミングを見計らう……が、そのタイミングなんて一瞬も見えない。さてどうしたものかと頭を抱えそうになるとトレーニングルームのドアが開く。

そちらに全員の視線が向いた。そこにいたのは山伏、厚、乱、このはを抱きかかえた浦島、そしてヨッシーだ。

「あ〜、良かったいました〜」

のほほんとした声に調子が狂いそうになる。だが今はそれが救いだ。なんせ今ので電と薬研の調子も狂ったのか、少し怒りが収まったらしい。

「どうしたの?」

「はい〜クレイジーハンドが、リュウタくんたちに会いたいと〜」

「クレイジーハンドって……ここにオレたちを連れてきた人物ですよね?」

竜太がそう問えばヨッシーは相も変わらない声ではい〜と答える。

「い、いつ、どこに行けば」

「もうすぐここに来ると思います〜」

ヨッシーの言葉と同時にパチン、と指を鳴らす音が聞こえる。その直後、何もなかったはずの部屋の上に巨大な手が現れた。

Re: cross×world ( No.27 )
日時: 2016/02/14 01:15
名前: 柊 (ID: YrPoXloI)

「……え」

思わず声が漏れたのは誰だったか。そんなことを気にする間も無く、ほば全員が驚愕の声を上げた。

それにつられたのか、外にいた者がなんだなんだとトレーニングルームを覗き込む。竜太たちとほぼ同時に来た者はその手を見て言葉を無くし、逆にマリオたちのように元からいた者は「ああ、そりゃね」と言わんばかりの顔をしていた。

「て、手が浮いてる!?」

「カカカ! なかなかに不可思議であるなぁ!」

「いや、少しは動揺しましょうよ!? 山伏さん、どんと構えすぎですよ!?」

変わらぬ様子で笑う山伏にミツオがツッコミを入れる。しかしそれすら何ともないように山伏は笑った。

「……どうやって浮いているんだ?」

「いや、そこじゃねえだろ!」

薬研の疑問には厚がツッコミを入れた。

乱は電と抱き合って小刻みに震えている。

「やー!! おばけ、やーっ!!」

「わ、わ、あ、暴れないでよこのはー!」

このははと言えば泣きながら浦島の腕の中で暴れている。……思ったより、回復は早かったようだ。

「……そろそろ話していいか。進まなそうだ」

「あ、はい。どうぞ……」

竜太の返事を聞いて、クレイジーハンド、と呼ばれるらしい手は仕切り直すようにこほん、と咳払いをする。(その際、薬研が「どこに口があるんだ……?」と呟いていた)

「まず、竜太、電、薬研、厚、乱、山伏、浦島。戦いを決意してくれたこと、感謝する」

「え、何でそれを……」

「ある程度は見通せる。
他の者は迷っているようだが、じっくり考えてくれて構わない。平和な世界にいた者を無理やり戦わせるほど、非道ではない。
無論、戦わずとも放置などしないから安心しろ。この戦いが終わるまで、この屋敷にいて構わない。
とは言え、待てて三日だが……」

そのクレイジーハンドの言葉に大半がほっと息を吐いた。それならば気楽に考えよう、と。三日でも時間があるだけ充分だ。

「……では、戦わないと選んだ者はどうなりますか?」

「竜太?」

「あなたも言った通り、きっと大半が平和な世の生まれでしょう。それでいつ終わるかも分からない戦いにただ待つだけ、など精神的な苦痛を伴うでしょうね。
家族がいればまだ話は別かもしれませんが、こちらもまた大半の家族が敵の手中。……下手を打てば、精神をまともに保てなくなるのでは?」

「……そうだな。そうならないよう、戦わない者には眠っていてもらう」

Re: cross×world ( No.28 )
日時: 2016/02/14 01:22
名前: 柊 (ID: YrPoXloI)

眠っていてもらう。その言葉にざわついた。

一体どういう意味かと誰かが尋ねる前に竜太が続ける。

「眠っていてもらう、とは?」

「その言葉の通りだ。その者には戦いが終わるまで眠ってもらう。無論、終わった後は元の世界へ戻し、ここのこともあいつらのこともすべて長い長い夢だった。そう思うさ」

「……では、仮に敗北した場合は」

「……意識ないまま消えていけるんだ。まだ幸せだろう」

「き、消える!?」

まる子の驚愕した声が聞こえた。だが誰も彼女を見ない。いや、見る余裕がない。

消える。たった三文字の言葉が飲み込めなかった。

「負けてしまえばタブーは悪戯に世界を乱し飽きれば消す。飽きた玩具を捨てるようにな。
それを防ぐために最後に力を使って消す」

全員が沈黙する。

消える、なんて。

大半が体験などするはずもない事態に恐怖した。中には今にも倒れてしまうんじゃないかと思ってしまうほどに顔色が悪い者までいる。

誰もが言葉を発せずにいる中、一人の声がいやに響いた。

「カカカ! なれば、負けぬよう修行に励むとしよう!」

「や、山伏さん」

「ここで幾多とある未来の中の一つに尻込みしていても始まらぬこと。
……確かに、敵は強大であろう。しかし勝てぬ相手ではない!
なあ、クレイジーハンドとやら!」

ニッ、と山伏が歯を見せて笑う。その笑みは不安なんて一つもない、そんな笑みだった。

山伏にクレイジーハンドがああ、とはっきりと答えた。それに少しばかり、全員に希望が戻る。

しかしやはりすぐに答えは出ない。最初にクレイジーハンドが言った通り、三日後に全員答えを出すということになり、その日は解散した。
第3話-END-
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